概要
逆崎約子と幼馴染の女子生徒。クラスは約子やミヲと同じ駒形高校２年Ｃ組。
１週間前、全身挫滅の状態で死亡しているのが発見され、飛び降り自殺をしたとみて調査されている。
人物
おさげ髪を白いリボンで結んだ女学生。大人しい印象の少女だが、約子の影響か、前向きで自分を曲げないような一面もある。しっかり者の優等生で、先生から好かれるタイプ。ただ、気丈に振舞っているのは、表面に出さず内に溜め込んでしまうことが多いのも理由のひとつ。
３年ほど前に事故で父親を亡くしている。現在は母親が再婚し新しい父親がいるが、実父の形見であるお守りは常に持ち歩いていた。
１年生の３学期ごろから、彼女に異変が起こり始める。無断欠席が増え、来ても明らかに元気がない。そんな状態が続く中のある日、彼女は亡くなった。現場の状況や、生徒たちの間で噂されていた内容から、自殺と判断された。
関連人物
- 逆崎約子
幼馴染。父親が亡くなって引っ越して以来、やや疎遠になっている。美智代の抱え込みがちな性格や複雑な家庭事情を原因に、お互い深く問題に踏み込めず、結局何も相談できないまま永訣することとなってしまった。
約子が主人公のルートでは、前向きな美智代が自殺するはずがないと信じる約子は、同級生のミヲとともにこっくりさんを行い、美智代の死因が自殺ではなく事故だったということを突き止める。さらに、美智代を蘇らせたいという思いに反応し、約子は「馬鹿囃子」の呪主となり、人を呪殺して滓魂に変え、「蘇りの秘術」を使うための呪いの力を手に入れる。
担任教師。美智代が少年を誘拐する現場を目撃し、そのことを弱味として握って、美智代を脅し好き放題していた。美智代の死後は「白石美智代に呪い殺される」と怯えていた。
本所七不思議の呪いが発生した夜、転落したような全身挫滅の状態で死亡した。現場付近で美智代に似た女学生を目撃したという証言があるほか、現場には約子とお揃いで購入した白いリボンが落ちており、美智代に怨讐されたのではないかと推測されている。
一度城之内から美智代を助けたことがあり、その際に城之内の所業を打ち明けられた。美智代本人が隠したがっていたため誰にも話さなかったが、城之内の死後、約子たちに話を聞かれ、その事実を伝えた。
殉職した墨田署生安課の警察官。思い詰めた様子の美智代を偶然見かけて以来気にかけていた。美智代の死を防げなかったことを悔しく思っていただろうと推測されている。美智代の死後はその死因の調査を行っていた。吉見の調査によれば、転落ではなく交通事故の可能性もあるとのこと。
美智代のものに似たお守りを先祖代々受け継いでいる。死の直前に自身のお守りを奥田に託し、美智代のお守りとともに警視庁のナカゴシという人物へ提出するよう頼んでいた。
櫂利飛太が城之内から得た証言により、息子の修一を誘拐したのが美智代だったらしいことが判明した。
美智代の母・稔子の内縁の夫で、美智代の義理の父。駒形高校の生徒たちの間では、美智代にセクハラをしたり暴力を振るったりしていたという噂が流れている。
実際、白石家周辺に住む人々は、白石家から罵声や悲鳴が聞こえたと話している。
以上のように、逆崎約子にとっては蘇らせたい幼馴染、志岐間春恵にとっては息子の誘拐殺人事件の関係者、津詰徹生にとっては捜査中の殉職した警察官の関係者と、３人の主人公のルートすべてで重要人物として物語に関わってくる。
真実（中盤以降のネタバレ注意！）
それぞれの調査で白石家付近を訪れていた春恵・利飛太と津詰・襟尾が情報交換を行った際、城之内が美智代の怨讐で呪い殺された可能性があるという情報から、利飛太は岩井官吉郎が同じように怨讐されているのではないかと推測する。その推測は当たり、岩井は城之内と同じ全身挫滅の状態で死亡しているのを発見される。
このことで、美智代が何らかの方法でこの世に存在し、自分の人生を壊した者たちに怨讐していることが確実になる。
白石家の調査で、岩井が白石母娘を金と暴力で従わせ、志岐間修一の誘拐・殺害を幇助させていたことが判明。また、岩井が信奉する根島史周のために隠れ家を用意し、その掃除を美智代に手伝わせていたことが判明した。根島を追う津詰は、この世のどこかにいる美智代から証言を得ようとする。
では、肝心の美智代はどこにいるのか？
この先、さらなるネタバレを含みます
実は美智代は、事故現場に花を手向けにきた約子に取り憑いている。最初に約子とミヲがこっくりさんをした時、こっくりさんとして呼び出された「近くにいる霊」は美智代の霊だった。
ミヲによれば、昼間は約子と意識が混ざり合い、美智代の意識は表面に出ていない。しかし夜、約子が眠っている間は美智代の意識が表面化して体の制御を奪い、約子の持つ「馬鹿囃子」の呪詛珠で城之内や岩井を呪殺していた。
美智代に取り憑かれていることを知った約子は、精神世界のような場所で美智代と出会う。美智代は今まで話せなかった自分の罪を約子に打ち明け、迷惑をかけたことを謝罪する。
その後、目を覚ました約子は、美智代本人からの証言を得るため、再びミヲとこっくりさんを行う。その結果、根島の隠れ家の場所、呪いを収めるために必要なアイテムである美智代のお守りをひき逃げ犯が持ち去ったらしいこと、そしてそのひき逃げ犯とは並垣祐太郎であることが判明した。
そして最後に、ミヲが美智代を成仏させようとするが、こっくりさんは「いいえ」を指している。精神世界で交わした約束、美智代のことを忘れないという気持ちを行動で示すことで、約子に改めて感謝の思いを伝え、美智代はやっと成仏する。
（行動での示し方がわからない人は、記憶をずっと残しておくただひとつの手段を思い出そう。）
- 逆崎約子編「セイマン」チャプターで、先に並垣の話を聞く選択肢を選ぶと、美智代が約子の体を乗っ取って並垣を呪い殺し失踪するというバッドエンド「白石美智代の怨讐」が発生する。
