概要
「むつさき」とは『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』における若葉睦と豊川祥子のカップリングタグ。
ふたりは幼馴染であり、バンド「Ave Mujica」では睦がギター、祥子がキーボード兼総指揮を担当。
「Ave Mujica」のライブでは祥子のもう一人の幼馴染である三角初華(Gt.&Vo.)と三人でフロント組を形成している。
互いの呼び方は「祥(さき)」と「睦」で、睦にとって祥子は自分の半身のような幼馴染みとされている。
誕生日は睦が1月14日、祥子が2月14日とちょうど1ヶ月違い。
また、睦、祥子ともに解散した「CRYCHIC」の元メンバーでもある。
CRYCHICが解散し、祥子が転校先も告げずに行方をくらまして他のメンバーとの交流を断った後も、祥子は睦のみ転校先を教えており交流を持ち続けていた。
アニメ『MyGO!!!!!』監督インタビューでは祥子の「陰の部分」について、「幼馴染の睦以外には知らせていない」と言及されており、睦はCRYCHIC時代から解散後もずっと祥子のそばに居続けていることや、後述する「Ave Mujica」加入時の言葉から、『It's MyGO!!!!!』内で最大の謎となっている祥子に起こった出来事を唯一知っている人物と描写されている。
CRYCHIC(中学生時代)の睦と祥子
高松燈視点でのCRYCHIC結成から解散までのストーリーである『It's MyGO!!!!!』第3話にて、中学3年生時代の睦と祥子が描かれている。
燈に対して祥子が睦を「幼少の頃よりギターをたしなんでおりますから頼もしいですわよ」と紹介し、睦が「ううん」と首を振ると「またそんな」と祥子が苦笑する(アプリ版では睦に「もっと自分に自身を持たないといけませんわ」と励ます。なお、実際に睦の演奏技術は一流とされている)遣り取りでふたりが幼馴染であることが示されている。
燈が歌えるようにCRYCHICメンバーでカラオケに行った際は、祥子がノリノリでマラカスを振っている姿(アプリ版ではマラカスを振りながら歌う姿)を見て、睦が声を出して笑う姿が描かれている。
この場面は『It's MyGO!!!!!』作中で睦が唯一声を出して笑った場面であり、睦が笑ったことに驚く周囲に対し祥子は「睦は笑いますわよ」と幾度も彼女の屈託無い笑顔を見ていたこと、睦と祥子の親密さを窺える言葉を残している。
また、『春日影』の歌詞を見て感動で涙する祥子に睦は真っ先に声をかけ背中に手を伸ばして心配し、その涙の理由を知ると隣で微笑んでいる姿が映され、とても仲の良いふたりとして描かれている。
第3話以外の中学生時代の2人については、第2話の『春日影』演奏動画の撮影に際して祥子が睦の手を引き位置取りをさせて世話を焼く姿が映され、第9話では長崎そよをスカウトするきっかけとなった月ノ森女子学園にも二人で一緒に観賞する姿が描かれている他、祥子が祐天寺にゃむを「Ave Mujica」に勧誘する際に見せた睦とのツーショット写真もこの時期のもの。
CRYCHIC解散後の睦と祥子
祥子がCRYCHICを脱退し、他のメンバーに行き先を告げずに転校して関係を断った中で唯一睦だけが祥子の居場所を彼女から知らされており、一緒にいる姿が描かれているが、中学時代の屈託の無い祥子とは異なり睦に対してきつめの接し方をしている。
そのような中でも、祥子の行方を探ろうとするそよと板挟みになる睦に対し祥子は「伝書鳩になってはいけませんわ」との助言を、千早愛音経由で居場所を知ったそよにしつこく付き纏われていることを相談する祥子に対して睦は直接話を付ける場所として燈たちのバンドのライブ会場に行くことを提案する(アプリ版では睦に案がないかと頼る祥子の台詞が追加されている)といった、互いの抱える問題を慮る関係が描かれている(最終的に睦、祥子共にCRYCHICを復活させるというそよの望みを拒絶)。
『It's MyGO!!!!!』第13話冒頭では祥子から直々にAve Mujicaの加入を請われ、睦は承諾。その際、祥子は驚き、躊躇するような表情を見せた後に「後戻りはできませんわよ」と再度確認するという、自身の望みに応じる睦の選択に複雑な心情を抱いていることを窺わせる描写がされる。
そして、睦は「Ave Mujica」に加入する理由を「祥が壊れそうだから」と述べており、祥子を案じて彼女のそばに居続けることを選んだ。
「Ave Mujica」への加入には祥子に対する罪滅ぼしのような気持ちを持っているとのこと。
Ave Mujicaでの睦と祥子
『It's MyGO!!!!!』第13話後半のAve Mujicaライブパートにて、睦は「モーティス」、祥子は「オブリビオニス」として登場。
ライブ前の舞台劇ではオブリビオニスとモーティスが手を繋ぎながら登場することを始め、オブリビオニスは終始モーティスの髪をくしで梳かす、彼女の髪に触れるといった演技が行われており、オブリビオニスとモーティスは演者である睦と祥子の本来の親密な関係を反映したようなキャラクター付けがされている。
