概要
「ハーレム(後宮)」とは逆に、一人の女性が多数の男性に囲まれ、その(ほぼ)全員から好意を向けられたり、寵を争われるシチュエーションを指す。略して逆ハー。
女主人公がそのような状況に置かれる漫画やゲームは『逆ハーレムもの』と総称される。このシチュエーションおよびジャンルは、少女漫画、TL、乙女ゲームに伝統的に多く見られる。
BL作品において、いわゆる「受け」役を担う男性キャラクターが、他の「攻め」役の男性全員から好かれている状況(いわゆる総受け)の事も『逆ハーレム』と呼ぶ場合がある。
女主がアイドルのように派手にチヤホヤされるもの、お姫様のようにそっと大切にされるもの、男装の麗人が男ばかりのグループに混ざって戦うもの、イケメン達が仲間のような自然な距離感で女主やヒロインに接しているもの、婚活で花婿候補を選ぶもの、女主が同性の敵から逃走していて一時的に理解ある異性たちの中に混ざっており、たまに味方の同性と仲良くするものなど、種類は多岐に及ぶ。他に、腐女子が恨みBL目的で、男ばかりのグループに入っているパターンなどもある。
『女読者が自己投影する為の女主人公が出ている話』『複数のレギュラー男性の中にレギュラー女性がひとり』という状況を指して(恋愛関係や絆があるないに関係なく)『逆ハーレム』という事もある。これはハーレムも同様。
注意点
基本的に圧倒的な女性上位の状況でなければ逆ハーレムとは呼ばれない。
たとえばこれやこれ(※R-18G注意)やこれやこれは愛情の一切ないいじめであり、逆ハーレムに入らないので注意。暴漢、痴漢、ストーカー、サイコパスがイケメンでもNGである。
女性の中の人(様々な意味)のことを考えれば、愛情でもなんでもないことに気付くだろう。
俺様系男子、亭主関白萌えジャンルなどもあるが、そういうジャンルは表記がされている。いじめが弱めで最後ヒロインが逆転勝ちするものなら、嫌われ夢というジャンルとして扱われる。
一般的に、ヒーロー失格の男性キャラはクズモブや性別不明に描かれることが多く、ヒーロー(笑)やダークヒーローやモンスターとも別の属性とされる。
すべての逆ハーレムがビッチ願望を満たす為のものとは限らない。
男性陣を傍観して萌える為のもの、読者全員を女主人公に自己投影させ、推しメンを選ばせる為のもの、女主人公がボディーガードに守られ、身の安全を守る様子(女子力?)を楽しませるもの、周囲の男性陣を腐ィルター的な視点で楽しむ為のもの、ビッチな女主人公単体を傍観させるもの、男性アイドルの育成を楽しむもの、女主人公が女が不利な男だらけの職場で頑張るもの、女主人公が情けない男キャラ相手に無双しまくるもの、ミスリード要員を沢山置いて女主人公の本命を分かりづらくする「婿当てクイズ」形式のもの、女主に好意を向ける男性陣と女主がバラバラの場所にいて重要イベント以外ではお互い接近しないものなど目的は様々である。
逆ハーレムは典型的な女性向けジャンルであるが、男性でも逆ハーレムを嗜む人もいる。女性向けと言っても、女性層の中でも特に好き嫌い割れるジャンルであり、激しく嫌悪する女性も少なくない。
女夢主を中心とした逆ハーレムの二次創作は夢向けとして棲み分けタグが要求される場合もある。さらに逆ハーレムの二次創作にはメアリー・スーの要素も含む作品も少なからずある。
女主の姿のないゲームで逆ハーレムを妄想しながらプレイし、原作で満足し、二次創作では理想を発露しない女性や、逆ハーレムを描く時に一次創作や二次オリ以外を使わない女性も多いと言われる。
近年では、明確に女主が描かれ、かつ多数の男性キャラクターに囲まれるという構図の作品が媒体問わず増えているが、狭義では女主に好意が向けられている恋愛作品のみを「逆ハーレム」と見做す。そうではない作品群については、逆ハーレムと解釈するのかは個人の見方次第であるため、下の一覧から除外している。
『逆ハーレムもの』に分類される作品
(ジャンル・50音順)
小説・ライトノベル・ビジュアルノベル
アニメ
- 乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…:ただしこの作品の主人公は複数の同性からもガチな恋愛感情を持たれている。
- 聖女の魔力は万能です
- はいからさんが通る
- フルーツバスケット
- 美少年探偵団
- 明治東亰恋歌
- 夢王国と眠れる100人の王子様
- 薄桜鬼
- 私がモテてどうすんだ
- DAME×PRINCE
- Dance_with_Devils
- 枕男子
- Bonjour♪恋味パティスリー
- 神々の悪戯
- 金色のコルダ
- BROTHERS_CONFLICT
- AMNESIA
- Starry☆Sky
- 恋する天使アンジェリーク
- 緋色の欠片
- DIABOLIKLOVERS
- 華ヤカ哉、我ガ一族
漫画
他多数
ゲーム
→乙女ゲーム参照
ガールズゲーム、女主人公が選べるゲーム(特に、名前変換機能があり、パーティーメンバーの設定が最小限で、パーティーキャラを半オリキャラと解釈できるもの)にも逆ハーレムに近い要素がある。
実写ドラマにおいては女性視聴者が多いために、女性向けとして逆ハーレム的な恋愛ドラマが作られることが多い。2015年に放送された『花燃ゆ』は当時、スイーツ大河、逆ハーレム大河と評されたことがある。
『ファイナルファンタジー5』のような関係が逆ハーレムと呼ばれることもある(初期パーティーはバッツ、レナ、ガラフ、男装したファリスでレナが紅一点だが、旅の道中でファリスが女だと判明しガラフが死亡してクルルが加入するため「逆転ハーレム」的意味合いの逆ハーレム状態になる)。尤も、『ファイナルファンタジー6』のティナ編とセリス編のほうが逆ハーレムに近い気がしないでもないが…。