概要
『アンメット-ある脳外科医の日記-』は、原作:子鹿ゆずる、漫画:大槻閑人による日本の漫画。元脳外科医である子鹿は、本作がデビュー作となる。自身の経験に基づき、「作品を通じて多くの人に脳障害の理解を深めていただき、脳障害者が過ごしやすい社会の実現にわずかでも協力できれば嬉しい」との思いから執筆しており、作品には患者や家族や医療福祉スタッフに「勇気や希望を届けたい」という願いが込められている。
『コウノドリ』の鈴ノ木ユウも「面白い脳外科医の漫画」と評価している。
2024年4月にフジテレビ系列で実写ドラマ化。主演は杉咲花。主題歌は、あいみょんの「会いに行くのに」。
登場人物
丘陵セントラル病院
- 川内ミヤビ(演:杉咲花)
救急部と脳外科を兼務する女性医師。
2年前の不慮の交通事故により「前向性健忘」という記憶障害となり、事故を含む約2年間のことが思い出せなくなり、昨日のことも覚えられなくなっている。自分自身のことを忘れないためと生活を維持するために、毎日日記をつけている。
記憶障害が原因で手術等の医療行為が不可能であり、看護助手としての診察が主な業務となっている。
しかし、三瓶の説得と主治医である大迫の許可により「誰かが付き添うこと」「無理しないこと」という条件付きで医療行為が可能となった。
- 三瓶友治(演:若葉竜也)
ミヤビの同僚。海外留学の経験もあり、フィラデルフィアでは日本の医者が40年勤務して辿り着く手術件数をわずか数年で成し遂げている。俗にいう「ワーカホリック」であり、病院を生活の場としている。記憶障害になる前のミヤビとは婚約関係にあった。
しかし、本人にはそのことを伝えず、あくまで同僚として接しており、彼女をサポートしている。
主治医の大迫の許可を得ずにMRI検査を強行し、記憶障害の原因が脳にはないという見解を示した。
また、日本の医学界の法令を無視して道義を優先する傾向にあり、部外者であるにもかかわらず助手に変装して手術室に侵入、そのまま関東医科大学の患者を手術するという下手したら首が飛ぶ程のやらかしを行っている。しかし、当の本人は自身の腕に自身を持っており、反省する様子はなかった。
- 星前宏太(演:千葉雄大)
脳外科を兼務している救急部長。楓とは同期。
自分の専門領域しか診られない医師を嫌っており、総合的な知見が豊富。
三瓶とミヤビの関係性についてある程度察している。
- 津幡玲子(演:吉瀬美智子)
看護師長であり、医療安全委員会に所属。そのため、普段からかなり指導が厳しい。かつてはミヤビの指導にも当たっていた。そのため、ミヤビの事情を把握しており、配属当初の三瓶にミヤビが医療行為を禁止されていることを伝えていた。
過去にオペ看として手術に立ち会った際に医師同士の連携が取れておらず患者を死なせてしまった過去があり、それ以降リスクヘッジを最優先に意識するようになった。
- 藤堂利幸(演:安井順平)
院長。津幡とは知己の関係であり、互いに信用している。
決断力が乏しく、頼まれると断れないお人好しな性格。
過去に外科医として手術に立ち会った際、医師同士の連携が取れず患者を死なせてしまった過去があり、一時は医師を辞めようとしたものの、津幡の説得を受け辞職を思いとどまり津幡にリスクヘッジの徹底と指導を頼んだ。
- 成増貴子(演:野呂佳代)
麻酔科医。学生時代は「女帝」と呼ばれていた。売店のサラダのバリエーションが少ないことに不満を持つ等庶民的。
関東医科大学病院
- 大迫紘一(演:井浦新)
関東医科大学脳外科教授で、ミヤビの主治医。ミヤビとは幼少期から顔見知りであり、家族ぐるみの付き合い。
三瓶のことを極度に嫌っており、三瓶が研修医の頃に彼を指導した経験を踏まえ、彼のことを「患者に軽々しく希望を見せる危険な医者」と評している。
ミヤビから育てきれなくなった観葉植物を押し付けられているため、教授室は観葉植物で溢れかえっている。
- 綾野楓(演:岡山天音)
血管内治療を得意とする脳外科医。星前とは同期。病院の合併により西島麻衣と結婚した。
- 君島麻衣(演:生田絵梨花)
関東医科大学同窓会長・秀雄の孫娘であり、楓の妻。半ば政略結婚に近い形のため、楓に対する愛情は殆ど無い。
- 君島秀雄(演:酒向芳)
麻衣の祖父であり、関東医科大学同窓会長。楓に論文の提出を条件として提示し、麻衣との結婚を約束させた。
余談
三瓶役の若葉氏とミヤビ役の杉咲女史はNHK連続テレビ小説『おちょやん』、映画『市子』に続き3度目の共演となる。