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聖女の魔力は万能です

せいじょのまりょくはばんのうです

橘由華によるライトノベル。「小説家になろう」にて、「タチバナ」名義で連載されたWeb小説を元にカドカワBOOKSより単行本化。コミックも連載中。
目次 [非表示]

突然の聖女召喚は、異世界スローライフの始まりでした――


概要

橘由華によるライトノベル

小説家になろう」にて、「タチバナ」名義で連載されたWeb小説を元にカドカワBOOKSより単行本化した。イラストは珠梨やすゆきが担当している。

ComicWalkerにて漫画化され連載中。担当は藤小豆

「聖女の魔力は万能です」コミカライズ1巻

また、異世界に来たもう一人の少女・アイラについて原作では舞台裏にて語られ、これをもとにアイラを主人公にしたスピンオフ漫画「聖女の魔力は万能です~もう一人の聖女~」も同じくComicWalkerで連載中。


テレビアニメ

Season1が2021年4月から6月まで、Season2が2023年10月から12月までAT-XTOKYO MXMBSBS11にて放送された。

アニメーション制作はディオメディア


特筆すべき点として原作に存在したステータス画面の設定を排除するという、なろう出身作品としては極めて珍しいかつ大胆な改変が行われている。

これにより、セイ自身が自分の能力を把握する経緯などが原作とは若干異なる展開になっている。


Season1の第7話「章間」では先述のスピンオフを織り込んだアイラメインの回が放送された。


物語

主人公の20代OL・小鳥遊聖は、残業を終えて帰宅した瞬間、謎の光に包まれてしまう。気が付くと見たこともない部屋で、喜ぶ人々に囲まれていた。

困惑するセイだが、隣には女子高生らしき少女・御園愛良もいた。そこに赤髪の少年が現れ、問いかける。

「貴方が【聖女】か?」

セイには見向きもせずアイラに向かって。


この異世界の国・スランタニア王国では、数世代(100~150年?)ごとに、国が瘴気に覆われ魔物が大量発生する時代がやって来る。

これまではその度ごとに、魔を祓う力を持つ【聖女】の出現で国は救われてきた。数百年前、一度だけ聖女が現れなかった時は、儀式により聖女を召喚した。


そして現在、ジークフリート王の時代、同じく聖女不在の事態が起こる。追い詰められた王と重臣たちは、やむなく伝説の儀式『聖女召喚の儀』を決行。

聖女召喚の儀は成功するも、これまで常に一人だった聖女が、なぜか二人召喚された。ところが、儀式を取り仕切っていたカイル王子はアイラしか目に入らず、セイをその場に放置してしまう。


この扱いに怒ったセイは王宮を出ようとするが、実際は行く当ても無かった。元の世界にも帰れないことを知り、あきらめたセイは、王宮の庇護下に置かれるも暇を持て余し、薬用植物研究所で研究員として働くことに。


やりがいを見つけて活き活きとなるセイだったが、自身の「ステータス」を見たことにより「自分が聖女であること」に気付く。しかも研究所で働く内に、意図せず聖女の力を発揮してしまい、周囲も次第に『彼女こそが本物の聖女だ』と気付きだす。

果たしてセイは、異世界で平穏なスローライフを送れるのか?


登場人物

個別記事が存在する場合、詳細はそちらを参照。


主要人物

小鳥遊聖さん

セイ/小鳥遊聖(タカナシ・セイ)(CV:石川由依

主人公。「聖女召喚の儀」でスランタニア王国に召喚された日本のOL。


『聖女の魔力は万能です』シチュエーションオーディオ公開中です

アルベルト・ホーク(CV:櫻井孝宏

王国第三騎士団団長。セイの相手役で、本作のメインヒーロー?


