ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

目次 [非表示]

概要編集

乙女ゲームアプリ『星の乙女と救世主の騎士』(通称:オトキシ)の女主人公正ヒロイン)で救世主

カチューシャを付けたシフォンブラウンのショートボブ

(読み切り版ではレミリアと同じ金髪)に、ストロベリーピンクの目が特徴で、気品と大人の色香を纏うレミリアとは真逆の愛らしい容姿を持つ少女。貧しい平民出身で、親の愛には恵まれなかった。

精霊界から救世主として授かった加護(浄化の力)を持っているため「星の乙女」と呼ばれている。

攻略対象者たちとの恋に落ちたり、主人公と敵対する悪役令嬢レミリアからの策略や妨害を受けたりながら、「星の乙女」として王国の危機に立ち向かうという設定の人物であるが……


本作は敵役として登場するため要注意。


転生者としてのピナ編集

以下は過激なセリフ、内容、及び本編のネタバレがあるので注意。)



「ねぇ、あんたも転生者でしょ?」


「サイッテー!子供の頃から知り合いってだけでゲームの知識使ってズルしてたんだ。悪役のくせにみんなから好かれる逆ハーやっちゃおうとか思ってた訳?こんな卑怯な手使っていいと思ってんの?」


「原作ぶち壊すとかアンチじゃん、私のための物語なのにこのクズ!」


「ウィルもクロードもデイビッドもステファンも、特にアンヘル様は絶対にアンタなんかに渡さないからね!!」





本作における悪役

その正体は交通事故で異世界転生した小林恵美(エミ)と同じ異世界転生者(性別は女性)である。


正ヒロインであり星の乙女の『ピナ・ブランシュ』の肉体に憑依し、学園に転入する。その後攻略対象者たちがレミリアの肉体に憑依したエミと仲良くしていることからエミが転生者であることを見抜き、激しい敵意を剥き出しにしエミを嵌めようと画策した。


学園に転入して早々、生徒会室に上がり込みウィリアルドに躊躇なく抱き着いたりデイビットやステファン、クロードにも同じように接近するが、彼らからは当然煙たがられ、幼稚な言動と行動から学園内の生徒からも引かれていた。


前述の通りエミが自分と同じ転生者として自身の居場所を奪ったことに激高し、憎悪を向ける。(番外編では「レミリアが1番好き」と答えたエミに対し「レズ」「キショい」と差別的な発言まで口にする始末)


そんな醜悪かつ傲慢な彼女に対しても、当初エミは「原作破壊」と罵声を浴びせられた事に落ち込みつつも「それでも人が死んだり誰かが傷付くよりずっといい」と、彼女とこれまでの事を話し合い、同じ作品を愛する者同士協力してもらえるかもしれないと希望を寄せていた。


しかし、エミから立場を奪おうと考えた彼女は生前のゲームをプレイした知識を使って、アイテムを売る魔族の商人ソーンの店に行き、対象者に偽の好意を植え付ける好感度上昇のアイテム(所謂「媚薬」)を購入。

香水タイプのものと飲食物に仕込むタイプのものがあり、併用することで匂いを嗅いだ者・混入された飲食物を口にした者をたちまち魅了していくという(作中世界目線で見れば)恐ろしい毒薬。詳しくは後述。)


そうして、様々な手口を使ってついにウィリアルドを始め学園内のほぼ全体の人間を手中に収めた。(その他に一部貴族も味方につけているが、面会の機会がなく、もとよりレミリアに全幅の信頼を持っていた王妃やスフィア、また一部ピナに不信感を抱いているものなど例外もいる)


エミの居場所を徹底的に奪うため、自身が悪役令嬢に虐げられる可哀そうなヒロインを演出すべく様々な工作を行った末、すれ違いざまに階段から突き落とされたと装ったことでついにゲーム通りにエミ(レミリア)からウィリアルドを奪い、ヒロインの座を奪還することに成功し、攻略対象者たちに庇われながら陰で落ちぶれたエミ(レミリア)を見下し勝ち誇った様にヒロインらしからぬ醜悪な表情を浮かべていた。


