概要
ホテル従業員のエピソードで主人公の白浜和美と黒嶺ユメが遭遇する怪奇現象。
内容としてはホテル従業員のように部屋のベッドメイクや清掃だが、309号室の前にジュースや菓子類を持って供養するのが今回の裏バイト。
ホテル黎明の3階をテリトリーにしており、309号室のドアを開けて入った人間を問答無用で首吊り自殺をさせてしまう。ただし、部屋にある遺体は単なる『物』としてカウントしているらしく、警察などの捜査や遺体の回収などで入る場合はセーフ。
対処法は部屋に入らないようにすることだが、オサダは幻覚を見せたりエレベーターを故障させるなどありとあらゆる手段を使って309号室に入らせようとしてくるため非常に困難。
その正体は長田という、髪を七三分けにしたちょび髭の男性でホテル黎明で支配人を務める男性・津村をライバル視していた。
「津村の経営は情がない」と断じ、彼とは反対にアットホームなホテル建設を目指していたが、理想だけで経営が上手く行くはずもなく、何故か津村のホテルである黎明の309号室で妻子と一緒に首を吊って心中した。
ホテル黎明
オサダの根城になってしまったホテル。それなりに繁盛しているのだが、上記の怪奇現象によって数多くの自殺者が出たことで3階が閉鎖されてしまっている。
現在は宿泊客やスタッフが入れないようにしているのだが、オサダが呼び出しのブザーを鳴らすため、裏バイターを使って供養を行っている。
なお、309号室で首を吊った人間は3階の部屋に取り込まれてしまう。
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ここから先はおぞましい真相のため、ネタバレ注意
愛してるんだ津村
もう自分の気持ちに嘘はつけない
僕を受け入れてくれよ!
「これが…お前の作りたかったホテルか? 長田…」
可愛がっていた姪も巻き込んでしまった津村は閉館したホテルを清掃しながら、涙ながらに告げた亡き長田の言葉を思い返す。
元凶の長田は同性愛者であり、津村に対して強烈な恋愛感情を抱いていた(子どもも実際には子連れの女性と再婚しただけ)。
女性と一緒になったのも、アットホームなホテルを建設しようとしたのも、ライバルホテルのはずの津村のホテルで家族と心中したのも全ては自分を振った津村への当て付けであり、その情念から悪霊となった彼は3階のフロアを使って理想のホテルを作ろうと首を吊らせた人間を部屋に閉じ込めていた。
本エピソードの終盤で宿泊客はほぼ定員に達しており、残すは最後の一人となっている。
それ故に怪異たる自殺は機能不全を起こし、止まっていた。
実は309号室は四人部屋であり、長田と妻子の三人では数が足りない。その一人は初めから決まっていたのだ。
オサダは、廃墟となったホテルで愛する人が扉を開けて自分の元に来てくれるのを、今か今かと待ち続けていた。
いい加減辟易した津村はホテルを閉館し、処分した、ホテルの事は好きだった"と思っていた"がいざ手放してみれば何の未練もなかったと独白している。
あてつけに上記のような偽装結婚だの自殺だのをするほど何かを好きになれる事自体は羨ましいとしつつも、自分は死ぬまでこの地味な一生を生きると考えつつ、食べるものがなくなってしまっていたので買い物に出かける
献立を考えながら何処かの建物の階段を登る津村、夏になったらどこかに行こうなどと考えながら
308号室の前を通過して隣の部屋の扉を開け……