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エルハーシャ

えるはーしゃ

まきぶろ氏の小説作品『悪役令嬢の中の人』及び同作を原作としたコミカライズ版に登場するキャラクターのひとり(画像右の人物)。 実質的にコミカライズ版オリジナルキャラクターと言っても過言ではない(詳しくは項目にて)。 ※本編のネタバレ注意!
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概要編集

悪役令嬢の中の人』における作中世界、及び乙女ゲーム『星の乙女と救世の騎士』の登場人物。

癖のない長い黒髪と、青灰色の切長な瞳を持つ非常に整った顔立ちの青年。

舞台である王国の第一王子。ただし、王妃ではなく妾の子である。


来歴及びゲームでの設定編集

国王がある日偶然に見初めた踊り娘を母としてこの世に生を受けた。しかし、母親の正体はかつて『狂化』の呪いから逃れる為に魔国から王国へ亡命し、その出自を隠していた魔族であり、自身も魔族譲りの先の尖った長い耳を持っている(ただし混血のため純血の魔族よりは短め)。

この特徴的な耳による周囲の奇異の目を避ける為に、普段は長髪を下ろす事で耳を隠していた。


王としての才能は父親以上と言ってよく、年端もいかない頃から王宮内の政争事情を粗方把握出来る程に高い国政意識を持ち合わせている。

しかし異母弟であり、王妃の実子であるウィリアルドが生まれると、父親である国王への敬意と、その後ろ暗い生い立ち(後述)にもかかわらず実の息子と変わらぬ愛情を注いでくれた王妃への感謝、そしてウィリアルドへの情愛と期待から意識して己の才能を隠す様になり、わざと放蕩息子を演じる事で王宮内の政治バランスを乱す事の無いように徹していた。

この事から大抵の貴族からは「道楽王子」と軽んじられていたが、腹心であり親友のシルベスト他ほんの一部の人間からはその真意と胸中を理解されており、尊敬の念を持って接せられている。


ゲーム中での扱いはガチャ限定のサブキャラクターであり、スキル性能も非常に癖が強く上手く扱えれば最強クラスになり得るが、相当な玄人で無ければ有効活用出来ないやり込み派向けのキャラクターだったらしい。

パッと見の印象はなよなよしたチャラ男そのものだったが、裏では玉の輿狙いで自分に色目を使おうとする女性に対して「こんな悪い男に本気になっちゃいけないよ」と優しく諭す一面があったとのこと。…むしろ本気で惚れられてしまうのでは…?


本編での動向編集

コミカライズ版19話『掌の上で踊れ』より登場。

ウィリアルドとウィリアルドの擁立するピナ・ブランシュの度重なる失態とそれによる皺寄せ、ついには乳兄弟である腹心までも切り捨てた事を聞き付け、王国の未来のため、無能の演技を辞めて自らが立ち上がる事を決意。

それまで隠していた信頼出来る有能な部下達による人脈と、その才覚を存分に発揮して、ピナに纏わる後ろ暗い噂の調査と並びに、謹慎中のウィリアルドが王宮内で完全に孤立するよう情報網を断つことで王宮内の勢力図を短期間で掌握した。

なお、この頃には魔族の存在が王国で受け入れられつつあった事もあって下ろしていた長髪を後ろに纏め、耳を露出させている。


その後、現状の身軽な立場を利用する事で、異母弟の元婚約者である本作の主人公レミリア・ローゼ・グラウプナーの治める地であり、王国と魔国の貿易の中心地であるルグラーツェ村へ来訪。

もはや「村」と呼ぶより「都市」、それどころか一つの「小国」と呼ぶべき大々的な発展模様と、その中で暮らす人々が見せる人間と魔族の種の隔たりなき笑顔…自分が理想とする『国』のあるべき姿を直に目の当たりにした事でレミリアの手腕と成果に心から感嘆する。

その際、『ウィリアルドの優秀さはレミリアの加護あればこそ成り立っていたものであった』と確信し、先のレミリアに対する断罪劇の顛末を異母弟に代わって謝罪した。

この時、件の出来事がピナによって仕組まれた陰謀であり、ウィリアルドを堕落させたのはピナである事を知らされている。


ウィリアルドの謹慎が解かれた後の会議において、満を持してその頭角を現し、王国と魔国の貿易交流を本格的に開始することを提案。それと同時に自らが魔族の混血児である事実を暴露。

会議に参加していた貴族たちも前者はともかく後者には少なからず動揺するも


  • それまでは魔族と魔国の存在が知られていなかったからこそ、無用の混乱を招かぬよう出自を明かす訳にはいかなかった
  • 王族は外部の血を取り入れる事に寛容であり、他国の王族や元平民も大勢存在している。事実エルハーシャの母も貴族位など持たない元平民である
  • 過去の王族には獣人等の異人種の血も存在しており、魔族だけが駄目という理由はない
  • むしろ魔族の混血児である事は両国間の友好を深める一因と成り得る