だがその直後、精神的ショックでエミは精神世界の奥底で眠りにつき、本来の肉体の持ち主であるレミリアが覚醒。それに気づかないまま彼女を辺境へと追いやった結果、徐々に因果応報の形で破滅へと追い込まれていく…




性格編集

性格は一言で言うなら傲慢そのもの。

自分にとっての要不要に関わらず独占欲や承認欲が強く、思い通りにならないことがあると激しく暴言を浴びせ怒鳴り散らして物に当たり、気に入らない相手が貶められていく様に優越感を見出だす攻撃的かつ嗜虐的な性格。そういった感性を持つこともあって、憑依直後は『オトキシ』の主人公の肉体と「星の乙女」の権威と肩書きを得た事に有頂天になっていた。

表向きあどけなさの残る無力で天然な少女を装う猫かぶりが巧く、攻略対象や衆人環視の中では純真無垢な天然ヒロインを演じ、それにコロっと騙されて肩入れする人間も多い。

また、気に食わない者を突き落とすための謀略にかけては人一倍優れた才能を持っており、複数の人間にひとつひとつは罪にならないレベルの些細な偽証をさせることで攻撃対象の存在を浮かび上がらせ、経緯を知らぬ人間を煽って周囲を味方につけるなど第三者を己の陰謀・工作に無自覚に荷担させる高い煽動能力を持つ。

原作の番外編では本人の言動から、(恐らく)自身の悪事を城内に報告しようとした女子生徒2人に「命の危機を感じた」と虚偽の罪を着せ謹慎処分にまで追い込んでいる事が窺える。

さらには立場の低い人間の心の懐に入り込む手腕もあり、実家で落ちこぼれ育ちのピナの護衛の男を巧みな言葉で上手く懐柔し、良い金づるとしてゲットするなどなかなかの扇動力を持つ。

なお、それらは入念に練られた計画によるものではなく生まれ持った感性由来であり、ピナ本人はこの苛烈な工作をあくまで貶めた人間を嘲笑い、踏み躙る為の娯楽感覚で行っている。面倒臭がりだが好きでやる分にはとことんのめり込めるタイプということだろう。

この天性の才能にはレミリアも「(政争の才能面では)エミよりもピナの方が女王にふさわしい」「(演技力の高さについて)星の乙女なんかより女優の方が向いているんじゃないか」と皮肉混じりに認めるほど。


『オトキシ』の攻略対象たちを独占し、逆ハーレムを築く事を最終目的としているが、実のところ本心としては「他の女に攻略対象を取られるのはムカつく」というだけで、ウィリアルドの婚約者候補になったのも立場を活かせば丁度いい金ヅルになるからでしかなく、本気でウィリアルドと婚約するつもりは全く無かった(もっともこれについてはウィリアルドの方も、ピナの事は肩書きを利用する為に妾にでもしようかといった程度であり、当人にとっての本命は未だレミリアであるためお互い様である)。

ピナにとっては攻略対象者たちや周囲の人間は所詮自分の踏み台かゴマすり、権力がある人間や自分を慕う人間なら財布扱い扱いするなど人間関係は最悪

唯一例外と言えるのは一番の推しであるアンヘルで、前世でもファングッズを買い込むなどお気に入り。略奪した攻略対象者たちは呼び捨てにしている中で彼だけは「様」付けし、入学当時にエミに対しても「絶対渡さない」と略奪宣言するなど強い執着を見せる。

しかし、ゲーム内では死亡してしまうアンヘルの弟クリムトの事は全く大切に思っておらず、それどころか番外編で「そろそろ弟死んだかな?」「弟が死ねば落ち込んでいるアンヘル様を励ましてあげられる」と自身がアンヘルに好かれるための踏み台としか思っていない模様。



欠点編集

欠点としてはまず『生粋の(真っ当な)努力嫌い』であることが挙げられる。万人から寵愛される事を求めるが、そのために愛される努力をするつもりは皆無

レミリアの断罪後も「星の乙女」の使命を果たす意志や正義感はこれっぽっちもなく、厄災への備えについても「誰かが出来るなら自分(星の乙女)がやる必要はない」と能力や知識の鍛練を怠っており、有事の際はその時はその時で 多分 どうにかなると過信する始末。