なお、モーティスはオブリビオニスを「お姉様」と呼んでいる。
備考
祥子の趣味と睦
祥子が構築した「Ave Mujica」の世界観、彼女が赤いドレスのドールを幼少期から現在まで所有していることやスマホの壁紙から、祥子はドール趣味を持つことが窺える。
一方で睦は羽丘に訪れた際に一般の女子生徒からその容姿を「お人形さんみたいで超かわいい」と言われている。
ドール趣味の祥子から見ると、「お人形さんみたい」と言われる睦は趣味に合う容姿と推測できる(?)。
睦の助言と祥子
前述の通り、祥子はそよに付き纏われている件について睦と相談し、彼女の提案を容れて燈達のバンドのライブ会場を訪れている。
その睦の助言を受けてライブハウスに訪れた2人について、アニメ『MyGO!!!!!』第7話にて、ライブハウス内で睦と祥子が会話しながら歩いているシーンが挿入されている。
このシーンは本放送では観客の声で2人の話し声が聞こえない演出をされていたが、アニメ『MyGO!!!!!』公式ガイドブック『FOOTPRINTS』に掲載されている第7話絵コンテによると、この場面の会話内容は祥子は「ライブを見る必要はない」と言い、睦が「いつ終わるかわからないから見た方がいい」と助言するというもので、実際に祥子は睦の言葉通りに燈のバンドのライブを見ることになる。
このように祥子は睦にアドバイスを求め、彼女の意見に従う姿を見せており、祥子の睦への信頼を窺わせる描写となっている。
CRYCHICの解散
CRYCHICの解散について、脚本インタビューによると祥子の脱退がきっかけではあるが、祥子が脱退を申し出た際の睦の「私は……バンド、楽しいって思ったこと一度もない」という言葉が決定打になったとのこと。
物語上の意味合いとしては、CRYCHIC解散の責任を祥子だけに背負わせず、睦も同じ罪をずっと背負うことになったとされている。
それを表すかのごとく、この二人には「罪」に纏わる言葉が入っており、
となっている。
上記の二人に関する劇中で解釈できる事柄は、以下のように取れるだろう。
- 豊川祥子→「咎」
- CRYCHIC解散の原因の一人
- 初華から一緒に帰ろうと誘われるものの芸能人の自覚が足りないと注意したり、舞台裏の動画撮影を禁止したのにもかかわらず撮影するにゃむを咎める(初華に関しては、自身の事情を知られたくないという意味合いが強いだろう)。
- 若葉睦→「罪」
- 彼女の「私は……バンド、楽しいって思ったこと一度もない」という発言がトドメとなった。
- 祥子の事情を知っていたとはいえ、何も出来なかった罪悪感からCRYCHIC解散という罪を共に背負い、贖罪の意味も込めて彼女の誘いに乗る。
ライブ演出
Ave Mujicaがオープニングアクトを務めた2023年9月17日開催のRoseliaの単独ライブ「Farbe」2日目において披露された『神さま、バカ』にて、演奏中にモーティスがオブリビオニスに寄って、見つめ合いながら合奏した後にオブリビオニスがモーティスの肩をポンと叩いてモーティスが元の位置に戻るという、両者の関係性を絡めた演出が行われた。
睦の演者である渡瀬結月氏は『月刊ブシロード』2024年2月号のインタビュー記事にて、Ave Mujicaで一番好きな楽曲はという質問に対して『神さま、バカ』である旨の回答を行っており、その理由の一つとして同ライブでの演出を言及している。
同演出は1stライブ「Perdere Omnia」以降も、ライブによって演出の差異はある(例としては1stライブではモーティスとドロリスがすれ違う際には位置交代を示すようなハイタッチをする)ものの行われている。
オブリビオニスとモーティスはライブ時には正反対の位置がポジション(ドロリスをセンターに、左手側にオブリビオニス、右手側にモーティスというフロント構成)であるため、両者が接近するライブ演出は比較的少ない。
例としては上記の『神さま、バカ』の他に、3rdライブ「Veritas」での『黒のバースディ』演奏時にモーティスがオブリビオニスのそばに移動して一緒にヘドバンするパフォーマンスが挙げられる。
その他
『It's MyGO!!!!!』の続編となる『BanG Dream!Ave Mujica』のキービジュアルは祥子が四人のバンドメンバーの人形を抱きかかえて座る油彩画調のイラストで、そこでは睦のみ祥子の手に自身の手を重ねている。
Ave Mujicaのステージネームは総指揮を執る祥子が考案したもので、睦には「死」を意味する「モーティス」を名付けているが、現状では祥子は睦にその名前を与えた理由は明かされていない。
睦と「死」に関連する描写として、祥子のことを「壊れそう」と心配する睦が彼女から「弱い私は、もう死にました」と言われる場面が存在している(祥子が「死」んだという「弱い私」を最もよく知る人物が、ずっとそばにいて事情を知る睦である)。