概要
真・三國無双シリーズのEmpiresシリーズ第6弾。
真・三國無双8で特徴的だったオープンワールドは廃止(しかし、要望があったため、散策でのみ取り入れてるがあくまでサブの位置となっている)。
無双武将は8のDLCで使用可能となったNPCキャラを含めた94人。その他、過去のEmpiresと同じく汎用武将でのプレイも可能。また、真・三國無双5Empires以来新参戦武将がいない形となった(ナンバリングタイトルから使えるキャラが増えてないという意味でいえば、真・三國無双4Empires以来)。
戦闘については、過去のEmpiresで特徴的だった兵站を繋いで敵の本陣を目指す形を廃止し、8のアップデートで導入された攻城戦を更に進化させた形となった。
争覇モード
前作の黄巾の乱、反董卓連合、赤壁の戦い、正治の変、英雄集結から正治の変がなくなり、反董卓連合の後に群雄割拠(195年)、赤壁の戦いの後に三国鼎立(218年)と北伐(228年)が追加された。
英雄集結に関しては、7のシナリオエディットがなくなった上に6Eのような初期配置変更も出来ないため、自由に勢力をいじったり、自分のスタート位置を決められなくなってしまった。
イベント戦闘の発生条件は7Eからかなり緩和されているため、その年代のシナリオを選んでなくても発生出来る可能性が高まった。また、反董卓連合は在野状態でも参加可能。黄巾の乱はイベント戦闘そのものがなくなった。
政略
基本的には6Eや7Eの方向性を踏んでいるが、味方も政略に協力してくれるようになった(過去作でもたまに方針に応じて動いてくれることはあったが、今作はその動きがより明確に分かるようになっている)。さらに、プレイヤーが味方と同じ政略をこなせば成果が上がるという心強い仕様も。よって、今作では戦闘だけではなく、政略においても味方の存在が重要になっている。
また、今作では4Eの武将配置が復活。よって侵攻戦は侵攻地に隣接する地域にいる武将のみが参戦でき、防衛戦もその地域の武将が防衛する仕様となった。この武将配置は大将軍、軍師以上の地位でのみ行えるため、プレイヤーがこの地位になった時にはどの場所にどの人数の武将を配置するかがかなり重要になっている。なお、プレイヤーがその地位に達していない場合は君主が勝手に配置してくれるが、たまにポンコツ君主の配下になると1人で出撃させられるなんてこともあるので注意が必要(1人は相手も少人数じゃない限り無謀極まりないのですぐ撤退するのも一つの手)。
称号
今作では政略や戦闘での作戦秘計等により、6つの名声(武勇、知略、将器、弁舌、仁徳、悪徳)をそれぞれ取得でき、その名声に応じて生き様が決まる。
7Eの生き様に該当するが、やたら条件が多く、取得に時間がかかった生き様に比べると、ただ6つの名声のうち2つのレベルが上がれば取得できるため、かなり楽になった。名声はレベルに応じてランク分けされており、2つの名声がLv2、Lv5、Lv10になればなるほど高ランク称号(コモン→レア→レジェンド→エピック)になる。なお、名声は政略内容によっては減少するものもあるが、減少して名声レベルが下がったとしても取得した称号が失われることはない。
なお、無双武将は全員エピックでしかも固有の称号を持っている。この辺も同じ無双武将なのに生き様のレベルがバラバラで不平等だった7Eから大きく解消された。
しかも、7Eの生き様と違い、取得した後はいつでも取得済の称号に変更可能で、1度取得すればそれに応じて出来るようになった政略もいつでも使用可能となった。
6つの名声を政略(行動)によって伸ばして個性をつけるという意味では6Eに近いが、6Eと違い、合計レベルに応じて減衰してしまうこともないのでやろうと思えば全ての名声レベルを10(MAX)にすることも可能。
エディット武将には争覇モードで称号を取得した時点で、その称号を付けることが可能(クリアはしなくてもいい)。
戦闘
今までの兵站線が廃止され、攻城戦となった。侵攻軍は城を攻めるための有用な兵器拠点を制圧して攻め、防衛軍は城に攻めいられないように防衛する。