最低限の実績作りとして周辺の土地の浄化作業に僅かに協力した後は「星の乙女」の肩書きを盾にした贅沢三昧に耽り、用意されていた国家予算が空になるほどドレスや宝石を買い込んだ結果、そのしわ寄せで比較的優先度の低い部署で働く人間が何名も解雇される事態に陥るなど、国に与えている悪影響はかなり甚大。

レミリアからは仮にゲーム通りに冒険に出るような事態になったとしても、戦力外の足手まといになるだけと推察されている。

…もっとも、レミリア自身が厄災の元凶を取り除いた為にその推察は無意味となったが。


加えて前項の通り、己のコミュニティ内の邪魔者を排除する事に関しては非常に狡猾な一面を見せ、それを成す邪な努力や策謀もするが、それが上手くいくのも相手が自分の筋書き通りに動いてくれた場合に限った話であり、相手が予想外のリアクションを返してきた場合はどうにも出来ずに固まってしまうか、泣き落としで誤魔化そうとするか、癇癪を起こすかのいずれかのみで、己の筋書きに相手を引き込んでいくアドリブ力が無い。

猫かぶりの演技にしても出来るのは「純粋無垢な天然女子キャラ」一択であり、直前の物言いや態度からいって明らかに無理がある状況でもその豹変に辻褄を合わせられない。そのくせいつまでもこの手口が通用すると過信していた。

さしずめ「女優」としては一流でも「芸者」としては三流以下といったところだろう。


おまけにどれだけ真っ当な意見であっても、自分にとって都合の悪い説教や説得は全く聞き入れないため、ウィリアルドに「お金がなくなるから贅沢をやめて欲しい」といった至極真っ当な理由で説教されても「どうしてそんな酷いこというの?」「私の事嫌いになっちゃったのね」などと全く意味を理解せず、悲劇のヒロインぶって泣きじゃくるという相手にとっては腹が立つことこの上ない返答をしてくる。

実際、ウィリアルド自身もある時に彼女に対して「犬よりも覚えが悪くてイライラする。」と愚痴をこぼしていた。

秘薬で虜にした他の攻略対象者達も同様で、もはや無理矢理引き上げられた好感度よりも、ピナに関わる事による嫌悪感の方が勝っており、理由が無ければ会いたくないとすら思われている。

こんな体たらくなので元々彼女の教育係りを担当していたウィリアルドの叔母であるマルガレーテが匙を投げてしまい(本来、国の重要人物である筈のピナの面倒をまだ学生のウィリアルド達がみているのはこの為)その結果彼女には社交界でのルールやマナーなどが全く身についておらず、それ故にサロンやパーティーなどの席で粗相をしまくった為ウィリアルド達共々社交界から完全にシャットアウトされてしまった。


また、前述の通り相手を嵌める為の策略は綿密に計画されたものではなく持ち前の感性で行われている他、上記の様に努力嫌いで面倒くさがりな性分も相まってか自身の頭で考えることは苦手な様で災厄が起きないどころか自身の知らないうちに魔国との貿易が始まっていると知った時も驚きこそすれど「意味わかんないけど、また課金アイテムが手に入る」と開き直るだけで事の経緯などを全く調べようとはしなかった。


更に致命的な欠点としてコミュニティ外の事象や第三者からの評判に対しては無関心そのものであり、自分が貶めた相手から反撃されたらどうするかや、自分が嫌われているかもしれないなどとは露程も考えていない

既にエミというイレギュラーに遭遇済であるにもかかわらず、実際その場に直面するまで「ゲームと現世で差異が起こるかも」という発想自体が無かった。というより、当の自身が『オトキシ』のピナから外れた行動を取っている以上、ゲーム通りの展開にならない可能性がある事すら考慮出来ていなかった

