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「あら、そう?最近の子は手ぬるいのね」

概要

ライトノベル『死亡遊戯で飯を食う。』の登場キャラクター。

デスゲームの元プレイヤーであるが、ゲームによる負傷で全盲となってもプレイを継続していた凄腕。

主人公・幽鬼は、盲目状態で戦うスキルをもとめて彼女に師事する。

以下のプロフィール以降には、彼女の登場エピソードについての重大なネタバレを含む。

プロフィール

年齢は完全なる不詳。

幽鬼の師である大ベテラン「白士」の、更に前世代にあたる古豪プレイヤーであり、実力からうかがえる戦歴も加味すると相応の年齢と思われるが、見た目は「お姉さん」で通るレベルの若々しさ。

おっとりと優し気な女性であり、その見た目に相応しい口調で喋るが、中身は「全盲になってもデスゲームを継続していた」という経歴からうかがえるとおり、「戦いの中で死ねれば本望(意訳)」と言い切るとんでもないバトルマニアでもある。

デスゲームを続ける中で全盲となっても、聴覚を利用した「反響定位」のスキルを身につけることでゲームの世界に舞い戻り、その状態で引退するまでプレイできたという恐るべき実力の持ち主であり、作中現在においても、引退して長い時間(作中登場キャラでもっともプレイ期間が長い白士が、全く面識がないほどの昔)が経っているにも関わらず、現役強豪プレイヤーである幽鬼と、正面から渡り合えるほどの実力を保持している。

そういった経歴にふさわしいというほかない超・体育会系でもあり、盲目状態で戦うスキルを師事しにきた幽鬼に対し「これ以外の伝え方がわからない」と宣って、容赦なく「本当に命をやり取りする野良デスゲーム」を開催した。

作中の活躍(重大なネタバレ含む)

盲目状態で戦う術をもとめてコンタクトしてきた幽鬼を、寂れて無人化した離島に呼び出し「私たちプレイヤー同士には、言葉よりもこの伝え方が一番いい」として、一方的に野良デスゲームの開催を宣言する。

内容は、島内に隠されたボートとその起動キーを発見して島から出る「脱出型」であり、鈴々はそれを邪魔する「殺人鬼役」を務める。

島内各所には武器などのアイテムが隠されており、それらを見つけて武装し、鈴々の襲撃に立ち向かうこともできる。

逆に言えば鈴々の方が殺されてしまう可能性もあるが、それも含めて構わない、と言ってゲームを開始した。

これに対し「穏便に」訓練をうけるつもりで、見学のために弟子である玉藻も同行させていた幽鬼は心理的に完全に後れを取り、もともと員数外であった玉藻をも平然と巻き込むことで自分のペースを作った鈴々に終始ひっかきまわされる。

全盲とは思えない大胆な動きで戦う鈴々に対し、幽鬼は「目が見えない相手の間合いがわからない」ことなどもあって苦戦を強いられる。

しかし、その戦いの最中に幽鬼はひとつの違和感に気づく。

全盲でこれほど戦えるのに、そして未だに嬉々として「戦いの中での死」を受け入れるバトルマニアにもかかわらず、なぜ引退したのだ?と。

実は全盲になって以後も戦い続けた結果、鈴々は聴覚もほとんど喪失してしまっており、当時の専属エージェントが、さすがに再起不能と判断して引退を勧告したのである。

本人はその状況でもまだやれる、と息巻いたものの、運営側もその判断を承認したことで引退を余儀なくされていた。

その後は抜け殻同然に日々を送っていた鈴々だが、幽鬼からの依頼を受けた事で「これこそ自分に相応しい死に場所」と奮起し、彼女に「盲目状態で戦うための、反響定位と並ぶもう一つの重要なスキル」を教えるため、デスゲームの舞台を作り出す。

それは「ハッタリ」であり、ゲームが始まって以降の「全盲でも問題なく戦う姿」は、現役時代に培った経験と度胸によって「そう見せかけるよう振る舞っていた」だけであった。

実際には鈴々は外部に協力者を置いており、胸元に仕込んだ隠しカメラと、髪で隠した小型通信機を通じて、辛うじて聞こえる片耳を通じて状況を口頭でおしえてもらうことで渡り合っていたのである。

つまり「他人任せの遠隔操作状態でデスゲームをする」という無茶な状態で幽鬼を正面から圧倒していることになり、現役当時はどれほどバケモノじみたプレイヤーだったかがうかがえる。

この仕掛けに気づいた幽鬼は、鈴々でなく協力者の方を探し出して抑えることで、鈴々の耳をも奪ってほぼ戦闘不能の状態に追い込む。

そうした状況下でもなお戦意を一切失わず、接近する幽鬼を気配だけで感じ取って正確に銃を向けてくる、というバケモノぶりを発揮した鈴々だが、さすがにこれほどのハンデを負っては如何ともしがたく、一方的に気絶させられて敗北する。

作中での活躍その2

最初の邂逅から半年ほどして、心因性のストレスにより反響定位が暴走した幽鬼は、己自身の幻影が「身体を乗っ取ろうと襲ってくる」というリアルすぎる幻覚に襲われるようになる。

これを撃退するため「模擬デスゲームを開催し、その中で幻影と対戦して打ち負かす」という手段を思いついた幽鬼は、反響定位スキルの師である鈴々に助けを求める。

ごく断片的な情報から状況と依頼内容を正確に把握した鈴々は、模擬デスゲーム「スノウルーム」を準備し、幽鬼の要望に応える。

また、世代が隔たった幽鬼たちに対し大先輩然として振る舞っていた前エピソードにくらべ、比較的世代の近い人物も登場するこのエピソードでは、おそらくは「素」の状態であろう砕けた態度が増えており、結果、バトルマニアぶりがより強調されている。