「氷にはね、不思議な魔力があるの。時を封じこめる、不思議な力がね」
「何なら、貴方の中指で勘弁してあげましょうか?」
登場話:第8話「指輪」21話「魔弾」
演:エリカ(旧:小田エリカ)(8話)、森本レオ(21話)
概要
ピアニスト志望だった恋人(演:弓削智久)をスランプによる自殺で失い、その悲しみから彼のような美しい手を持つピアニスト志望の男性を次々と殺害しては10本の手指を1本ずつ集める連続猟奇殺人事件を起こしていた女性、神須川美理の悲しみを陰我に集めた手指を冷凍保存していた冷蔵庫の影をゲートに出現したホラー。
美理に憑依すると彼女が目を付けた美しい指を持つ人間をターゲットに、一瞬にして氷漬けにしてバラバラにすると指の凍った部分を残してその氷もろとも捕食するという美理の殺害方法を模した人間捕食を行った。
炎と氷の両手を切り離して死角から相手を攻撃するオールレンジ攻撃が得意で、両肩からは火炎弾と氷の塊を発射する。ピアノを奏でることでの音波攻撃も凶悪。
最後は烈火炎装した牙狼によって左右に両断され死亡した。この時氷の部分が烈火炎装の影響で溶解しており、炎の右半身と氷の左腕が互いを求めあって事切れる、という演出がなされた。憑依前から狂気に手を染めていたとはいえ、悲しみや絶望に打ちひしがれた彼女の事情を思うと、どことなく皮肉であまりに物悲しい最期である。
21話では短剣型オブジェに封印された状態で登場したが、誤解から冴島鋼牙を逆恨みした美理の父、祐樹が復讐のために自らの体にオブジェを突き刺しすことで憑依され再生。
しかし陰我の性質が違いすぎるため不適合を起こし、祐樹の意識を持ったまま変身し、変身中は激しい苦痛に見舞われていた。
苦痛の中でモロクに憑依された娘の苦しみと鋼牙の信念を初めて理解したことで、祐樹は鋼牙に討たれることで解放された。
余談
名前の由来は古代中東で信仰され、後に邪神とみなされるようになった牛頭の神「 モロク」。
作中では「女のホラー」と鋼牙の口から語られたが、どう見ても女怪人には見えないため、単に「女性に憑依したホラー」という意味だと思われる。
美理の恋人役の弓削氏は後に絶狼〈ZERO〉-DRAGONBLOOD-の主要人物の一人であるエデルを演ずることとなる。
冒頭で美理に殺されたピアニストの男性を演じているのは斎藤工である。
また、物語の設定上復活もとい再登場することはまずないホラーの中で、一部の伝説級ホラーを除いて歴代で唯一『再登場』を果たしたホラーでもある。
関連項目
ジオング:本体から腕を分離させる姿を見て連想した視聴者は多い筈。
フレイザード 双樹姉妹:炎の能力と氷の能力のそれぞれの半身を持つ悪役つながり。ただしフレイザードは右半身が氷。