エミのシナリオ改変行為を「原作破壊」「私物化」「逆ハー狙いの淫乱女」として非難していたピナであるが、本人の行いを見ればとんだブーメランである。

実際、コミカライズ版25話ではレミリアに対し「どんな汚い手を使ったのよ!追放してから二度と復帰できない様、ゴロツキに(レミリアを)襲う様に金を握らせたのに!」というあまりにブーメランすぎる発言をかましている。


本質的には天井知らずな自己評価の高さから、他者からの信用と信頼を「星の乙女」の肩書きひとつと(本物のピナ譲りの)美貌だけで得られると思い込んでいる怠惰な愚者、それが転生者としてのピナであった。



前世編集

元の名はリィナ

本来のピナが垣間見た記憶によると、悪女だったのは幼少の頃からであり、小学校から高校に至るまで気に入らない人物を本編と同様に嘘八百で悪役に仕立て上げ排斥してきた模様。

しかし、大学でも同じことをしようとした結果スマートフォンで嘘の証拠映像を抑えられ、周囲から総スカンを受け居場所をなくし、自宅に引きこもるようになる。

死因はクーラーが故障したまま真夏の自室に籠もっていたことによる熱中症、もしくはそれと併発した不摂生な生活が原因の生活習慣病の急性症状(所謂ペットボトル症候群)であることが示唆されているが、前世の家族への筋違いな罵倒ばかりで自分の非を一切認めようとしなかった。

本編のピナの外界に対する無関心さは、生前の時点で他者との関わりをシャットアウトした引きこもり生活に順応していたが故のものではないかと思われる。

原作者によるとピナ程ではないがそこそこ可愛らしい見た目だったらしく、本編中の振る舞いと努力嫌いな性格も前世の時点で大して努力せずとも人並み程度の結果を出せた故のものであることが推測される。(原作小説1巻のカラーの挿絵のページにてハーフアップをリボンで纏めた髪に不敵な笑みを見せている前世のリィナだと思わせる少女が映されている。)




本来のピナについて編集

『星の乙女と救世主の騎士』の主人公であるピナの本来の人格は、本編終了後の番外編に登場する。

幼少期の頃から父親から虐待を受けていたため内気で世間知らずだが、思いやりのある優しい人格の持ち主。

母親は自分を産んで間もなく死去。姉がいたらしいが物心付くより前に人買いに売り飛ばされ生死不明。自身は父親に小間使い同然の扱いで貧民街で下卑た客を相手にこき使われるという極めて過酷な環境で育つ。

ある日、偶然街で接触した魔術師から「精霊の加護の力」を見出された事で父親の暴虐から開放され、現代の『星の乙女』として学園に通う事を認められる。たくさん本が読める場所と学校で友だちを作ることをささやかながら願っていた。

上記の通り、家庭環境に恵まれなかったことと転生者に取って代わられた点はレミリアと同じだが、転生後の彼女の境遇はまるで真逆で、リィナの生前の悪行三昧の記憶と、彼女が自分の身体でレミリア(エミ)をはじめとした周囲を不幸に陥れていく様を延々と見せつけられていた。

何よりそれらの非道によってリィナが抱く愉悦の感情を強制的に共有させられるという拷問に等しい苦痛を数年に渡り味わい続けた。

またピナ自身もリィナの前世の過去を見て、「あの子(リィナ)は気に入らないことがあるといつも人のせいにして、それを見て面白おかしく笑っている。」と性格を嫌悪している。

リィナの悪行の影響から「身体を取り戻す」どころか「自分であることをやめたい」と思う程にまで精神的に衰弱し、またリィナが自身の身体で節操無く男漁りを繰り返す野蛮で醜悪な様子を見てきたため「恥ずかしい」、「同じ女であることが嫌で仕方がない」という諦観と絶望に囚われ、レミリアが婚約破棄された瞬間にとうとう身体と魂の繋がりが切れる。恐らくピナ(リィナ)の一番の被害者と言っても良いかもしれない。