といった説得力のある説明を重ねる事で議会を纏め上げ、誰の目にも次期国王はエルハーシャとなる事が明白な状況を作り上げた。


それ以降はウィリアルドやクロードが不気味さを覚えるほど議会をほぼ完全に掌握していた。

しかし今更ながらに王国と魔国の交流が始まっている事を知ったピナが会議室に殴り込み、ゲーム設定に基づいた筋書き(この世界においては後の障害とならないようにアンヘルやレミリア達が隠蔽しようとしていた真実)を喧伝し始める事態が発生。

魔族と悪魔は同一の存在であり危険なのだと貴族たちの前で暴露するピナだったが、その発言に

「自分の恋人であるウィリアルドを王にするために側室の子で魔族の血筋である私を貶めようとしているんだね?」

と涼しい笑みのまま一蹴。いかにもな動機を取り付けることでピナの発言を「エルハーシャに対する悪意を持ってでっち上げられた虚言」と位置付けて貴族たちの中で疑惑が芽吹く可能性を摘むと、更に「貴女一人だけが真実を知る賢者で、我々全員が魔族にいいように騙されている阿呆だと言いたいのか?(意訳)」と軽くあしらい、それに深く考えず答えたピナに墓穴を掘らせる形で口を完全に封じさせる。慌ててピナと共に退出するウィリアルドにも

「とてもお似合いの彼女だね。今度こそ大事に」

とダメ押しの一言を浴びせて赤っ恥をかかせた。


読者からの反響編集

元々初出のweb版の時点では「ウィリアルドが廃嫡されても王家の血が絶える訳では無い」という理由付けとして存在だけは示唆されている、固有のセリフや名前すらないモブ未満のキャラクターであった。

だが、コミカライズにおいてそのビジュアルと飄々としながらも冷静で有能な人格の持ち主であることが明かされた途端、それまでの扱いとのギャップから一気に注目を浴び読者(と原作者)からの人気が爆発。

読者「えっ!?ビジュの雰囲気違わない!?よくない!?」


腹心のシルベスト共々急激にキャラが立ち始め、ついにはweb版において幼少期の両者を主役とした番外編が新たに書き起こされるまでに至っている。


余りの反響と人気から、エルハーシャの初登場するコミカライズ版のコミックス5巻では、本来掲載予定に無く、WEB上のみでの公開となるはずだった番外編「第一王子が来た」の巻末掲載が急遽決定される事態となった(通常コミックスというものは企画の時点であらかじめ掲載話数及びページ数が決まっているものであるため、後からページが追加されるというのは極めて異例の事である)。


余談編集

・なお、エルハーシャの出生の実態は「なかなか実子に恵まれない王に高い魔力を持つ跡継ぎ候補を生ませるため」という計画的なものであり、来歴における内容は周囲に経緯を納得させるための単なるバックストーリーに過ぎず、エルハーシャの母親は身分としては側室ですらない平民のままである(これはエルハーシャの出生後においても同様)。


・前述の通り「道楽王子」と呼ばれているエルハーシャだが、放蕩(思うままに振る舞うこと)と道楽(怠けること)は類義語ではあるものの厳密には意味が異なる。


・自らの出自を明かした際に、一部貴族から耳が長い事には気付いていたが、「流行りのファッションで付けてるコスプレ」だと思われていた。お茶目。



・番外編にて幼少期のエルハーシャとシルベストのエピソードが描かれ、そこでシルベストとは幼少期からの付き合いであると明かされた。ちなみにシルベストの方が2歳年上。

かつて神童と言われていたエルハーシャがウィリアルドが生まれて以降落ちぶれたことを、まだ少年だったシルベストはそれが演技によるものと見抜いており、その意図を理解できず直接問い詰めたことがある。その際エルハーシャの真意を知り、その眩しさにがっつり脳を焼かれた


エルハーシャ「君まで日陰者にしたくなかったんだがなぁ」

シルベスト(俺は自分で選んだ日向にいますよ)


・同じく番外編にてゲーム本編世界では最終的にウィリアルドと和解し、兄弟としてやり直すことが明かされており、ただ才能だけを求めて創り出された悲劇の出自を背負い、そうでありながら最愛の弟と争う事がないように日陰者に徹するその情愛を知ったウィリアルドも「兄の悲劇が繰り返してはならない」と貴族制度の改革をエルハーシャと誓い合うなどがっつり脳を焼かれるはずだった


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