概要
花札49枚中5枚しかない光札のひとつ。
ちょっと扱いが特殊な札であり、採用するルール次第で「柳に小野道風（雨）」よりもさらに認識が変わる札。
扱いが良くなる例では、「菊に盃(酒)との2枚で5文」となる「月見酒(月見で一杯)」を採用する場合。
場札にあるだけでリスクが跳ね上がる上に、三光以上の役にもつなげられるため、「花見酒(花見で一杯)」を成立させる「桜に幕」とともに非常に重要視され、特に場札にこれらの札が出ているときは一発逆転がありうるので生きた心地がしない。
三光を成立させる札にもなる場合、光札の中でも非常に価値が高くなり、採用するローカルルール次第では「月見酒と三光で10文、こいこい返しで倍付け、7文以上で倍付け」で40文くらい普通に持っていかれるので、相手に取られないように動くのも大事になる。
一方これらは元々賭博を盛り上げるためのルールということもあるのか、最近ではこれらの事故要素となるルールを採用しない・選択式にする花札ソフトも増えてきている。
一方扱いが悪くなる例では「光札3枚の「三光」ではこの札または雨があると役として見なされない（五光・四光を成り立たせるためにしか役に立たない）というルールの場合。
この場合だと、8月の札が他に特殊な役を成り立たせるものがないことも手伝って重要度はかなり下がる。
「ぼうず」という通称がある。これは元々版画刷りで作られていた頃の名残で、版画板を繰り返し使っているうちにススキの部分（丘にススキの穂が青海波のように描かれている）が黒塗りになってしまい、それが坊主頭に見えたことからこう呼ばれた。
上述の「三光を成立させない」というローカルルールは、おそらくこの坊主のイメージからだろう(cf.坊主めくり)。
