篠月橙
しのつきだいだい
「ンッンー!」
「シボードーキ?難しい話は分かりませんが、アタシは橙です!」
概要
主人公コンビの片割れ、白浜和美が学生時代、普通のバイトをしていた頃の後輩。肩先まで伸びた黒髪と、大きめの瞳が特徴的な女性。
元は裏の世界とは全く縁のない人生だったが、友人(?)の崎村の借金の連帯保証人にされた挙句、彼女に逃げられたため多額の借金を返済するために裏バイトを始めることになった。
一応ボクシングの経験者であるようで、作中では成人男性を難なくノックアウトするほどの腕前を持つ。ひょんなことから体重が激増した際には、学生時代にはなかったパワーを手に入れていた。
人物
その人物像は、アホの子の究極形のような人物。考えていたことを途中で忘れ、数秒前にされた説明は頭に入らず、事故物件に住んでも怪異の存在に気付きもしない。和美からは頭モンキー、茶々からはモンキーの怪異と言われている。
また一方で非常にポジティブな性格でもあり、借金まみれになり、命を賭けたバイトをし続ける羽目になった今の状況を「先輩たちに会えたから幸せ」と笑顔で宣うほど。
そんな彼女の真価は嗅覚で怪異の存在を感知できる黒嶺ユメとは違った意味での圧倒的な裏バイトへの適性である。彼女には怪異を察知する能力はないのだが、『その状況で誰も考え付かないような行動をする』ため、怪異の危険を無意識に回避し、挙句の果てには怪異そのものを無力化するというとんでもない怪異キラーである。
実際に、交通量調査員のバイトでは"「なんらかの怪異」と認識すると発狂し、同類にされる"怪異を恐怖心を抱かずに「通常の車両」や「普通の果物」、「変態」と言った適当な分類をして即座に区別するというかなり難易度の高い対処法が必要な中、彼らを「(数メートルの真っ白で全裸の人間を)あ、あった(「変態」カチッ)」「(巨大な生首のようなナニカを)これはみかん」「(大量の生首を)終わらない…いつまで…(「干し柿」カチッ)」「(大量の顔面のより合わさった集合体を)あああああああ!!思い出した!!和美さんと作ってた密造ワイン!!!忘れてた!腐ったあああ!(「ぶどう」カチッ)」と完全に無力化した上で消滅させることに成功している。(なお、そもそも「通常のバイク」すら「あの軽快な走り原子力で走ってるに違いない」と「原付」に分類したド低能であるため、素で怪異とすら気づいていなかった)
また、その常軌を逸した思考回路と行動により
- 「被り物をした怪異の集まる即売会」において「被り物をして人間とバレずに紛れ込んで売り子をする」という指示を暑いからと即破り素顔を晒し、人間とバレるも怪異からしても非人間としか思えない言動により和解、意気投合し、怪異側も素顔になった挙句二次会で記念写真を撮るほど親交を深める(雇い主は怪異よりそれと意気投合した橙の方にビビっていた)
- 「千年間他人を乗っ取り生き延び続けてきた人間」を勝手に部屋の掃除をし、人格の転写装置の送信側と受信側を取り違えて配置、千年間高め続けてきた叡智をこのド級の低能非人間人格で上書きして、同程度の人間が二人に増える
等のやらかしをしており読者からは「人間か怪異かと問われれば怪異側の人間」と称される
だがその反面、「それが異常である」と気付くのに遅れ、対処が遅れたり誤るリスクがあるため無敵というわけではない。
その特性上「恐れる」「怪異と認識する」などをトリガーにする初見殺し系の怪異には上記の通り滅法強い
アホすぎるが故にそもそも面接に受かることが少ないため、あくまで主人公コンビのお助けキャラといった立ち位置。彼女が参加するバイトは一種の生存フラグとなっている。
なお、彼女の住んでいる家には得体の知れない何かが住み着いているのだが、彼女は全く認識していないし、それらしい痕跡や事象が起きても全く気に留めない
上記の怪異と和解したことがある件と、橙がビデオ通話(という彼女からすれば複雑怪奇な設定)を行っていた件、あと彼女の低能さ加減を鑑みてこのナニカが見かねて手伝ったのではないかと実しやかに囁かれている(ダイエットに励む橙を見守っている描写もある)
関連人物
彼女が慕う先輩。長い付き合いなだけあり、親交はかなり深く、一緒に密造酒を作ったり、ダイエットに協力してもらっていたりする。
和美経由で出会ったもう一人の先輩。彼女のことは「超良い人」と評しており、かなり慕っている。
崎村
橙が裏バイトの世界に入ることになった元凶。崎村自体は何度かエピソードに登場しており、その度に他者を蹴落とす自分本位な人間として描写されている。だが、彼女はQ治験、そして空き地探しの両者で死亡したような描写がされており、橙の目的の一つであった「借金を完全に返済して彼女を驚かせる」という目的は果たされることはないようだ。