ツバキ=ヤヨイ
つばきやよい
概要
『BLAZBLUE』シリーズの登場人物で、十二宗家「ヤヨイ家」の次期当主。
憲兵部隊である統制機構・第零師団「審判の羽根」に所属する衛士でもあり、階級は中尉(『CP』で少佐に昇格)
初代『CP』では家庭用ストーリーにしか出演しない脇役であったが、『CS』でプレイアブル化を果たし、以降メインキャラクターのひとりとなった。
ノエル、マコトは士官学校時代の同期で親友。ジンは幼少期からの幼馴染で、プライベートでは「兄様」と呼び慕っている。ラグナ以外に関心を持たないジンも、ツバキだけは例外的に信頼しておりある程度心を開く。
人物
性格
名門「ヤヨイ家」の生まれだが自らの家系を鼻にかけることなく、身分や種族による差別を嫌い、誰とでも分け隔てなく気さくに接する心優しい女性。
文武両道を地で行く優等生で、周囲からもしっかり者かつ皆のまとめ役として信頼されているが、一方で不正には人一倍厳しく、やや生真面目で融通が利かない面もある。マコトによれば規律を守ろうとするが故に必要以上に抱え込んでしまうこともあるそう。
軍人として職務に従事するものの、本人は”人を変える”という理由で戦争に否定的で、戦いを失くすために「秩序」が必要であると考えている。その為ならば汚れ役を買う事にも躊躇がない。
また小説版では大切な人を守れる強さを求めていると補足されており、故に危険と知りつつもいざとなれば「十六夜」を使う覚悟でいた。
所属部隊である第零師団「審判の羽根」は身内の不正を裁く”汚れ役”の側面があり、法の守護者でありながら他者を傷つけるという矛盾に居心地の悪さを感じている。
人間関係
幼馴染であるジンのことを特に好いており、小説版によればジンの隣で日々を過ごすのが夢。しかし己の未熟さから人前だって一緒にいるのは気恥ずかしく申し訳ないと思っており、いつか彼と並ぶに相応しい存在になれるよう普段から勤勉に励んでいる。
幼い頃からジンの人柄を知っており、全面的にジンのことを信頼しているが、ジンがノエルに向ける態度や、士官学校卒業後の冷徹な振る舞いには違和感を覚えている。
ジンもツバキを信頼し、士官学校時代は度々助言をしており、卒業後も彼女の言うことには真摯に耳を傾けるが、一方でツバキの抱く思想を理想論のように捉えている節がある。
ノエル、マコトとは士官学校時代からの親友で、試験前に二人に勉強を教える等、色々と面倒を見ていた。出会った当初は険悪な仲だったが、紆余曲折有ってお互い認め合うようになり今の関係となった。小説版ではかけがえのない親友とまで言っている。
ただジンが卒業後に別人のようになってしまったことから、二人も変わってしまうのではないかと内心恐れている。またノエルがジンの補佐官になったことについては、自分の夢を奪われた構図であるため嫉妬に近い感情を向けており、それを認めたジンにも少なからず不満を抱いている。
ただ当のノエルは、学校に馴染めず孤独だったところを助けてもらったことや、普段の品行方正な立ち振る舞いからツバキに心酔している。
ムツキ家当主のカグラとは幼い頃から付き合いがあり、真面目で真っ直ぐな良い子、俺が望む世界にはああいう子が必要、人の上に立つのは人としての痛みも苦しみも知るツバキみたいな奴でないとな等、高く評価されている。
六英雄ハクメンに憧れており、『CS』で本人と出会った際には本来の職務とキャラクターを忘れるぐらい喜んでいた。
上記以外の人物に対しては概ね設定通り分け隔てなく接するが、犯罪者だけは例外であり、ラグナ=ザ=ブラッドエッジには多くの身内を殺した極悪人として露骨にヘイトを向ける。『CF』で彼がジンの実兄と知った後も「ジンの隣には相応しくない」との理由で、変わらず憎み続けている。とは言え”殺人鬼”を前にした反応としては至極当然であり、受け入れているノエルやマコトの方が異質と言える。
なお当のラグナにとってはいち衛士程度の認識で、ただ普段は冷酷な実弟にもパートナーがいることには内心喜んでいた。
武装
封印兵装:十六夜
『CS』でツバキが着ている衣装のことで、十二宗家が一つ「ヤヨイ家」に伝わる術式兵装。
衣装以外、剣と盾も十六夜の一部であり「ムラクモユニット・プロトタイプ」とも呼ばれる。
光を触媒として全ての能力を引き上げるが、その代償として使用者の視力を奪う。
(これが彼女のドライブであるインストールとなっている)
いわゆる強化兵装だが、その正体はブレイブルー史以前の素体戦争時代に生み出された兵器で、人類の敵対者となったマスターユニット・アマテラスに対抗すべく開発された。
掻い摘んで言うとマスターユニットは観測したあらゆる事象をコントロールする能力(事象干渉)を持ち、いわゆる全知全能の存在で、ある出来事をきっかけにマスターユニットは人類を敵視したため、その力で地上は破滅寸前へと追いやられた。
