CV.阿澄佳奈
概要
暁古城の目の前に現れた姫柊雪菜と瓜二つの姿をした吸血鬼の少女。
初出は電撃文庫公式海賊本収録の『雪菜√Before/After』。その後テレビアニメ化に際し、本作をプロットとしたアニメ版オリジナルエピソード「暁の帝国編」にて映像で登場した。
さらにこれらの設定をブラッシュアップする形で、原作第16巻終盤から本編に参戦することになり、アニメ版でも2022年発売のOVA『FINAL』にてTVシリーズから約9年ぶりに再登場を果たす。
人物
堅物の雪菜とは違いフレンドリーでお喋り。顔はそっくりだが瞳の色は青。小振りな雪菜とは反対に、服の上からはっきり判るほど胸は大きい。恐らく父方の祖母の遺伝。
雪菜とは顔以外は違いの方が多いが、拗ねると口を尖らせ半眼になって睨みつけたり、真顔で冗談を発言したりするクセは似通っている。
全裸で現れるなり雪菜から衣服(下着含む)を奪い、絃神島で暴れる謎の魔獣にも関わりがあるような素振りを見せるが...。
正体
第四真祖・暁古城と彼の伴侶となった姫柊雪菜との間に生まれた娘。
真祖を親に持つ第2世代の吸血鬼なだけあって、高い魔力を持つ。
さらに剣巫である母に似た戦闘技術を有している(違いは使用する力が霊力ではなく魔力であること)。
本人は20年後の彩海学園中等部に在籍する中学生だが、ある目的のために時間転移術式を用いて現代にやってきた(20年後に15歳の彼女が存在する計算で行くと、本編の約5年後の時期に彼女が誕生することになる)。
その目的とは「雪菜の監視役解任の阻止」。
零菜が現れた頃、絃神島では人工的に生み出された魔獣が暴れており、雪菜はこれを止めるため雪霞狼を使うも、高まりすぎた彼女の霊力に槍が耐え切れず自壊してしまう。
監視役の資格である槍を失った雪菜はすっかり気落ちし、獅子王機関からの監視役交代命令を受け入れてしまう。そうなれば古城とも必然的に別れることになり、2人の娘である零菜は生まれなくなってしまう。
最悪の結末を防ぐべく、零菜は過去の世界にやってきたのである。
原作とアニメではこの対処法が大きく異なり、先行したアニメ版では「未来世界で開発された新しい雪霞狼を託す」というものだが、本編では「破損した雪霞狼の破片」「暁深森からもたらされた神格振動波駆動術式のオリジナル」、「未来世界の術式理論」、そして触媒として「真祖の子たる零菜の血」を用いて、ニーナ・アデラードの錬金術で雪霞狼を強化修復してもらった。
短編集『APPEND4』にて古城と雪菜が零菜達の時代に迷い込んだ際には「訳あって、母親の旧姓を名乗っている」と話していたため、普段は『姫柊』姓にて生活していると思われる。
眷獣
判明している眷獣は二つ。まだまだ未熟ながら、作中基準では真祖並に反則的な特性を持つ。
- 槍の黄金(ハスタ・アウルム)
雷を操る黄金の槍型の“意思を持つ武器(インテリジェント・ウェポン)”。
形状や大きさは母・雪菜の愛槍「雪霞狼」 そのまま、伸縮自在の鞭のように形状を変えることも可能。
能力は父・古城が最初に従えた「獅子の黄金」とほぼ同じ、“意思を持つ武器”という点では「夜摩の黒剣」とも共通(どちらも雪菜の血で従えた)。
零菜が古城と雪菜の娘であることが解る象徴的な眷獣だけあって、普段からメインウェポンとして愛用している模様。
映像上ではわかりにくいが「雪霞狼」同様の魔力無効化能力も併せ持つ。つまり、真祖の実子という超上級魔族でありながら魔族殺しの能力を持っていることになる。
- 天球の蒼(エクリプティカ・サフィルス)
時空を超える能力を持つ眷獣。詳細な姿は不明。
