「クッサ!!」
「かわし切るにも限度がある。いずれ、捕まるものなのよ…。」
概要
本作の主人公の一人。愛称は『ユメちゃん』。相棒である和美とは対照的に黒髪ロングの女性。
性格もスタイルも真逆であり、法外な高給で危険そうに見えて実は「滅茶苦茶言動が怪しく金銭感覚がおかしいだけの世間知らずな世界的デザイナー」の家でメイドをした際、和美から「それやめた方がいいよ…」、橙からは「暴力的っスよ」と咎められる程胸元がパッツパツになっており、それを締め付けようとするエプロンくんを虐待していた(本人は「サイズが合っていないだけ」と反論しているが逆に言えば小さめの服で押さえつけられてなお特盛なので…)
回を追うごとにだんだん盛られており、作画がブレるととんでもない事になる
彼女が命の危険と隣り合わせの裏バイトを続ける理由は『親が残した借金の返済と、弟と妹を養うため』という至極真っ当なものである。
その借金の額は耳打ちされた橙が驚愕の表情を浮かべるほど。
人物
非常に生真面目で、常に他者を慮ることのできる心優しい人物。自分に助けられる人間であれば、積極的に助けようとするなど、時として他者を蹴落とすことを良しとする裏バイトの世界にはそぐわない性質を持つ。だが、そんな彼女の最大の特徴は『怪異の予兆を異臭として感じ取れる』能力。本人曰く「自分の対応能力を超えた厄介事の前兆」。「黒い匂い」と呼称されることもあるが、基本的に「臭い」物として察知されている。これにより、関われば死を免れないレベルの怪異と遭遇せずに仕事を切り抜けることを可能としており、作中では何度も和美と共に修羅場を潜り抜けている。
また、安全なものや場所に対して「白い匂い」を感じ取ることも可能。こちらは差し迫った厄介事に対する対抗アイテム、あるいは避難場所を発見することが可能である。
ただし、裏バイトの現場に安全な場所などほぼ無いため、前述の「黒い匂い」に比べると影は薄い。(実際、第2回のビル警備員のバイト以降、ほぼ出番が無かった)
しかし、この「白い匂い」が「怪異に触れる程の至近距離」という一見危険地帯に思える場所こそが生存の鍵になることを察知した回もあるため、なかなか侮れない能力となっている。
ただし、「無害な場所」と「安全な場所」は似て非なるため、普段は「他はクサイがここだけクサくない」というような無害なだけで何の進展にもつながらない形のヒントにしかならない。
また、「特定の条件を満たさないと害意を向けてこない(満たした瞬間即死)」のようなタイプの怪異や、「それ自体は在るだけ」だったり「結果として害になるだけ」の怪異は臭わないという重大な欠点があり、時々キルゾーンに踏み込んでしまうことがある。(ただし「害意は無いが危険」を察知したことがあるので単純には分類できない)
また、「白い匂い」もキーとなるアイテムこそ示してくれるものの、「どう使うか」を指示してくれるほど親切ではないため、自力で気づかなければならない(「トマトジュース」に「白い匂い」がした時は「血糊兼防具として使う」という使用方法が正解だったなど常識的な使用法をするとは限らない)
逆に、上記の「黒い匂いのしない例外」のうち「条件を満たさないと襲ってこない怪異」に対して「それ自体は何の変哲もない物品」だが、「怪異の逆鱗」というアイテムに対して黒い匂いが反応したこともあるので一長一短である。
まさに裏バイトにおける生命線とも言える彼女だが、自分の対応能力を超えるとフリーズするという悪癖があり、命の危機に瀕した際も完全に機能停止してしまう。更に彼女の特殊能力は気配を「匂い」と称しているのではなく、実際に嗅覚を用いて感知しているらしく、強烈な臭気や風邪などで鼻が悪くなると当然能力が使えなくなる。
なお、怪異限定という訳でもなく、彼女の言うように「自分の対処能力を超えた自分にとって不都合な出来事の前兆」ならばそれがごく普通の人間であっても臭う。
例えば「何か理由があって自分をピンポイントで誘拐しようとしている人間」が近づいて来ていると視認していなくてもその方向から強烈な臭いがする等、ただ悪意や害意がなければ(助けるためにその場から引き離す手段として誘拐を選んでいる場合など)その限りではない
ただし、その"善意"が結果的に彼女の害になる場合(別作品で言う屍人の赤い水等)は勿論臭う
彼女のバックボーンは非常に謎が多く、幼い頃に遊園地で親に捨てられ、その後彼女を引き取った養親も借金を残して雲隠れしてしまっている。(弟の望と妹のミライはこの養親の子であり、血の繋がりはない。また、二人はその事を知らない)
さらには、養親の失踪は裏の案件らしく、その調査を行った小松茶々は行方不明になった後、廃人となって発見された。
関連人物
かけがえのない友人にして、相棒。出会った当初は彼女の奔放さに手を焼き、怒りさえ覚えていたが、共に裏バイトをこなしていく内に仲は深まっていった。
彼女とは中学生時代からの知り合いで、当時も相棒と呼べる程の仲だったようなのだが、再会した当初は和美に完全に忘れられており、彼女への当たりが強かったのはその怒りから。
和美の後輩。水族館バイトで初めて顔を合わせ、その後も度々同じ裏バイトをこなしている。意味不明なミスをする彼女には若干呆れているものの、彼女が帰り道に間違って四国まで行かないように付き添うなど、かなり世話を焼いている。
キャンプ場のバイトで知り合った八木の同業者。彼女とは2度裏バイトで雇われており、その両方で彼女の命を救っている。そのため、茶々にとっては命の恩人。
ただ、そのお礼に消えたユメの養親を捜索している最中に行方不明になり、発見された時は廃人化してしまっていた。現在は「Q」の関与によってかつての状態とほとんど変わらない程度まで回復したが、何を見たのか?と問いかけた瞬間顔面が三重にブレた様に見える等、元の彼女本人ではないのではないか?との疑念を持ち、この一件が彼女には心残りとなっている。