しかし観測できない存在(=光を反射しない物体)はコントロールできない弱点があり、人類は「対観測者用」兵装として特定の波長を完全に吸収する「封印兵装:十六夜」を開発、兵士達に装備させ、マスターユニット及びその配下である素体達を破壊しようとした。
この辺の詳しい事情はサヤ(ブレイブルー)を参照。
ある事情から当時の歴史はブレイブルー世界で抹消されており、獣兵衛もその詳細を知らなかった。『CS』の時系列ではヤヨイ家に伝わる強化兵装との扱いになっている。
戦争のための兵装で恐らく敵前逃亡や鹵獲を防ぐ観点から、視力を奪うだけでなくマインドイーターと呼ばれる洗脳機能も持ち合わせており、ジンは十六夜を「忌まわしい封印兵装」と呼んでいた。
零織・イザヨイ
封印兵装:十六夜は真の力が覚醒すると「零織・イザヨイ」となる。「不死身殺し」の異名を持つ矛で、レイチェルのような死の概念がない”理外の存在”すら、強制的に死を認識させることで殺すことができる。ただ理由は不明だが「秩序の力」を持つジンには効果が無いとされる。
こちらも本来はマスターユニット破壊のために導入されたシステムと思われる。
また『CP』のイザヨイの勝利セリフや対戦前などのセリフで、ラグナを黒き者と認識したり、レイチェルに「今なら観えます・・・貴方が何物なのかが・・・。」と言ったり、ジンの秩序の力について言及したり等、相手の本質や能力を見抜く描写もあり、上記以外の力も持っていると推察される。
ブレイブルー本編より数百年前が舞台の『XBLAZE』でもイザヨイについて言及されており、当時から危険物扱いだったようだ。
並行世界のツバキ=ヤヨイ
当記事で説明したツバキは「ノエルがいる世界線」での姿であり、本来の世界線では卒業後ジンの補佐官となっている。ハザマが持っていた写真には仲睦まじく職務に励む二人の姿が映っており、互いに幸せな日常を送っていた模様。
しかしこの世界線だとジンの暴走を止める役目がノエルではなくツバキになっており、最終的にツバキはν-13に殺されることが確定している。
ハクメンはこの世界線でツバキを喪ったジンで、多くの記憶を失いつつもツバキが殺された時の悲しみは覚えており、故に「ノエルがいる世界線」のツバキは”別人”と知りつつも、ある種の執着心を抱いている。
ゲーム中の性能
最初に発表された開発者コメントによると、ツバキは「初心者向けに調整」されている、との事。
ドライブ技は必殺技を強化する「インストール」で、ドライブ技では珍しく補助的な性能。このゲージがあるときに、使いたい技のコマンドを入力後にDボタンを押すと、強化版が使える。
CONTINUUM SHIFT
CSから参戦。
前作のノエル・タオカカ並の高機動力が売りで、各種行動も素直でわかりやすい。見切りづらい中下段に加え、ガード不能攻撃などで崩し能力が高く、ラッシュ力がある。突進技、昇竜なども完備している。
ゲージを溜めることで強化技が使えるため、いかにその時間を都合するかが立ち回りの要となる。
通常技のリーチのなさからまともに牽制することができず、牽制はゲージ依存の強化必殺技に頼ることになる。しかしガン攻めが強いゲームシステム上、暢気に遠距離でゲージを溜めている時間はあまりない。ゲージがなければツバキの必殺技は性能が悪いわけで、
固められてゲージが溜められない→ゲージがないと必殺技で牽制できない→固められる→ゲージが溜められない、の悪循環に陥ることになる。
研究が進み火力も大きく伸び、対空攻撃など優秀な技もあるのだが、いかんせん中途半端で器用貧乏な感が強い。ぶっ放しのリスキーな牽制にしっかり反応されたり、ガード不能の溜めに金バーストをあわせられると目も当てられない。
現状では下位キャラとされている。
外部作品への参戦
スクウェア・エニックスのアーケードカードゲームロードオブヴァーミリオンIIIのVer3.2でレイチェルと共にゲスト使い魔として参戦。
種属は神族、ジョブはアタッカー、タイプは「審判者」、コスト40、ATK70、DEF60という中型使い魔として扱われている。
超覚醒時にアビリティ「スレイヴァートランザム」を行うとATK160:DEF150となり、グラフィックもイザヨイへと変化する。パラメータは至って平均的だが、このアビリティの真価は3回攻撃が可能となり、ATK60の固定ダメージを2回できるというえげつない性能となっており、元々ダメージが通りやすい相手ほど強烈に刺さる。しかもフリッカースタイルでも固定ダメは通る。これでも3度の弱体化を受けている。弱体化していないときは一回の攻撃分の固定ダメがATK120であり、ATK240の固定ダメが入る仕様だった。しかもフリッカーで。つまり、相手を弾きながら大ダメージを与える壊れ性能である。格ゲーの鬱憤を晴らすかのごとく敵をバッサバッサとなぎ倒してしまう状態だった。ツバキ(イザヨイ)が近づいてきただけでマナタワーに在住した敵が蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う光景が見かけていた。
ただし、ディフェンダーには弱いため過信は禁物。