薬用植物研究所

ヨハン・ヴァルデック(CV:江口拓也

薬用植物研究所の所長でセイの上司。28歳。茶髪にヘイゼルの瞳を持つ。

伯爵家の次男で、顔も良いため貴族の令嬢や夫人に人気がある。しかし本人は、貴族のドロドロした人間関係に辟易しており、結婚もせず貴族社会から遠ざかっている。

アルベルトとは少年時代からの親友で、セイとの恋を面白おかしく見守っている。かなり有能な人物で頭も切れ、優秀な土属性魔法の使い手でもある。


ジュード(CV:八代拓

薬物植物研究所の研究員。20歳。平民で豪商の五男。セイの同僚で先輩。緑の髪と瞳の美男子。

水属性魔法を持ち、特待生枠で王立学園を卒業後に研究所に入った。穏やかで人懐っこい性格。

召喚後の暇を持て余したセイと出会ったことで彼女が研究所に入るきかっけを作った。

web版によるとセイに惹かれており、ゆえにアルベルトの存在を不安に思っている。

しかしセイの側は友人の感情しか持っていない。


王宮

カイル・スランタニア(CV:福山潤

スランタニア王国第一王子。「聖女召喚の儀」が成功した時、その場にいたセイに気づかぬ失態をしでかし、彼女を憤慨させる原因を作ってしまう。

騎士道精神にあふれた高潔な若者で、けっして無能ではなく、粗野な性格でもないもののの、若さゆえの視野の狭さが目立つ。


ジークフリート・スランタニア(CV:山野井仁

スランタニア王国の国王。年齢不詳(推定30代)。息子とよく似た美男子。

後継ぎはカイルと決めているものの、忠告しても様々な失態をしでかす息子に悩んでいる。

父親として息子たちへの愛は有するものの、国王としての責務を優先している。


レイン・スランタニア(CV:市川蒼

スランタニア王国第二王子。カイルの弟。14歳。父や兄に似た美男子で、物腰が落ち着いている。

アイラを聖女にしようとしてたびたびトラブルを起こす兄に悩み、状況を改善させるべくリズと画策していたが失敗する。

兄よりも優秀なので彼を次期国王に望む派閥が存在するが、本人にはその気は全く無い。カイルが謹慎処分を受けた後、アイラの後見人を引き受ける。


エリザベス・アシュレイ(CV:上田麗奈

通称リズ。侯爵家の娘で、金髪碧眼の美少女。14歳。

カイルの婚約者で、次期王妃として多忙な日々を送っている。

アイラの宮廷魔導士団入団後、彼女の友人となる。


宮廷魔導師団

ユーリ・ドレヴェス

ユーリ・ドレヴェス(CV:小林裕介

宮廷魔導師団の師団長。濃紺色の髪と瞳を持つ絶世の美青年。表向きは笑顔を絶やさぬ飄々とした、つかみどころのない人物。


エアハルト・ホーク(CV:梅原裕一郎

宮廷魔導師団の副師団長。アルベルトの実兄。クールな秀才タイプ。


アイラ/御園愛良(ミソノ・アイラ)(CV:市ノ瀬加那

「聖女召喚の儀」でセイと同時に召喚された日本の女子高生。もう一人の聖女候補。

セイと比べると実績で見劣りするが、研鑽を積むことにより一流の魔導師として開花しつつある。

カイル王子と彼の側近により王宮に保護されていたが、カイル王子が謹慎処分を受けたのち彼女自身の希望もあり宮廷魔導師団に入団、百年に一人の逸材として将来を嘱望されている。


クラウスナー領

ダニエル・クラウスナー(CV:高橋伸也

『薬草の大産地』にして『薬師の聖地』として知られるクラウスナー領の現領主。50代。近年、薬草の収穫量が急減し、このままでは領地の没落は時間の問題と焦っていた。

ある日ふとしたことから、『聖女なら薬草畑を復活させられるかもしれない』ことを知り、現在の聖女であるセイをクラウスナー領に招こうとする。

セイの帰還後に薬草の収穫量が回復したようであり、謝礼としてセイ個人と薬用植物研究所に大量の薬草を進呈している。


コリンナ(CV:小山茉美

クラウスナー城で働く薬師たちの長。小柄な白髪の老婆だが未だかくしゃくとしており、怒ると屈強な傭兵たちすらタジタジとなるほど恐い。領主ダニエルと語らって、聖女に薬草畑を『祝福』してもらおうとする。


レオンハルト(CV:日野聡

クラウスナー領で魔物討伐にあたっている傭兵団の団長。推定30歳前後。190cmを超える強面の大男で、筋骨隆々・豪放磊落。しかし外見に似合わず真面目で頭が良く、勘も鋭い。

それゆえ上からも下からも頼りにされているが、コリンナには頭が上がらない。


伝説の薬師(CV: 大西沙織

はるか昔、クラウスナー領で薬師として働いていた女性。

彼女が生きた時代、クラウスナー領は旱魃からくる飢饉、疫病に悩まされて壊滅状態になり、彼女の愛する弟も疫病にかかり明日をも知れぬ状態にななってしまう。深刻な弟の容態に焦りを感じた薬師は薬の調合を研究、完成のめども立ったが、今度は本格的な調合の仕方がわからぬまま時が過ぎてゆく。

