概要
脚本:金城哲夫
監督:樋口祐三
特技監督:高野宏一
あらすじ
一年中雪に覆われている新潟県・飯田山。都会から遠く離れた山奥に新しく作られたスキー場は、スキーブームとあってたくさんのスキーヤーでにぎわっていた。
ある日そこに、ベテラン猟師の男性が麓から救助され運び込まれてきた。猟師は「ウーを見た」という。
猟師の話によると、熊の親子を追っているうちに鬼門の飯田山に迷い込んでしまった。だが、追っていたのは熊ではなく、よく見ると「雪ん子」と呼ばれて村人たちから迫害されている一人の少女だった。猟の邪魔をされたと思い、威嚇するため猟銃を空にむけて発砲し、捕まえようとさらに雪ん子を追いかけたところ、怪獣が出現し襲われそうになったという。その怪獣は昔、村の婆様から聞いたウーではないかという。村人たちは地元警察に連絡し、それを経由して科学特捜隊にも連絡が入り、ジェットビートルでハヤタ、いで、アラシの3人が急行する。
一方、雪ん子こと少女ユキは村の少年たちにいじめられていた。上空をジェットビートルが通過していくと、科特隊がお前を倒しに来たぞとはやし立てる。
村長からウーが出たという場所を聞いたハヤタ達はスキーで調査をするが、なぜか目的地になかなかたどり着けない。そしてハヤタは落とし穴に落ちて足をくじいてしまった。
落とし穴を作った犯人がユキであると知るとイデは理由を問い詰めたが、ユキはハヤタたちを「何でもかんでも怪獣呼ばわりして殺してしまう、恐ろしい人たちだわ!」と言い、逃げ去ってしまった。
調査から帰ったハヤタたちは村長からユキについて聞いた。「本当は可哀そうな子だ」という村長はユキの身の上を語り始める。
15年前のある大雪の日、どこからともなく現れた一組の親子が村の近くで行き倒れているところを保護された。母親は死んでしまったが、赤子だったユキの方は元気だったことから村人たちはユキを雪女の子供として気味悪がるようになった。
ユキは飯田山で炭焼きをしている喜助という老人に引き取られたが、その喜助も2年前に他界。今は一人暮らしなのだという。もともと素性がわからないうえにウーとコンタクトをとっていることからますます差別されるようになった。親を早くに失っているイデはユキに同情していた。
翌日、再びウーが出現。ユキは、自分のことは心配しなくて良いから山におかえり、とウーに叫ぶ。そこに猟師がウーを銃でうってしまった。ウーは怒るがユキの説得を聞き入れ、山に帰っていく。しかし翌日、雪山に掘られた穴に酒に酔った村の老人が落ちて凍死しているのが発見された。村人たちは犯人が落とし穴をよく掘っていたユキであると決めつけ、武器を片手に殺そうとユキを追い回す。
「ウー!ウー!助けて!ウー!!」
ユキの叫びにこたえ、怒りに駆られたウーがついに現れた。ウーの出現によりスキー客がすっかり離れてしまい、村人は科学特捜隊にウーの撃退を依頼。イデとアラシはビートルですみかにいるウーを攻撃。ウーは、ビートルに雪を投げつけて不時着させると、スキー場に現れる。
ウーはハヤタが寝ているロッジに迫る。ロッジが踏みつぶされる寸前、ベーターカプセルを点火しウルトラマンに変身するハヤタ。
ウーとウルトラマンの激しい格闘戦が巻き起こる。戦況はウーが圧倒しており、ウルトラマンはスペシウム光線を発射しようとした。その時。
「ウーーーーーーーー!!ウーーーーーよぉーーーーー!!ウーーーーーーーー!!」
ユキの叫びが響く。すると突然猛吹雪が巻き起こり、ウーは幻のように消え去った。
ユキは一人、雪山の中で眠るように息絶えていた。すぐそばには可愛がっていた兎がいる。
ビートルの中で気絶していたイデとアラシはハヤタに起こされた。事の顛末を知らされたイデは、ユキは存在せず、雪の妖精が見せた幻だったのではないかという。アラシは、「あんな清らかな心の持ち主には、二度と再び会うこともないような気もするな」と思う。
そして事件は解決とし、ハヤタ達はジェットビートルに乗って帰っていくのだった。