わたくしはだいじょうぶ。だから、心配なさらないで
ね、雪哉。わたくしの金柑は、おいしかったでしょう?
概要
紫苑の宮とは八咫烏シリーズに登場するキャラクターである。奈月彦と浜木綿の娘。
内親王。
その他
※以下、第二部のネタバレ注意
"出来ません、"
追憶の烏で明かされた衝撃の事実。
花祭りから約1年後、今上金烏奈月彦の突然の崩御で状況が一変する。
叔父である明鏡院長束が還俗して金烏代となり、紫苑の宮を養女として迎え入れ、日嗣の御子になるかと思われたが、、、
「よってここに、凌雲院預かりの身である凪彦に親王の称号を許し、日嗣の御子の指名を行うものとする。」
ー親王宣下。
上皇となった捺美彦にもう一人、子供がいた。
困惑するのもそのはず、出家してから子を成すなど到底あり得ないからである。(そのあり得ないことを平然としている)
そして、その母親は当家のあせびの君であった。
皮肉にも今まで最善の道と思ってやってきたことが全て、裏目に出た形となってしまった。
また、白烏も東家側に与しており、反対したら大義名分のない北家、西家側が反逆者になってしまうことから雪哉は負けを認め、動乱の世を招く武力行使は止すべきだと主張するが、、、
しかし、それに反対したのは皇后、浜木綿であった。
彼女は先に仕掛けて来たのはあちらだから、奪われたものを取り返すためと言い、紫苑の宮や女房達、護衛を引き連れ招陽宮に立てこもってしまう。
さらに、知らせを聞いて駆け付けてきた雪哉に、正当性がないならば作ればといいと山内衆と羽林天軍を動員して紫苑の宮を女金烏として認めさせればいいと言い放つ。
彼女は、過去に同じようなことがあって逃げられなかった。
だから、姫宮に同じ思いをさせないためなら山内に戦火を投じてもいい、と。
"全て、皇后の思うように"
潤天の持ってきた血盟箱の中の奈月彦の遺言にはそう書いてあった。
皇后に「お前はただの一度だって、奈月彦を選ばなかった」と言われ、よろめきながら出ていった雪哉を追いかけ、庭に出た姫宮は、戻って、と乞う。
姫さま
私と、逃げては下さいませんか
雪哉が光に縋るようにして言った一言に、何度も喘ぎながら蚊の鳴くような小さな声で言ったのが
"出来ません"だった。
そして、皇后とともに姿を消した
※以下、更なるネタバレ注意
"あれは紫苑の宮だ"
博陸侯雪斎によって語られた衝撃の事実。
葵(澄生)という娘は始めから居らず、茜が生まれた時から既に偽の戸籍があったという。
しかし、博陸侯が言った"全く信用していなかった"かどうかは不明。