そんなある日、突如金色の光とともに旱魃が終わり薬の調合も完成、疫病は終結し、彼女は旱魃の始まりから疫病の終結までを日記としてクラウスナー城に仕える薬師に遺した。


作中用語

基本

スランタニア王国

物語の舞台となる、異世界の王国。魔法が存在する。人口や他国との関係など、詳細は未だ語られていないが、決して弱小国ではないようである。

街並みはヨーロッパ風。夏服は存在せず、女性は異性に素肌を見せることはマナー違反とされる。

学問は王族や貴族、一部の平民しか学ぶことができない。香辛料は存在するが料理はまずい。しかしセイの活躍で新たなレシピが開発されてからは劇的に変わっている。


瘴気

いわゆる「悪しき陰の気」。スランタニア王国では、どこででも発生する。森の奥や洞窟など、人の住まない暗い場所に溜まり易く、ある一定の濃度を超えると魔物を生み出し、周囲に害をなす。

瘴気が濃いほど発生する魔物も強くなるが、魔物を倒せば周辺の瘴気は薄くなるため、魔物を倒し続ければ害は防げる。

しかし数世代に一度の割で、魔物を倒す速度を遙かに超える勢いで、瘴気が濃くなることがある。そのような時代には、国内に聖女となる乙女が現れ、国を救ってきた。


聖女関連

聖女

スランタニア王国に伝わる伝説。

過去、王国で魔物が大量発生するたびに、魔を祓い、国を救ってきた乙女たちのこと。彼女たちはそれゆえ崇められ、「聖女」と呼ばれた。

彼女ら特有の、極めて強力な魔法を使うことができ、あっという間に魔物が消滅するとされる。

ただそこにいるだけでも、周辺の瘴気を浄化するとされる。

なお普通、魔物が大量発生する時代が来ると自然に現れる。しかし現れなかったことが今回を含めて二度有り、そのたびに「聖女召喚の儀」を行う羽目になった。

聖女の魔力は他のいかなる者とも質的に異なり、聖属性魔法を使う際は金色の粒子が出現するのが特徴。かつて旱魃に見舞われたクラウスナー領の薬師も聖女ではないかと信じられている。

王国に伝わる記録によれば、これまで一度に一人しか現れたことがない。

しかし今回の「聖女召喚の儀」では、なぜか二人召喚されることになった。

魔を祓う以外にも、高度な魔法付与など様々な能力を持つ。しかし、その強大で有意義過ぎる能力ゆえ、歴代の国王や上層部は悪用されることを恐れ、聖女の記録をごくわずかしか残さなかった。


聖女召喚の儀

はるか彼方から、聖女となる乙女を召喚する儀式。

スランタニア王国で数百年前に有った「どれだけ瘴気が濃くなろうとも聖女が現れなかった」時代に、当時の賢者たちが総力を結集して編み出したもの。

魔法としての難易度も非常に高く、必要な魔道師やアイテムも多く、通常なら行うこと自体困難、かつ割に合わない代物。セイ(とアイラ)を召喚した今回の儀式でも、それまでスランタニア王国最強の魔導師・ユーリ・ドレヴェスが長期間昏睡することになり魔物討伐にも大きな戦力を喪失することとなった。しかし今回、背に腹は代えられなかった。


【聖女】の術

聖女のみが使える、超強力な広域魔法。

その効果は主に浄化で、数百~数千の魔物を一度に消滅させたり、魔物を生み出す黒い沼(おそらく瘴気そのものの、高濃度の塊)を丸ごと消し去ったり、が可能。

聖女がこの術を使う時は、聖女自身の身体から魔力が金色の靄となって溢れ出し、それが呑み込んだ範囲をすべて浄化する。光が弾け、それが消えた時には、呑み込まれた魔物も瘴気もすべて消えている。

浄化以外にも、大量の魔物によって焦土と化した森をよみがえらせたり、百人近い怪我人を一度に完治させたり、土壌に活力を与えて普通は栽培できない植物を育つようにしたり、といったことも可能である。

ただし、発動と浄化以外の効果は書物に遺されていないこともあって一般には知られておらず、聖女一人、一人の個性のちがいにより発動と効果もちがうのではないかとの見方も一部にある。

なお、後に判明した事実によれば、聖女の術は『自分にとって最も大切な男性』のことを考えると発動できるらしい。


魔法関連

属性魔法

火・水・風・氷といった特定の属性を操る魔法。これが使用できる者はエリートであり、平民であっても王立学園への入学が許される。通常は自身に適性がある一種類しか使えないが、複数属性の適性を持つ者もいる。ユーリ・ドレヴェスは例外的に全属性が使用できるが、それぞれの属性魔法スキルは独立したレベルを持つため、複数の属性に適性があっても得意・不得意が存在する。