前述通りの気の毒な身の上であった事も含めれば、彼女が自身の生涯で「当たり前の人間らしい生活」を謳歌できていたのは、魔術師に精霊の加護の力を見出されてから入学直前までのたった数日〜数週間のみだった事になる。悲惨過ぎる……

その後は傷ついた魂を休めるため守護精霊たちによって精霊界に匿われていた。その際、守護精霊達はピナにずっと「星の乙女の加護」を与えており、ピナの嘆きに応じて加護を次第に強めていたことが明かされる。しかしその加護はピナと同じ肉体を共有していたリィナも等しく影響下に置いてしまい、かつ肉体の使用権はリィナに握られていたため本来のピナがレミリアへの仕打ちを止めたいと願えば願うほど、レミリアを貶める為に悪用されている加護の力が強まるという悪循環に陥っていたのだった。


なお、星の乙女の加護の力は本来のピナの方の魂に宿っているため、レミリアの断罪騒動後の転生者の方のピナ(リィナ)は厳密には「星の乙女(すなわちこの世界の『主人公』)」ではなくなっている。そのためピナ(リィナ)に宿る浄化の力はピナの肉体に元々あった先天的な素質の部分しか残っておらず、民衆からは『伝承に比べて大した事ない』とその能力を疑問視されていた




コミカライズ版において編集

コミカライズでは端々で魅せる狂気すらはらんだ顔芸などの秀逸な描写により醜い本性がより分かり易く描かれ、乙女ゲームの愛されヒロインにあるまじきジェットコースター級の顔面崩壊を披露(怒りをあらわにした際には歯茎をむき出しにしていたり、うまくいかないことがあると茹でダコのように顔を真っ赤にして癇癪を起こすなど凄まじく豹変する)。このため一部の読者からはピナの登場回を待ち遠しく思われている。

特に相手を貶めたり悪事を思い付いた際に口角を吊り上げ唇を尖らせた、所謂「アヒル口」の表情を浮かべる癖があるが、これは無自覚でやっているものとのこと。実際にはゲームのビジュアルを意識して可愛らしく見えるよう鏡の前で表情を付ける練習を日頃からしているのだが、いざ本番となると本性が隠し切れなくなるらしく、本音が表情に出る。


またweb版や書籍版より大幅に人物像が掘り下げられた、魔族の血を引くエルハーシャに対しては一昔前の少女漫画のような演出によるときめきを一目で感じ、お得意の猫かぶりで急接近を図るなど面食いっぷりが強調されている。


外見については回を重ねるごとに段々衣装のセンスが壊滅的に悪くなっており、24話の夜会のシーンでは星・花・リボンの意匠を多用し、ネックレスにはハート型の宝石をあしらい、頭に被るレースの装飾品には砕いたダイヤモンドを散りばめるなど、天使と女神をモチーフにした彼女好みのいかにも財を食い潰したであろうゴテゴテで派手な、女児の憧れを全て詰め込んだようなドレスを着て参席。(ピナのあまりにも場にそぐわない有様に貴族たちからは陰口を囁かれ、その後ろからやってきた攻略対象者たちはピナの恥知らずぶりに気まずそうに顔を伏せていた。当の本人は気にせずパーティーに浮れていた。)

これはリィナが(人を貶める事を覚えた小学生頃から)精神的に全く成長していないため幼女趣味がそのまま変わらず残っているからではないかと推測されている。

我が儘過ぎた為に正規の衣装デザイナーが匙を投げてしまい、彼女自身がデザインした衣装を職人に作らせているとのこと。

自分の美的感覚を絶対視しているピナ本人は「マリー・アントワネットの様に時代の最先端を行っている」つもりらしい。

※(コミカライズ版を手掛けた白梅ナズナ氏からもドレスのデザインについて「可憐なかわいらしさ、でも目を引く斬新さ、それでいて女王を差し置く豪華さ、なのに品がなく安っぽくも見える奇妙さ、白くふわふわでキラキラとまぶしい印象なのに妙に生々しさを感じさせ、色々なものがちぐはぐで異様な存在感を感じるデザインを目指しました」とのこと。)


