パンドラ(リゼロ)
りぜろのぱんどら
「人が皆、誰もがあなたのように考えられるわけでも、あなたの域に達せるわけではありませんよ。あなたは誰より特別で、その自分に満足している。完成されたあなたは素晴らしい。そして、不完全な彼らもまた素晴らしいのです」
「尊い目的のために、犠牲になる命が生まれることは必然です。でも、そんな残酷な運命にすら抗う気概を忘れない。その心の美しさは、否定されないものだと」
「何もないところからでも何かを生み出せる。それが、命の素晴らしさでは?」
「愛。素晴らしいですね」
※この項目は第4章(アニメ2期)以降のネタバレを含みます。※ |
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プロフィール
性別 | 女性 |
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年齢 | ? |
身長 | 155cm |
イメージカラー | 白、金 |
能力 | 『虚飾』の魔女因子 |
CV | 釘宮理恵 |
概説
長く透き通る白金の髪をもつ、見るもの全てが震えるほどの美貌をもった少女。
服装に至ってはたった一枚の白い布だけというかなり際どいものに身を包んでいる。
400年以上前に世界に存在していた7人の大罪魔女。
しかし、それ以外にも存在していたという『魔女』の名を冠していた人物で、その中でも『虚飾の魔女』と呼ばれる女性である。
特に謎が多く、魔女教の中でも「口に出すことすら許されない」禁忌の存在として憚られている。
過去の魔女教では「過激派」に属していた模様。
魔女教内での地位は高いのか、穏健派、過激派問わず恭しく扱われ、あのレグルスすら敬語で接する人物である。
魔女教の本懐を遂げるために活動しており、
100年前、『エリオール大森林』へ『強欲』担当の大罪司教レグルス・コルニアス、三大魔獣の一柱「黒蛇」を引き連れ襲来、
14年前、白鯨を討伐するため、ルグニカ王国主導で勃発した『大征伐』に突如として乱入、
またルグニカ王国の隣国、ヴォラキア帝国の『城塞都市ガークラ』へレグルスを向かわせる等、事件の裏で暗躍する。
現在でも生存が匂わされている人物だが、未だスバルとの面識はない。
『エリオール大森林』ではエミリアの母親代わりであった叔母フォルトナを殺害、そして当時魔女教の「穏健派」であった司教ジュースの精神を崩壊させた。
『大征伐』では戦況をひっくり返して途中まで優勢だった王国軍を敗北に追いやり、参加していた当時の剣聖、ラインハルトの祖母でありヴィルヘルムの妻、テレシアの戦死に関与する。
『城塞都市ガークラ』へはレグルスを仕向け、都市を守護していた闘神『八つ腕のクルガン』を殺害、都市を滅亡させる。
などなど、かつての「過激派」らしく、そのやり口もかなりえげつない。
存在が謎ながら、様々な主要人物との因縁をもつ。
行動の具体的な目的についても依然不明だが、『エリオール大森林』へは「とある封印」をエミリアに解かせるために襲撃、
『城塞都市ガークラ』へは大罪魔女縁の品が流通したために陥落させたことが明らかとなっている。
要所要所でレグルスを利用しているのは、魔女教の最高戦力として、目的の達成のためにはうってつけだったからだろう。
人物
常に穏やかで友好的な態度を崩さず、どんな相手であろうと丁寧で上品な言葉遣いで接する。
「生きるために必死に足掻き、たとえ踏みにじられようと何かを生み出していく」人の命の尊さを素晴らしいものと称し、その中でも人生の困難を切り開く『愛』の力を何より素晴らしいものとして捉え、足掻く力を感じさせる場面には心からの称賛を送る。
……と言えば聞こえは良いが、その本質はどこまでもパンドラだけにとって利己的で、支離滅裂な理論である。
「足掻く姿が美しい」とは言うが実際にはパンドラ自身が他人の人生の全てを滅ぼし、台無しにした上での薄っぺらで自己満足的な発言でしかなく、自分の意志を通すためなら他人がどうなろうと全く意に介さない。
それでいて彼女自身は「無駄な犠牲は好まない」と常に嘯いており、言ってることとやってることが全く合致していない。
その上、自身の思想や行ってることは何も間違っていないと考えているからタチが悪い。大罪司教にも引けを取らないレベルの異常者である。
行使する権能も彼女自身の薄っぺらい思想を強制させるような極めて自己中心的で、誰も抗いようがないような凶悪なものとなっている。
権能
恐らくは魔女因子の一つである『虚飾』の権能を行使することができる。
能力は「事象を好き放題に自分好みに『書き変える』事ができる」というもの。
まさしく『虚飾』の名に相応しい能力であるといえる。