その城の中にも兵器拠点があり(ない戦場も稀にある)、侵攻軍側は投石車以外では攻撃できないため基本的に防衛軍側が有利になりがち。ただ、城の門が破られると兵力が5000減少するのでこの時点で侵攻軍側の勝利はほぼ確実になる。
また、今作は兵站線がない上に、基本的に拠点の耐久力が回復しないので、過去作よりも拠点が制圧されやすく、取って取られての繰り返しとなる。また、味方もわりと敗走(一時撤退)しやすく、プレイヤー自身の回復手段がなにもないので回復秘計はほぼ必須。
今回、武将には歩兵、騎兵、弓兵の兵科が割り当てられており、この3つが三すくみになっている。戦闘ではこの有利不利がもろに働くので武将配置の時点で兵科が偏らないように注意しなければならず、戦闘中も個別指示ができる場合は、なるべく相手に有利な兵科の武将をぶつけるよう心掛ける必要がある(個別指示は地位が自分より下な武将と友好度がC以上の武将にできる)。
戦闘システム以外の変更点・追加要素
エディットの仕様変更
服装スロットと防具スロットが別々に割り振られるよう仕様変更が入り、平服のような軽装でも戦闘ができるようになった。
なお散策中は防具の表示設定を変更可能なので、『腕防具だけそのまま』や『頭防具は非表示』と調整が可能。(ただし、服装スロットに靴の項目がないため足防具の表示をオフにしてしまうと、散策中裸足になってしまう)また、散策中に発生するムービーは相手が通常衣装でもエディットは散策時の防具表示設定が適用されるため、バランスを取るのがやや難しい。
重ね着ができるようになったという使用はいいのだが、そもそも防具自体が少なく、しかも重ね着で合う組み合わせが中々見つけられないのも難点。
公式Twitterでも明言されていたが、8Empiresではボイスのピッチ変更が出来なくなった。
顔に関しては仁王2のエディットを受け継いでいるのでかなり細かい部分まで設定できるようになった…が、細すぎて逆に自分の理想の顔が作りにくくなっている。一応簡易設定モードもあるがこれだと逆にかなり大雑把なのでどのみち難しい。しかも、無双武将とモデリングが違うのかイベントムービーなどになるとほうれい線が目立つという残念仕様。エディット画面とイベントムービーでの顔の違いがまるで「君、写真と違うくない?」というレベル。
体格についても前作までは、細めだったり筋肉質、モデル体型、グラマー体型など様々な体格を選ぶことが出来たが、今回はそれが出来なくなった。しかも、女性の身長バラメーターが男性と全く一緒というトンデモ仕様。どういうことかというと、今までは(当たり前だが)男性と女性のバラメーターは異なっており、当然同じ真ん中でも男性の方が高めに設定されていた。しかし、今回は同じ真ん中なら女性が男性と同じ身長なのだ。バラメーターの真ん中は推定185cmとかなり高めに設定されているので、無双武将の女性キャラと同じくらいの女性キャラを作ったつもりが実際は趙雲などの男性無双武将なみに巨人になってしまったという珍現象が起こってしまい、逆をいうと背が低めの女性キャラを作ることが不可能になった。
また、6E以降は得意武器、固有攻撃、無双乱舞などをそれぞれ好きなものを選べたが、今回は5までと同じく全て無双武将1人のモーション固定となった。
以上のことから今回のエディットはかなりマイナスな意見が多く、6Eや7Eのような自由度を求めていたプレイヤーにとってはかなりのガッカリ仕様。開発陣は重ね着で今までより作成の幅が広くなることをアピールしていたものの、結果的に今までの仕様のままで良かったという意見が多い。そもそも平服の上に鎧を着るという仕様にせず、最初から平服と普段着を分ける仕様でよかったのでは?とも(というか無双武将はそれなのになぜ、エディットは上に重ねるという発想になったのかが疑問)。作成の幅も衣装が少なくなったことで広くなるどころか狭まる結果となった。
良点は強いていうなれば、髪型が前髪と後ろ髪を分けれるようになったことか。
子供エディットの仕様変更
7Empiresでは結婚していると争覇モード中に子供が生まれ、2年後に急成長して戦に参入する形だったが、流石に無理があったのか、今回は争覇モードクリア時に誕生イベントが差し込まれるように変更。前回はコメントログだけだったが専用ムービーまで用意された徹底ぶりである(ギャラリーのデフォルト設定は張飛と夏侯姫。もしかすると生まれたのは張苞かもしれない)
