概要
『逃げ上手の若君』の登場人物の1人。
足利方に仕えるくノ一の少女。
任務の際は天狗の面をつけた成人男性の人形に身を隠して赴く。この状態ならば高い戦闘力を発揮できるが、一方で彼女の忍びの技はこの人形を操る事に特化しているため、これがなくなると途端に弱くなってしまう。
鎌倉幕府残党軍を指揮していた北条時行の首を取るべく隙を見計らっていたが、時行になかなか隙ができなったこと、夏がくノ一として不慣れで未熟な面があったこと、時行のボディーガードでもある風間玄蕃にその未熟さを見透かされたことが重なったため、天狗人形を置いて敗走。
その結果足利尊氏が叛乱を「諏訪頼重の乱」と名づけて矮小化しようとすることができずに、時行が名づけた「中先代の乱」が後世の正式名称になってしまう。
責任を感じた夏は「中先代の乱」の終結後も時行の首を狙いつづけるが、風間玄蕃に殺気を見透かされて邪魔をされてしまう。ならば今度は代わりに玄蕃の首を狙うが軽くあしらわれたあげくに、彼に爆裂弾(※)の製造を手伝わされ、原料調達にセクハラまがいのあつかいを受けてしまう。
このときに行った実験により爆裂弾は完成するが、その直後に爆裂弾が暴発、一瞬だが玄蕃の素顔を見てしまう。
その後、なぜか逃若党の一員となり、時行たちと行動をともにする。
実際は内偵を続けつつ帰参する機会を伺っており、北畠顕家と足利軍の戦のおりに実行に移す。しかしいざ主人である高師直の元に馳せ参じた時には「当時、天狗人形を操っていた忍び」という正体と思惑を完全に見透かした玄蕃の策謀によってあらぬ濡れ衣を着せられてしまい、満を辞して用意した筈の情報も全て欺瞞情報にすり替えられ、師直に軍勢で追い回される程の殺意を向けられて寄る場を完全に失ってしまう。
しかし改めて玄蕃の勧誘を受けてからは心機一転し時行に仕える事を決意。
虐待同然の折檻や訓練を課してきた師直には内心不満や鬱憤を募らせていたらしく彼に悪口を言う機会があると割とノリノリで罵倒していた。
※爆裂弾…元寇で元軍が使った「鉄砲(てつほう)」のようなものと思われる。元軍が使用したものは導火線に火をつけて敵に投げつける一種の投擲手榴弾。