なおこの回のピナをよく見ると贅沢三昧が祟ってか、脇の肉が弛んできていることが確認出来る。


そして25話にてレミリアがアンヘルに用意された美しいドレスと魔国の宝石を身に着けている様子に驚愕していることから、本来のルートではそれらはピナが身に着ける予定だった可能性が高い。その際自分ではなくレミリアが着ていることに激しい嫉妬に満ちた顔で困惑していた。

ちなみにその後の展開で、顔を伏せてはいたが両手の爪を手袋ごと齧り、ブツブツと「レミリアが汚い手を使った、バグを起した」と独り言を呟く描写があり、その様子を近くで見ていたソーンから「頭がおかしい」と異常者を見る目を向けられている。

…余談だが、この25話のサブタイトル『この門をくぐる者は』は、かの『考える人』で有名なオーギュスト・ロダンの彫刻作品『地獄の門』の一節の一部を引用したものである(この回の扉絵でピナの眼前に描かれているのもまさしく地獄の門のそれ。上部に彫られた「手を合わせあう三人組(3つの影)」の姿がシルエットで確認出来る)。…後に続く節とこの後のピナの運命を考えると…。



『課金アイテム』編集

ピナがレミリアを陥れる為に利用した課金アイテム。『恋の秘薬』『魅了の香水』の2種類が存在する。

ゲーム中での効果は

  • 『恋の秘薬』:1度の使用で(最大値を100%として)相手の好感度を5%上昇させる(なお、通常プレイで入手出来る好感度上昇アイテムでは1度の使用で0.02%しか上昇しない)
  • 『魅了の香水』:使用した一定期間中の好感度上昇値を2倍にする

つまり2つを併用すれば(単純計算で)たった10回の使用で最愛の人物と同等の好意を得られるという脅威的な代物。

しかも一度上昇した好感度は事後に下がらず、加えて所謂状態異常の魅了ではなくパラメーターとしての好感度を引き上げるものであるため魅了避けの魔道具等でも防げない(原作者曰く「某モンスター育成ゲームで言えば一般的な魅了対策は「メロメロ」を防ぐ為のもので、秘薬で上昇する好感度は「なつき度」のようなもの」とのこと)。


本編世界においては、元々は先天的に相手を魅了する魔力を持って生まれた魔族の薬師が自らの魔力の一部を抽出して作った薬で、魔国の収入源として王国内の魔導具店(ゲーム中における課金アイテムショップ)に卸していたものとされており、普通の人間ならばこれらのアイテムを使用しても一時的な興奮程度の効果しかもたらさない。

だがピナの場合「星の乙女」の加護の力により何をしなくとも相手に好意を抱かせていく能力が無意識に発動しているためにこの様な絶大な効果を発揮するに至っている。


何より恐ろしいのは恋愛感情に限らずそれが使用者に対する『好意』であるならば無条件に効果を発揮するところであり、劇中ではステファンが「ピナの証言によって貶められていく状況への恐れと、それに対するウィリアルド達の冷たい反応に不安を感じたレミリアが自分を頼ってくれている」という状況に抱いた高揚感から玉突き的にその高揚感を生む原因となったピナへの一種の感謝を「好意」と認識され秘薬の効果対象となってしまっている。

(この点から恐らくピナへの恋愛感情など皆無であることを自認しているクロードも無意識に秘薬の効果を受けていると思われる。)

また、ディビッドの例も見るに少なくとも「容姿は可愛い」と思った程度でも効果対象条件を満たす程に対象条件が緩い。

効果の対象にならないのは単純に直接面識の少ない人間か、もしくは直接的、あるいは間接的に彼女の言動、行動を知った事から純粋に嫌悪感を抱き距離を取っていた人間ぐらいであった。

…しかし「嫌っていれば大丈夫」という訳でもなく、ウィリアルドが秘薬の影響を受けた原因は『愚かさを隠そうともしないピナに対する「自分はアレ程酷くはない」と思う安心感と優越感』にあったとされており、侮蔑に愉悦を感じる程に嫌うと一周回って効果の対象になるという二段構えに恐ろしい代物となっている。