また、性別がランダムだった7Empiresと異なり初回エディット画面で男女を選べるようになった。ただし今回はエディットを作成した際の性別は初回作成時しか設定できないため、以降は性別変更ができなくなる。
この場合、男女それぞれが両親の特徴を受け継いだ容姿をしている(なお傾向として、男性は母親の・女性は父親の要素を多めに継承する模様)。
両親の武器適正を引き継いでおり、一部項目は変更不可となっている。7Empiresでは往々にして見受けられたオッドアイは基本的に生成されなくなったため、どうしてもオッドアイにしたい場合は個別での設定が必要。
7Eではどんなに両親が美男美女でも高確率で微妙な顔が生まれることが多かったが、今作はある程度上手くミックスされている(とはいえ呂布のように濃い顔の親がいると中々強めにはなるが)。
血縁関係の引き継ぎ
エディット画面に父親・母親の項目が追加され、『争覇モード中に子供として生まれても、周回が切り替わると赤の他人になる』という7Empiresの不満点がついに解消。
この子供エディットで争覇モードをクリアしたり、親が所属している勢力(片方でも可)に士官すると実績が解除される。また、親が在野武将になっている場合は好感度に関わらず確定で推挙が可能。この引き継ぎ要素によりイベントも追加され、同行時・称賛台詞も専用のものが用意された。
直接的に台詞が実装されているのは父母までだが、血縁関係が明確になっている武将がいる場合友好度がC(同行が可能な状態)に最初から引き上げられている場合がある。
この場合は配偶者・義兄弟の対象にすることができず、家族関係の一部として扱われる。
例:曹操を父親として子供エディットが誕生した場合曹丕が友好度Cとなり、配偶者・義兄弟の対象にできなくなる。
これは祖父母の関係が広い場合でも発生し、祖父・孫権、父親が陸遜の子供エディットが誕生した場合、孫休と陸抗が友好度Cからのスタートとなる。
必ずしも兄弟全員が友好度が高い状態で始まるわけではなく、条件やプレイシナリオの区間によってある程度ブレがある模様。
配偶者・義兄弟のイベント、セリフの追加
血縁関係の引き継ぎに加え、配偶者・義兄弟のイベントも追加。同行時・称賛台詞が実装され、それぞれの性格がよく出た台詞が追加されている(賞賛台詞はなぜか義兄弟がない変な仕様ではあるが)。
また、義兄弟はお馴染み義兄弟の契りイベントに加え義兄弟の同時出陣ムービーも実装(ちなみにギャラリーのデフォルト設定は李典と楽進)。
兄または姉だった場合と弟または妹だった場合で台詞が異なるため組み合わせは相当数存在する。ちなみに劉備・関羽・張飛の義兄弟や孫策と周瑜など史実や演義で義兄弟の人物たちは上下関係が固定されている。
こちらも公式Twitterで触れられていたが『配偶者・義兄弟の死別イベント』も追加されている。
今作は散策コマンドが増えたため、キャラの好感度によるイベントが前作よりかなり増えたのも特徴。
余談
この作品が発売されることにより、遂にEmpiresシリーズが猛将伝の作品数を上回ることとなった。
作中のランダムイベントは、過去のempiresのエンディングやイベントをベースにブラッシュアップしたものが使用されている。
追加イベントの中でも『配偶者・義兄弟の死別イベント』は大きな話題となったが、通常プレイの場合はまず解禁されないため「どうにかして見たい」という声が散見された。
(本来は戦闘中武将が一定確率で「負傷」した場合に発生。負傷後に再出撃をし、更に一定確率で死亡となる。難易度・普通の場合では、余程の兵力差がある戦闘で無茶を重ねない限り負傷になることも稀)
後に攻略サイトなどで『反董卓連合シナリオで董卓の義兄弟か配偶者になり、イベント戦に敗北する』という攻略法が見つかる。詳細は攻略Wikiなどを参照いただきたい。
今作をもって祝融役の米本千珠が芸能界を引退。更に次回作『真・三國無双ORIGINS』を発表して一ヶ月も経たないうちに淩統・劉禅役の松野太紀の逝去により3キャラクターの声優陣の入れ替えが確定的となった。