「もし……『何かの見間違え』ではありませんか?」
例えば自身が殺されるような事があったとしても『見間違えだった』という事にして処理し、何事もなかったかのように生き残ったり、
『この場にそんな人物はいなかった』という事にして、その場でその人物が起こした事柄を綺麗さっぱり無かった事にしてしまう
などなど、自分の意思次第で好き勝手に事柄を決定できる、いわば改竄(かいざん)能力である。
ちなみに改竄されて無かったことになった部分は、周りの意識やら事象やらが違和感のないように勝手に補完してしまう模様。
改竄範囲は自由に指定することもでき、自分好みの事象は残し、都合の悪いものは消去する、といった使い方も可能。
また恐らく、応用として洗脳に近いこともする事が可能であり、
劇中では心を壊してしまったジュースを魔女教に敬虔な狂人に仕立て上げた事が仄めかされている。
魔女教でも制御できない魔獣である「黒蛇」も、この権能により唯一操ることができるらしく、制御とはいかずとも誘導させる事が可能。
ちなみに、ある意味制御不能のレグルスすら彼女には従っているが、こちらは本人の意思なのか、彼が癇癪を起こした時にはあっさりと反旗を翻されている。
エミリアも幼年期ではあるがパンドラと面識があり、親代りだったフォルトナやペテルギウスを死に追いやった忌むべき相手ではあったものの、この権能によって完全に忘れ去っていた。
しかし、彼女自身は本人が言う通り「無駄な犠牲は好まない」性質であるため、この権能を用いて「戦いに手を加えることは、まずありえない」と称されている。
『強欲の魔女』エキドナが評するには、「生き残ることに突出した魔女」とのこと。
……とはいえ、彼女がその気になってしまえば甚大な被害が齎されてしまう事はまず避けられないのだが。
「残念ですが、死にません。私もあなたも、氷が溶けて再び出会うときまで健在のままでしょう。そうなったとき、今のままではお話もままなりませんね。ですから」
「あなたの中の、『今日に至るまでの思い出は、私の存在なしで完結する』こと」
「ご自由に補完してください。そうですね。あなたは一生懸命に約束を守った。そのことはしっかりと心に刻んで、今のままでいてくれると嬉しく思います」
ちなみに何でもかんでも思い通り、とはいかないらしく、ある程度の制約がある模様。
それでも原作者からは「殺すのが最も難しい人物」の一人に数えられている。
余談
- 『虚飾』
彼女の冠する「虚飾」とは、現在の「七つの大罪」の元となった「八つの枢要罪」の一つ。
もともとは八つの内に『憂鬱』と『虚飾』があったが、後に『憂鬱』は『怠惰』のうちに含まれ、『虚飾』は『傲慢』のうちに含まれると考えられるようになり、その上で新たに『嫉妬』が加えられて現在の7つに落ち着いたという。
- 服装
彼女の服装だが、後に書籍版にて公開されたデザインを見れば判る通り、ポンチョ一枚で下は全裸という物凄い危うげな格好となっている。
原作者曰く、どこまでも愛おしい他人を「ありのままの姿」で受け止めたいという意思の表れとのこと。むしろ全裸でありたいぐらいらしく、布一枚のあの姿は一応他人に配慮した結果である。
- 他魔女との関係性
過去に生きていた7人の大罪魔女達は皆友人の間柄ではあったが、彼女の存在は口にすらされておらず、関係性は不明。
が少なくともエキドナからはよく思われてはいない様子。
- 名前の由来
パンドラは神々に絶対に開けてはいけないと言われた箱を開けて世界中に災いをばらまいたという逸話が有名。
また、最後に箱に残った物が「希望」とされており、「生きるために必死に足掻き、たとえ踏みにじられようと何かを生み出していく」様が美しいというリゼロのパンドラの思想にも通じる神話となっている。しかしながら、その希望すらも災いの一つとする説があり、こちらのパンドラも他人の人生を自分の好奇心のために台無しにしている事に変わりはない。
関連イラスト
リゼロ2期が放送されたことで注目が集まり、性格に目を瞑れば美しく可憐な見た目であることや、布一枚しか身にまとっていないセクシーな衣装、そして「あなたの愛は間違っていない」という釘宮さん渾身の鼓膜をゾクゾクさせるような囁き声から、イラスト数も増加し、やや人気になっているようだ。
関連項目
エミリア(リゼロ) , ペテルギウス・ロマネコンティ - (2人にとっては)因縁の相手
フォルトナ - エミリアの育ての親(正確には伯母)で、パンドラの能力により『見間違えた』ジュース(ペテルギウス)に殺されてしまった人物
テレシア・ヴァン・アストレア - 過去の「白鯨大征伐」にて接触。彼女の戦死に関わる
レグルス・コルニアス - 彼を引き連れて暗躍する事が多い