なお、『好意』と言っても偽りのものであることに変わりはなく、好意を植え付けられた人間は「何故ピナに対して好意を感じるのか?」という自己疑問に論理的な説明や思考が出来ない。(加えて言えばその好意の正体が恋愛感情ではないことは自覚している。)

その為ウィリアルド達はその好意の正体を「『完璧な淑女と思っていたレミリアが、魅入られる要素などなにひとつ無いピナに対して嫉妬の感情を抱き凶行を働く程に自分を愛している』事への愉悦感」と誤認し、

ピナの取り巻きの平民生徒達は偽証が悪だと解っていながら、レミリアと直接関係無いグラウプナー家の悪評を持ち出してまでレミリアの悪事の偽証を第三者に強要せずにはいられない、得体の知れない焦燥感に駆られていた。

劇中のレミリアに対する断罪劇はひとえに「中心人物であるピナ(並びにレミリアの実家であるグラウプナーの人間)に人間的な魅力が一切存在しなかった」が故に起こってしまった悲劇と言えるだろう。

結果としてウィリアルドの愛情はピナに出力を歪められただけで未だレミリアに対してのみ向けられていたし、香水の効力の切れた平民生徒らは「何故あの時あそこまでピナに加担しようと思ったのか」と激しい後悔の念にさい悩まされる事となっている。


これ程までの効力を持っていながら、あくまで得られるのは名前の通り「恋(気分)」と「魅了」のみで『愛』を得ることは決して出来ないというのはなんとも皮肉である。





余談編集

・著者のまきぶろ氏によると、ピナの立ち振る舞いや性格は自身が小学生だった頃のクラスメイトの女子をかなり参考にしているという。氏曰く「虚言癖のある子で、見ていた限りでは「同情されてみんなに注目されたい」という思惑があった」「悲劇のヒロインぶる事が何度もあった」そうで、「Aさんの家に遊びに行った時に置き忘れたシュシュを今日Aさんが付けていた」などといった小賢しい嘘を吐き、その話を信じた同級生達に「返して貰うように言ったら」と促されると「でも証拠ないし嘘吐き扱いされるかも……ううん、いいの、忘れてきた私が悪いし」と断ることで「嫌な事をされても強く言えない可哀想な女の子」を演じて無実の同級生たちを悪人に仕立て上げていたという。幸いまきぶろ氏はAさんの友人で「あの女の方が嘘を吐いている」という情報があったので最初から信じずに済み被害も無かったそうだが、ピナのような醜悪な性格の人間(しかも小学生)が作者の近くに実際に存在していたとは何とも恐ろしい限りである。(該当ツイート)


・作中内でのあまりの性格の悪さと国をも転覆させかけた様々な悪事、コミカライズ版での醜悪な表情から嫌悪感と苛立ちを覚える読者が非常に多く、「特級呪物」「七つの大罪を1人でコンプリートした女」「キングボンビーがマシに見える」「無惨様と同類」などと散々な評価を受けており、マフィア梶田からも「性格がドブゲロ」と評されている。


・作品内外での評価が散々なピナであるが、本来のピナの善性とその顛末、そしてもし仮にピナの身体にリィナの人格が憑依していなかった場合「エミとピナがお互いをリスペクトし合い、本編中の悲劇を回避するために協力する親友同士になっていた」と明かされたことで、一部読者間で「これだけの仕打ちを受けてなお「ピナ」として貶めるのは流石に本来のピナが気の毒だ」として本編のピナ(リィナ)を「偽ピナ」、本来のピナを「真ピナ(または純ピナ)」と呼称分けする風潮が浸透している。


