「僕の巨人達はみんなみんな君の騎士」
概要
人物
ラッキーの兄弟の1人にして音上楽音の子供の1人(次男)。ラッキーの2番目の兄にあたる。1人称は「僕」。オレンジ色のおかっぱ頭。私服はダボっとした服を着ていることが多く、棘の着いたブレスレットとヘッドホンを身に付けている。
ココレという過保護気味のマネージャーがついている。小柄なわりに腕力が強く、筋トレをしたりプロテインを飲んでいる描写がある。
性格は繊細で極度の寂しがり。幼少期はラッキーにべったりするほどの甘えん坊(所謂ブラコンといえる)。ラッキーを模したと思われる蝶調作の星頭の人形を今でも大切に持っている。しかし、数年ぶりにラッキーと再会した際は何故か凡才の彼を見下すようなそぶりを見せており…
演奏スタイル
演奏では訳あって身につけた力の強さを活かし大きく美しい音を響かせるため「轟音の天才」の2つ名で呼ばれている。演奏で魅せるファンタジーは夕焼け×巨人。美しい夕焼けの情景とその曲にあった姿の巨人が現れる。
さらに後述するラッキーの演奏を機に、曲の意図をくみ取り、より原曲に忠実なファンタジーを表現できるようになった。
演奏楽曲一覧
※太字は演奏描写あり。リンク先は公式twitterによるオススメ動画。
『ピアノ協奏曲イ短調OP.54』(シューマン)
『ピアノ協奏曲第19番ヘ長調K.459』(モーツァルト)
『歓喜の歌』(ベートーヴェン)
『家路』(ドヴォルザーク)
過去(ネタバレ注意)
「僕は自分1人の世界じゃなくて 皆と同じ世界にいたかった」
母親がラッキーをつれて出て行った後、レイジロウは父と他の兄妹と共にイタリアへ。しかし彼は傍にいてくれる優しいラッキーがいなくなり、かといって我が強い他のキョウダイにくっつくこともできず寂しい思いをしていた。
音楽院へ入学してからも、その才能故に遠巻きに見られいつも1人ぼっち。それが悲しくて泣いていたレイジロウに声をかけたのが、彼にとって初めての友達となる彩刃倫道(サイバリンドウ)という少年だった。
何でもできて皆の人気者、そして自分を特別扱いしない彩刃はレイジロウにとって憧れの存在であり、彼と夕焼けの帰り道を歩くのが大好きだった。しかしピアノのコンクールではいつも自分が1位を取る日々が続く。そんなある日「1番は彼に似合う」と思い、わざとミスをして彩刃に勝ちを譲ってしまった。
しかし、それが父:楽音の逆鱗に触れ、彩刃のプライドを傷つけ、しまいには憧れであった彩刃は"友達"ではなく、自分を執拗にいじめてくる"いじめっ子"へと変わってしまう。
レイジロウはそんな状況でも彩刃の事を信じ続け、いじめられていることを周囲に隠していた(力の強さはこの頃、彩刃がピアノに仕掛けたカッターの刃で傷つかないよう指を鍛えて身につけたものである)。しかしあるコンクールの日、彩刃によって倉庫に閉じ込められるという事件が起きる。そして
楽音「お前は凡才にはなれないよ、友達はピアノだけ」
父親のこの言葉が決め手となり、彼は自信の境遇に絶望。睡眠薬無しには眠れない程に心を病んでしまった。
救済とその後
オーディションの日、ラッキーの従兄弟の正志によりレイジロウは倉庫に閉じ込められてしまう。この時過去の出来事を必然的に思い浮かべ悲しみに暮れていた所をラッキーに救われる。そしてラッキーに願い事を教えてと聞かれて彼が答えたのは…
普通の…友達との…帰り道
そう、レイジロウは"天才としての人生"ではなく"普通の生活"を夢見ていたのだ。
そしてラッキーは『家路』を披露。レイジロウは演奏の中でかつての友人、彩刃と制服姿で、普通の高校生のように夕焼けの帰り道を歩き、そこに自身が望むすべてを感じる。
そして演奏後、我慢の限界を迎えたのか「現実やだ」「叶う場所にずっといたい」と現実逃避に近いほどラッキーに泣きつくも、「願いを叶えることを諦めないで、現実をちゃんと生きていってほしい」というラッキーの言葉を聞いて新たな一歩を進み、父親を越えるピアニストになってラッキーを守ることを決意。オーディション後、日本に留まる残り少ない時間をラッキーと過ごし、彼と再会を誓って日本を出た。
その後ファ編で再登場。ラッキーの助けになるためにチームA側として4on4ピアノバトルに参戦するが、何と彼の対戦相手はかつての友人彩刃であった。
彩刃はレイジロウを傷つけたことをずっと悔いており、今度こそ彼と正々堂々戦ったうえでボッコボコにしてもらうことを望んでいた。レイジロウはその気持ちに応えて「威風堂々」を演奏し勝利。演奏後に互いに謝罪して和解も出来たが、彩刃はピアノをやめると言い切って彼の前を去ってしまう。そんな彼の後ろ姿にレイジロウはこう言ったのであった
「いつかまた…夕焼けの帰り道で、僕の前を歩いてね」
余談
音階における「レ」
イタリア音名「レ」は、音楽業界で一般的なドイツ音名では「D(デー)」、日本音名では「ニ」の音となる。
隣接するド・ミとは不協和音となる。「レ・ファ・ラ」「シ・レ・ファ」「ソ・シ・レ」の組合せは和音となる。
レを主音とする長調はニ長調、短調はニ短調。代表的な曲は、ニ長調だと「歓喜の歌」。