作品解説
『ノワール・レヴナント』は、浅倉秋成による日本の小説。
2012年12月に講談社BOXより刊行された。カバーイラストはN村雄飛。
2021年9月には文庫版が角川文庫より刊行された。カバーイラストはwataboku。
あらすじ
他人の背中にその人の「幸福度」が見えてしまう。本の背を指でなぞっただけで中身を記憶してしまう。毎朝5つだけ、今日聞くことになるセリフを予言してしまう。念じることで触れたものを破壊してしまう。そんな奇妙な能力を持ってしまった4人の高校生が、何者かの導きで出会った時、すべての“偶然”が“必然”だったことに気づく。
張り巡らされた伏線、それらがすべて回収された時、あなたは驚きとともに爽やかな感動に包まれる!
(単行本版 公式サイトより引用)
登場人物
大須賀駿および関連人物
大須賀 駿(おおすが しゅん)
高校二年生。男性。千葉県千葉市出身。高校は美浜区にある。「他人の背中にその人の『幸福度』が見える能力」を持つ。
高校入学時からずっとファストフード店でアルバイトをしている。
真壁 弥生(まかべ やよい)
大須賀と中学から一緒の同級生。黒髪をツインテールに結び、潤いに富んだ円らな瞳以外は全体的に小ぶりで、愛らしくもやや幼い印象。引っ込み思案で控えめな性格。
三枝のんおよび関連人物
三枝 のん(さえぐさ)
高校一年生。女性。水道橋在住。「本の背を指でなぞっただけで中身を記憶する能力」を持つ。
中学まで陸上競技をやっており足が速い。飴玉が嫌い。
サッちゃん
三枝が公園で出会った女の子。三枝の二歳年上で、三枝が読書好きとなるきっかけを作る。
江崎純一郎および関連人物
江崎 純一郎(えざき じゅんいちろう)
高校二年生。男性。西日暮里在住。「毎朝5つだけ、今日聞くことになるセリフを予言する能力」を持つ。
学業は優秀だが、日々の生活に退屈間を募らせ、近所のとある喫茶店に行きつけになる。
ボブ
江崎の行きつけの喫茶店の常連客。歳は恐らく50前後で白髪混じりのオールバック。恰幅の良い体躯に血色の良い浅黒い肌。見た目は生粋の日本人で「ボブ」は自称であり本名ではなさそうだ。自称どこかの会社の元社長らしい。江崎と懇意になり、トランプゲーム「ノワール・レヴナント」を教える。
葵静葉および関連人物
葵 静葉(あおい しずは)
高校三年生。女性。神奈川県出身。自宅の最寄駅は東戸塚。「念じることで触れたものを破壊する能力」を持つ。
ピアノが得意で、三歳でピアノを弾き始めてから毎日のように弾き続けてきた。
チカ
葵の高校一年の時のクラスメイト。明るく社交的で、今をときめく女子高生といった感じのおしゃれな雰囲気。髪は茶色く染めている。ピアノを弾きたいと思っていて、葵からピアノを教わり始めたことをきっかけに仲良くなるが……