・ピナは自ら「やり込み派」を名乗るほどゲームの理解度が高い事を自負しているが、実際にはゲームやキャラクターに対する知識に大きな偏り(一例として災厄が起きる正確な日時や原作におけるレミリアの影響力を全く把握出来ていない)がある上に、そういった層のプレーヤー達からは邪道扱いされている課金アイテムを躊躇無く使う(これは課金アイテムを使用すると簡単に好感度が上がる一方、各キャラ個別に用意された好感度上昇イベントが発生しなくなる為)などの矛盾点が見られる。これは恐らくエミのように「世界観やストーリーにのめり込んで感情移入していく物語鑑賞タイプ」ではなく、「高速クリアの為のアイテム・選択肢の情報を頭に詰め込んだ攻略重視」もしくは「主人公に感情移入するのではなく主人公を自分に置き換えてその立場に酔う」タイプのプレイヤーだったからだと思われる(仮に後者ならば、時と都合に合わせて現実とゲームを使い分ける矛盾した思考をしているのも納得である)。

・また、「オトキシ」はジャンルとしては恋愛要素のあるRPGなのだがよく読むと彼女が言う原作の知識は恋愛要素の部分の知識だけでRPG部分の知識は全く出てこないのだがこれは彼女は前世でプレイしていた頃から原作のRPG要素には興味が無く、ストーリーを進める為のダンジョン攻略も特に編成を考えずお気に入りの人権キャラ達によるゴリ押しプレイで済ませていたのではないかと思われる。(彼女がラスボスのレミリア戦で「何度もコンティニューした」というのも恐らくそういったプレイをしていた為と思われる。)


・時折読者から「これだけ面倒臭がりで癇癪持ちな性格でありながら、ただエミが憎いという理由だけで課金アイテムを用いてまで第一印象最悪かつ、元よりそこまで好きでもないウィリアルド達を誘惑する根気がどこからくるのか?」という疑問が指摘されていたが、後に原作者からピナは所謂「童貞」の性癖を持っていた事が明かされており、エミを貶める傍ら「ウィリアルド達が少しずつ自分色に染まっていく様に快感を見出だしていた」ことが判明している。(この設定を反映してか、コミカライズ版では渡さないと豪語している攻略対象者の中で女遊びに慣れていそうなステファンだけは名前が挙がっていない。)


・劇中序盤の「己の立場に漬け込みウィリアルドに纏わりついた上で冤罪を用いて恋敵を貶めていく」ピナの立ち回りは、何の因果か「オトキシ」本来のストーリーにおける『悪役令嬢レミリア』のそれになぞったものとなっている。無論、その役割を果たす立場の人間が逆であることと、冤罪が罷り通ってしまったという決定的な違いを除けば、だが。


・白梅ナズナ氏の初期デザインのピナは賢そうな策略家のような雰囲気のキャラデザだった。


・ピナ(リィナ)目線からすれば「ゲームの世界に主人公として異世界転生したと思ったらシナリオボスキャラが何故か善人と化していて周囲から絶賛されている」という状況であったため、エミの存在に対して警戒心や疑問、不満を抱くこと自体はゲームプレイヤー目線で見ても自然な感情ではある。

例えるなら「ドラゴンクエストの世界でプレイヤーとして転生したら、街中で社会奉仕活動に勤しみ町民から感謝されているデスピサロに遭遇した」ようなものである。

それを考えると、悪役令嬢レミリアとして転生したエミを見て警戒したり、「悪役の癖に何やってんだ」と思う事自体は特段不自然な事ではない。

しかし、だからといって貶めていいわけではないのは言うまでもない。

ましてやエミ当人に至っては罵声を浴びせられても「同じ作品を愛する者同士、きちんと話し合おう」と、共に協力してこの世界を救う事を望んでいたため、その優しさを無下にし、無実の罪を着せて破滅に追い込もうとするのは明らかに度を超えている。


・なお、原作者の短編の中に、『ゲーム中の好感度アップアイテムを悪意無く多用した転生主人公の顛末』を描いた

「プレゼントで好感度が上がる世界」なる作品が存在する。

ある意味ではピナのifを描いた物語かもしれない。





関連タグ編集

悪役令嬢の中の人 転生ヒドイン ヒロイン失格 吐き気を催す邪悪

関連記事

親記事

悪役令嬢の中の人 あくやくれいじょうのなかのひと

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

pixivに投稿された小説 pixivで小説を見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 2476

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました