わたくしはだいじょうぶ。だから、心配なさらないで
ね、雪哉。わたくしの金柑は、おいしかったでしょう?
概要
紫苑の宮とは八咫烏シリーズに登場するキャラクターである。奈月彦と浜木綿の娘。
内親王。
初登場は、第一部・6作目の弥栄の烏の最後。以降、第二部と外伝に登場する。
プロフィール
地位 | 内親王 |
---|---|
性別 | 女性 |
誕生日 | 安永元年 初夏(※啐啄) |
出身地 | 紫苑寺 |
身長 | 不明 |
体重 | 不明 |
※孵った(啐啄)のが初夏との記述なので、卵誕は3ヶ月程度前
人物
普段は聡明で、大人びた印象である。
6歳で既に己の立場にあった態度と物言いであったり、制約の多い生活に不平不満を一度も漏らさなかったり。6歳とはとても思えないほど聞き分けがよい。
また、奈月彦からは自分よりもずっと統治者に向いていると評されており、男児がいないことからも初の女金烏に、という動きがある。
身内や雪哉の前では、年相応な一面もあり、何故か雪哉に懐いている。
また、とても見目が良い。
黒髪に大きな目、影が落ちるほどに長い睫毛を持ち、顔は父親の奈月彦に似ている。
目元の鮮やかさは母親譲り。
親である奈月彦や浜木綿からは、この世で一番可愛いと言われている。
また、蔵人頭の明留からは、身内の贔屓目を除いてもとびきり可愛らしいと、
更には雪哉からも可愛らしいと表されるほど。
生まれてから全然笑うことがなかったが、雪哉と初めて会った時に雪哉のことを見て嬉しそうに笑った。
その笑顔は、見る者すべてを、無条件に幸せにするような笑顔だったらしい。
経歴
本来は中央山の女屋敷にて養育されるが、紫雲の院こと高子の妨害によって、凌雲山紫苑寺に皇后と共に8歳になる直前まで留まり続けた。
元日朝賀や地方への行啓として東領東風郷の花祭りなどに列席した。
その他
※以下、第二部のネタバレ注意
"出来ません、"
追憶の烏で明かされた衝撃の事実。
花祭りから約1年後、今上金烏奈月彦の突然の崩御で状況が一変する。
叔父である明鏡院長束が還俗して金烏代となり、紫苑の宮を養女として迎え入れ、日嗣の御子になるかと思われたが……
「よってここに、凌雲院預かりの身である凪彦に親王の称号を許し、日嗣の御子の指名を行うものとする。」
ー親王宣下。
上皇となった捺美彦にもう一人、子供がいた。
困惑するのもそのはず、出家してから子を成すなど到底あり得ないからである。(そのあり得ないことを平然としている)
そして、その母親は当家のあせびの君であった。
皮肉にも今まで最善の道と思ってやってきたことが全て、裏目に出た形となってしまった。
また、白烏も東家側に与しており、反対したら大義名分のない北家、西家側が反逆者になってしまうことから雪哉は負けを認め、動乱の世を招く武力行使は止すべきだと主張するが、、、
しかし、それに反対したのは皇后、浜木綿であった。
彼女は先に仕掛けて来たのはあちらだから、奪われたものを取り返すためと言い、紫苑の宮や女房達、護衛を引き連れ招陽宮に立てこもってしまう。
姫宮のためなら羽林天軍と山内衆を動員し、山内を戦火に巻き込んでもいいという皇后と武力行使には慎重な雪哉が対立する。
"全て、皇后の思うように"
皇后に「お前はただの一度だって、奈月彦を選ばなかった」と言われ、よろめきながら出ていった雪哉を追いかけ、庭に出た姫宮は、戻って、と乞う。
姫さま
私と、逃げては下さいませんか
雪哉が光に縋るようにして言った一言に、何度も喘ぎながら蚊の鳴くような小さな声で言ったのが
"出来ません"だった。
そして、皇后とともに姿を消した
※以下、更なるネタバレ注意
"あれは紫苑の宮だ"
博陸侯雪斎によって語られた衝撃の事実。
葵(澄生)という娘は始めから居らず、茜が生まれた時から既に偽の戸籍があったという。
余談
ちなみに紫苑の花言葉は、「追憶」「君を忘れない」「遠方にある人を思う」である。
第二部、シリーズ8作目の題名は…