概要
こいこいの役の一つ。
「松に鶴」「桜に幕」「芒に月」「柳に小野道風」「桐に鳳凰」の光札五枚すべてをそろえた役。
一般的なルールのもとで行われるゲームにおける出来役としては最高位の大役。
ポーカーのロイヤルストレートフラッシュや、麻雀の九蓮宝燈や天和のイメージだが、ルールの性質上あれらに比べると圧倒的に揃えやすい。
サマーウォーズをはじめ、花札をモチーフにしたものでは間違いなく決め技や最高位の必殺技のように使われている。特に得点を奪い合うルールの場合、相手は大体オケラになる。
しかし実際には揃える手間に対して見合っているとは言い難く、揃えにいこうとして相手にタネやカスあたりの小役を揃えられて妨害される。
そもそも五光を揃えるためには、前手でほぼ(雨)四光が揃うため「こいこい」をしなければならず、流れたり相手に先に上がられたらせっかくの7~8点がパーになるどころか、ルールによっては「こいこい返し」などで大損する可能性すらあるのでハイリスク。
相手を先にオケラにするのが目的のルールなら「さっさとトドメを刺して銭を総取りする」などの旨味があるからまだしも、得点の総和を競うルールの場合はよほど点差が開いてない限り「1枚欲張って四光をどぶに捨てるなんてもったいない」として、あえて狙いにいかないことの方が多くなる。
そのド派手なイメージに反して、実際のゲームでは「どのタイミングで五光を狙うか」「五光を狙いに来た相手をいかに妨害するか」という駆け引きの方が盛り上がるというおかしな役。
その分、「絵柄の派手な札5枚」という役を揃えられたらとても華々しい。
「松に鶴」「桜に幕」はどちらも同じ月に赤短を成立させる短札があるので、光札を揃えるまでに取った札で赤短やタンまでついでに成り立つ場合も多い。
ルールによってはここに「花見で一杯」「月見で一杯」や各種倍付けまで加わってとんでもない点数をむしり取っていくし、得点の総和を競うルールでもほぼ逆転不可能な点差を作り出す。
他のゲームに比べた際の五光の特異なところは、役自体もさることながらその副産物までド派手な役になる(ことも多い)ところだろう。
同名の落語の演目があるが、こちらはこの五光を知らないとオチが分かりにくい。