生活魔法

属性に関係なく平民でも使用できる魔法。それほど強力な効果は無いが、明かりをつける「ライト」のような生活に密着したものが多い。


聖属性魔法

「回復」や「浄化」、戦闘時の支援などを行う属性魔法。

歴代の聖女たちは皆、この魔法に長けていたとされる。

セイは当初から、この魔法のスキルを「無限大」のレベルで保持していた。


魔法付与

宝石や鉱石などを素材に、様々な魔法の効果を付与すること。

属性魔法のスキルがなければ行えず、付与できる効果も、行う者の能力次第。

攻撃力や防御力を上げる、いわゆる支援系の効果を付与するには、聖属性魔法のスキルが必要。

魔法を付与した「核」は、武器や防具、装身具などに埋め込んで用いられ、それを使う者の魔力に反応して効果を発揮する。

そのような武器・防具・装身具は、当然、そうでない物よりずっと高価になる。

「核」にいかなる効果が付与されているのかは、鑑定魔法を使わねば判明しない。

セイが作った「核」は伝説級の代物で、宮廷魔導師団副団長・エアハルト・ホークからの報告を受けたスランタニア王国国王・ジークフリート・スランタニアはセイが王国にとって重要な人物であることを確信する。


ステータス

生活魔法の一種で、自分自身の能力や適性を表す数値・職業を表示する。本人しか見ることが出来ない。


鑑定魔法

マジックアイテムなどのステータスを「見る」魔法。

使える者が極端に少なく、宮廷魔道師団にも数人しかいない。

その中でもさらに希であるが、「他人のステータス」を見られる者も存在する。ただしそれが可能なのは、鑑定する側の基礎レベルが、鑑定を受ける側に比べ、互角かより高い場合のみ。


ヒール(回復魔法)

時間を戻して負傷や病気を回復させる初歩的な魔法。

セイが習得した回復魔法も初歩的なものとされていたが、あたりに飛びかう金色の光とともに欠損した肉体も一瞬で完治させるほどの強大な回復魔法となった。


組織

薬物植物研究所

王宮に従事する研究組織。場所は王宮から徒歩三十分ほど。

薬草栽培の研究と、薬草から製造されるポーションの研究開発を主に行う。

ポーションは負傷兵の治療に使われるため、騎士団とは関わりが深い。

広大な薬草畑があり、ポーションに必要な希少な薬草を取り扱っている。その一方で研究所直属の薬草畑だけでは魔法研究やポーションの開発研究には不足しているらしく、薬草の生産量が多いところからも仕入れているようである。

研究所の中でも穏やかな職場で、貴族の中でも変わり種が多いこと、所長が緩いことから平民でも偏見は無い。

セイの入所後は彼女の希望で食堂が設けられ、薬草やハーブを取り入れた料理をセイが開発したことで味が劇的に良くなり「王宮の食事よりも美味」と絶賛され、各地の貴族にも流行する。


騎士団

王宮に従事する騎士達が属する軍事組織。

現在は、瘴気の強さから各地に出没する魔物が増加し、騎士達を派遣して討伐に勤しんでいる。

第一騎士団は王族の護衛と王都の治安維持が優先であり、セイとの関わりはあまり深くない。

第二騎士団はセイがポーションを配達する際に雑談を交わしたり、負傷兵のお見舞いに行くなど親交があったが、セイが聖女の力を行使して重傷者たちを(それこそ、完治の見込みを完全に断たれた者ですら)元通りに治して以降は、彼女を聖女として崇拝するようになる。

アルベルトが率いる第三騎士団はセイが最初に貢献した事や、魔物討伐にセイが同行して活躍したり美味い食事を振舞ってもらったこともあり、早い段階から友好的である。

また、魔物討伐でも第二騎士団は第三騎士団と行動をともにすることが多いことから、セイが魔物討伐に出動するときには第二騎士団も同行することが多い。

隊舎という環境から武門貴族以外は平民が多くを占めており、騎士団を脱退後は位が下がり王宮にいられなくなる。そのため、特に平民出身の騎士達にとって戦闘に耐えられないほどの重症(手足の欠損など)を負うことはクビとほぼ同義であり、たとえ命を長らえても先は暗い模様。


宮廷魔導師団

王宮に従事する魔導師の研究組織。国内で最も優秀な魔導師たちが集まっている。

王宮では魔法付与などの研究を行い、外では騎士団と協力し主に後方サポート要員として討伐に赴く。平民出身が多い騎士団とは違い、大半が貴族で構成されている。

国内最強クラスの魔導師でもある師団長のユーリや副師団長のエアハルトが揃ってセイに一目置いていることに加え、伝説級の魔法付与を成功させたこともあって彼女を崇拝する者が多い。


王立学園

王族や貴族の子供達が通う学び舎。

一般に平民は入学できないが、例外的に、属性魔法を持つ平民のみ特待生枠で入学が許可される。卒業後の進路は研究所や魔導士団、騎士団など。


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