概要
「八咫烏シリーズ」に登場する東西南北ある四つの領地のうち、東の地を治めている大貴族。
他家同様、金烏宗家に仕えている。
楽人を多く輩出して中央に名を馳せた家で、朝廷においては儀礼、式典の諸々を一手に司る。
本家や分家問わず、それぞれ得意とする楽器を持っており、儀式の要である神楽の奏者や舞手は、東の家に連なる高級貴族達が花形を務めている。
同時に、東家は領地全体に音楽を推奨し、身分を問わず才あるものは宮中に召し上げることも約束しており、実力さえあれば当代限りでそれに相応しい身分を与えられる者もいる。
正式には東本家。他は東家系列の一族からなる分家である。
若宮の皇后選びの際には、東家二の姫のあせびが登殿した。実際はあせびではなく一の姫である双葉が登殿するはずであったのだが、、、
また、一応分家には、かつて東家から登殿した浮雲の生家らしい東清水家(ひがしきよみずけ)なる存在は作中で語られている。
政治においては名より実を取る性質。
南領のような経済力も、西領のような技術力も、北領のような軍事力もないため、文化的にいくら優れていても、ある意味最も弱いと侮られかねない。
朝廷でうまく立ち回らなければすぐに力関係が崩れてしまう立場にあって、それゆえに四家の中で最も政治上手らしい。
人の良さそうな態度に騙されそうになるが、この徹底した日和見主義が東家の恐ろしさたる常套手段で、のらりくらりと最後まで曖昧な態度を取り続け、最終的な決定権を自分が握れるよう仕向けている。故に、「東家は腹黒」や「食えぬ狸」と言われている。
東家当主はどんな取り引きにも応じず、いつも他三家の均衡が、東家の意見で決着するその最後の瞬間まで己の意見をはっきりさせない。味方にできても形成によってはあっさり裏切る。
よって東家は四家の頂点を取ることもないが、貧乏くじを引くことも決してしない。
奈月彦曰く、「味方に入れた方が厄介な部類」であり、東家を自陣に引き込むことは自殺行為とまで言える。