2020年に世界的流行、パンデミックとなったコロナウイルス感染症「COVID-19」の呼称の一つ。語源は世界で最初に原因となったウイルス「SARS-CoV-2ウイルス」が検出されたのが中国武漢市であることによるもので、「武漢ウイルス」とも呼ばれている。
ただ、WHOの指針では「風評被害や差別の源泉となってしまうため」として、2015年より「人名・地名・動物名を病気や病原体の名称に使わない」という取り決めをしており、親中派を中心にこの名称を蔑称とみなし安易な使用は避けるべきだと言う意見も少なからず存在する。
日本政府は「新型コロナウイルス」もしくは「コロナ」という表現を用いており「中国ウイルス」「武漢ウイルス」といった表現を避けているが、その結果「コロナ」を冠する企業・団体・商品などが風評被害を受けるといった大きな弊害が生まれることとなった。
アメリカの第45代大統領ドナルド・トランプは中国の責任を明らかにする目的で「中国ウイルス」「カンフルー(カンフーとインフルエンザを表すフルーを合わせた造語)」といった表現を用いている。2021年に大統領に就任したジョー・バイデンは「武漢ウイルス」「中国ウイルス」の呼称を禁止する大統領令に署名した。
ちなみに、中国共産党政権との対立でWHOから排除されている台湾や国家安全問題などで中央政府への反感が強い香港では一般的に使用されており、「武肺」という略称も用いられている。