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光の帝国の編集履歴

2024-10-07 20:12:45 バージョン

光の帝国

ひかりのていこく

ルネ・マグリットによって制作された油彩作品。

漫画『BLEACH』に登場する国家「光の帝国」は、光の帝国(BLEACH)を参照。

概要

《光の帝国》(フランス語: L'Empire des lumières)とは、1940年代から1960年代にかけて、ルネ・マグリットによって制作された油彩作品のシリーズ。マグリット後期の作品で、代表作品の1つ。基本的な構造は、下半分が夜で上半分が昼の青空、もしくは上半分が夜空で下半分が昼、という矛盾した要素が同居したものとなっている。ピクシブに投稿されたイラストでは、この作風を踏襲して描いた作品が複数見られる。


合わせて27点の作品(17点の油彩画と10点のアクリルガッシュ)でこのテーマを作成した。これらの絵画は全てが一緒に展示されたことはなく、少数のグループで展示されることも稀である。


解説

マグリットは1953年までにいくつかのバージョンを完成させていたが、1954年のヴェネツィア・ビエンナーレでの回顧展には1954年のバージョン(現在はペギー・グッゲンハイム・コレクションに所蔵)が展示され、コレクターたちがこの絵画を購入しようと注目を集めた。マグリットはその年、コレクターたちを満足させるために、大量なバージョンを制作し、以降も生涯にわたってこの《光の帝国》を描き続けた。


一般的によく見かけるのは、ベルギー王立美術館が所蔵している下半分が湖で上半分が青空の1954年《光の帝国》だが、ほかにもニューヨーク近代美術館所蔵の《光の帝国2》(1950年)や、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館所蔵の《光の帝国》(1953-54年)、アーメット・エルテグン夫妻蔵の《光の帝国》(1954年)など複数のパターンが存在している。


  • マグリットはこの作品シリーズについて、以下のコメントを残している:

光の帝国の中に、私は相違するイメージを再現した。つまり夜の風景と白昼の空だ。風景は夜を起想させ、空は昼を起想させる。昼と夜の共存が、私たちを驚かせ魅惑する力をもつのだと思われる。この力を、私は詩と呼ぶのだ。私はいつも夜と昼へ関心をもっていたが、決してどちらか一方を好むということはなかったからである。


神のサロン

1958年の別の油彩画では、マグリットは照明を切り替え、夜空の下に日差しのある風景を描いている。この作品は『神のサロン』(Le salon de Dieu)というタイトルで、サイズは43 x 59 cm(1977年にニューヨークのアーノルド・ワイスバーガーの個人コレクションに所蔵)。


  • マグリットは、スージー・ガブリックに宛てた日付不明の手紙の中で、この絵について次のように述べていた:

私は非常に難しい絵を完成させたと言いたいのだが、成功させるには難しすぎるだろうか?昼間の風景に夜空(星と三日月)を描いたものだ。この絵は何度も何度も描き直したが、今、私は幻滅している!友人が神の応接間(Le salon de Dieu)というタイトルを見つけてくれたが、私はそれを採用するのを長い間ためらった。仮面舞踏会(Le bal masqué)のようなタイトルの方が私には好ましく思えた。しかし、それを見て絵の具で再現することは、自分が神でなければできない。神になるのを待つ間、私はこのプロジェクトを断念する。


マグリットは以降も《光の帝国》シリーズを描き続いていたが、光の帝国シリーズ最後の絵画は未完成のまま、1967年に他界した。未完成の光の帝国(1967年)は、ベルギーブリュッセルにあるマグリット美術館に所蔵。


余談

ホラー映画『エクソシスト』は、《光の帝国》に影響を受けている作品である。少女に憑依した悪魔祓いをするために、神父がマクニール邸に入るシーンで《光の帝国》から着想を得たイメージが導入されている。


関連タグ

アート マグリット 油彩画

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