概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。初登場エピソードはTC23巻収録「おそるべき正義ロープ」。
ロープ型のサイボーグで、植物のつる草も模した道具。使用前は瓶の中に種の状態で保管されている。
この種を地面に植えて水をやると、すぐに両端に目がついたロープのような形に変化し、周辺をパトロールする。そして悪事を行った人物を発見しては、その人物を縛って正義を果たす。悪事の内容に応じた時間が経過すると自動的にほどけ、縛られていた人物は解放される。
ただし仮病によるサボり(=嘘をつく)やポイ捨てといった軽い悪事にも反応してしまう。
種をたくさんまいて水をやると、その数だけ正義ロープが起動するため、複数の人物が同時に縛られることがある。
使用を中止したいときは瓶の底面についている「ロープ呼び戻しボタン」を押すと、その瓶から出た正義ロープはすべて瓶へ帰ってきてまた種の状態に戻る。
あらすじ
のび太はドッジボールでせっかくジャイアンにボールを当てたのに、ジャイアンは「正しいのはいつも俺だ!」と認めようとせず、いつも通りのび太に暴力を振るう。
それを聞いたドラえもんはこの正義ロープを取り出し、手始めにのび太をからかおうとしたスネ夫を、そして本命のジャイアンを懲らしめるが、正義ロープの種が入ったビンを縁側に放置していたため、瓶が庭に転がり落ちた所にちょうど雨が降り、瓶の中の正義ロープが全て動き出してしまった。
その頃ドラえもんとのび太はしずかの家で雨宿りをしていたが、彼女がピアノのレッスンをサボろうとして「今気分が悪いから休む」と嘘をついた所に正義ロープがやってきて縛り上げたを皮切りに町中で暴走を始めたため、ドラえもんとのび太は家に戻って正義ロープを止める羽目になる。
その後、仕返しとばかりにジャイアンとスネ夫が襲ってきたが、2人は木の枝に絡まっていたただのロープを正義ロープと誤認し、恐れをなして逃げていったのだった。
なお、このロープが木の枝に絡まった様子が不穏に見えるためか、後にオチの内容が初期稿から変更され、「ドラえもんとのび太が逃げ込んだ先で正義ロープを取り出そうとするが、そこは立ち入り禁止の芝生だったために詰んでしまう」という内容に変更されている。
ロープ呼び戻しボタンを押すまでの展開は、原作では割とすんなりした展開だったが、わさドラ版アニメではボタンを押す直前にのび太が眼鏡を落とす、正義ロープの大群によって瓶が持ち上げられてしまったためにのび太が囮となって(その場でしずかのスカートをめくって正義ロープを引きつける)ドラえもんを促す、といったシーンも追加されていた。
余談
2006年11月17日に放送されたわさドラ版アニメでは、「ロープを切断したり引きちぎった場合、そのロープの破片は元の姿に復元する形で増殖する」という設定が追加されている。
正義ロープが町中に大量発生した際、トイレに向かおうと廊下を走った先生、ラジコンに八つ当たりする形で壊したスネ夫、猫を踏んづけてしまったジャイアンまでも被害に遭っていた。
ドラえもんたちがのび太の家に戻る途中、出木杉が普通に歩いており、静香は「普段から悪い事をしていないから縛られなかった」と言っている(この時のび太は出木杉に対して嫌な顔をしていた)。なお、この時の出木杉は歩きながら本を読んでおり(前方不注意で他の人とぶつかる恐れがあるため、危ない行為である)、運よく正義ロープに見つからなかっただけである。
また最後のオチにも、のび太の「正義は死んだね…」という呟きが追加されている。
関連タグ
ウルトラスーパーデラックスマン 「正義の暴走」をテーマとしたSF短編。
正義のパトカー:暴走した正義のひみつ道具繋がり。