零菜が現代にやってきた際の時間転移術式は肉体と精神しか移動できないため、未来から新たな雪霞狼を呼び寄せた際にはこちらを使用したと思われる(眷獣召喚時のエフェクトも確認できる)。
流石に規格外過ぎる性能のためか登場時点ではまだ完全に制御できておらず、萌葱の魔術的補助を必要とする。
こちらも古城が雪菜の血で従えた眷獣「水精の白鋼」が近い能力を有する(対象の時間の巻き戻し、及びその応用による回復)。
未来のあれこれ
彼女の発言により登場人物の未来の姿が断片的に把握できる。
初めて出会った際に「古城君」と呼称する。未来では叔母にあたる暁凪沙の影響であると推測できる。一方で零菜自身は名乗っておらず『APPEND4』での別れ際に「素敵な名前を考えておいてくださいね、パパ(要約)」と自身が何者かを意識させるような言動を取った。
更に絃神島を「第四の夜の帝国(ドミニオン)」「暁の帝国」と呼ばれるまでの国家に発展させている。
出会った瞬間に攻撃して気絶させ、衣服を奪っているので初めはかなり険悪な雰囲気だったが、最終的には息の合った共闘をする。堅物なところは未来でも変わらず、零菜は石頭呼ばわりするほどウンザリしている模様。古城の嫁。
出会った当初は呼んでいなかったが、別れ際に『ママ』と言い放ち古城ともども困惑させながらも意識させていた。
続編では零菜が主催した理不尽な裁判の終盤に乱入して、零菜を気絶させ裁判を強制終了させた。容姿は明らかにならなかったが、古城のモノローグでは美女と評されている。
出会った際、彼が痩せてて髪がふさふさしている事に驚いている。どうやら未来の彼は太っている上に髪を染めたのが後に災いして禿げているらしい…。
性格に関してはかなり似通っている叔母。対面した際に「おばさん、若⁉」と言ってしまい、悪気はないものの傷つけてしまった。
「まるで成長していない」とのこと。ちなみに零菜も古城同様、「那月ちゃん」と呼称している。
彼女の能力により正体は薄々バレている模様。
出会った際「ドク(ドクター)」と呼称される。未来では雪菜と共に「帝国最高技術顧問」として働いているらしい。更に「萌葱」という零菜と同い年くらいの娘がおり、娘も科学者を務めている。
零菜は昔の浅葱が予想以上に可愛かったことから、吸血衝動が抑えられなくなる程興奮してしまい、それが原因で古城に自身が吸血鬼で雪菜とは別人という事がバレてしまった。
24話冒頭、ニーナとの3人のお風呂シーンで夏音に頭を洗ってもらってる時に「かのねぇ」と言いかけてすぐに「夏音さん」と訂正していた事から未来では姉貴分として接している事が窺える。
- 萌葱
20年後から送り込んだ協力者で第2世代の吸血鬼の少女で、ドクの娘。16歳
古城のことは「古城君」と呼ばせてる辺り、叔母にあたる暁凪沙の影響は濃いと思われる
- 暁深森
零菜にとっては祖母に当たる人物。
雪霞狼修復にとある材料が必要なので接触する。
彼女の持つ能力によってその正体は感づかれている。
- 香菅谷雫梨・カスティエラ
本編では母である雪菜のライバルであるのだが、「雫梨ちゃん」呼ばわりするくらいには未来では仲が良い模様。
- 羽波唯里、斐川志緒
昔の姿を見て、戦闘の最中ではあるものの、「若っ・・・」と驚いていた。
- 無(ケノン)
本編では「吸血王(ザ・ブラッド)」が初出。20年後の世界でも引き続き古城に絶望を与えようとしている模様で、その事から零菜と萌葱からは迷惑がられている。
しかし製作者側曰く、これは「数ある未来の1つ」である為、今後上記の事柄が覆る可能性もあるのであしからず・・・
と電撃文庫が限定発売した海賊版小説に登場するだけであったが、2017年には原作小説にも登場したのを皮切りに幾度かの登場機会を得ている。