曖昧さ回避
- 漫画『あせびと空世界の冒険者』のヒロイン→あせび(あせびと空世界の冒険者)
「きっと素敵なことが待ってる気がするの」
「お可哀想に…」
cv:本泉莉奈
概要
あせびとは、【八咫烏シリーズ】の第一作目烏に単は似合わないの登場人物であり、主人公兼メインヒロイン。
あばたが出来た異母姉の双葉の代わりに登殿し、そこで東家が選出した若宮の妃候補となる。
登殿時には仮名がなく、『馬程度の下賤の者ならお前の色気に酔いしれることだろう』と侮辱の意味を込めて“馬酔木(あせび)”という名を大紫の御前がつけた。
母親はかつて東家代表として登殿した浮雲の君。優秀な楽人を輩出する家でも際立つ、琴の名手。
幼い頃にこっそりと別邸を抜け出したとき若宮を見て、一目惚れした。一目惚れの相手=若宮だと知ってからはあれほど気後れしていた入内を少しずつ望むようになる。
容姿
一族でも珍しく淡い、光を透かすような茶色の巻き髪(浜木綿曰く、香色)と明るい色をしたとびきり大きく、長い睫毛に縁取られた瞳を持ち、非常に愛くるしい顔立ちをしている。
作中でも何回か、「天女のように麗しい」「目が離せないほど可愛いらしい」「あまりの可憐さに感動すら覚える」「その微笑みは春の木漏れ日のように、見る者の心を遍く明るくさせる力を持っているよう」などと、登殿した他の姫に劣らない、初々しい愛らしさと美貌の持ち主。
尚、母親の浮雲はあせびとは違い、美しい黒髪が評判だったという。
人物
東家の二ノ姫。18歳。桜花宮に登殿したときは春殿を預かった。
箱入り娘で世間知らずのため、とてもおっとりとした性格。うこぎ曰く、「おっとりしすぎていて、はらはらして見ていられない。」
大勢の東家の下人らから登殿する前に見送りをされていた為、うこぎ以外の働き手にも老若男女問わず慕われている。
幼少期は病弱と言われ、東家本邸からは母親の浮雲や女房のうこぎらと共に別邸で隔離されて育った。
大貴族に相応しい教養はおろか世俗の常識にも欠け、後宮では物笑いの対象となる。
音楽の才に長けていて特に琴が上手い。
藤波に何か音楽を奏でてほしいと言われたときには、「長琴」という弾くのが難しい楽器を気負いせず弾きこなしていた。
内親王の藤波とは、母親の浮雲が教育係だったためよく一緒に遊ぶ仲であり、藤波もあせびのことを「おねえさま」と呼び慕っている。
また、夏殿に仕えている宗家の女房の早桃とは仲がよく、早桃もあせびを信頼し、よく春殿を出入りしていた。
早桃が事故で亡くなってしまったと聞かされたときは動揺する藤波を宥めながら、自身も涙を流して悲しんでいた。
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※ネタバレ注意
「だから、こんなことになったのか」
「だからあなたは––早桃達を、見殺しに出来たのか!」
「烏に単は似合わない」で起きた全ての事件の元凶である。
「悪意が無ければ全てが許される」と知っており、自分の幸せのために働いてくれる者の人生を最終的に破滅させている。
漫画版では、彼女が「お可哀想に… 」と涙を零し憐れむその下には、無数の屍が積み重なっている。
作中にて、仲良しだった早桃と、自分に好意を持っていた嘉助を死に追いやった張本人。
早桃はあせびの本質に勘づいたため藤波に相談して追い出してもらったのだが、藤波は誤って彼女を殺してしまった。
嘉助に至っては自ら呼び出したのだが、女の園である桜花宮に侵入した罪で斬首となった。
当然、下男を招くのがご法度である事くらい分かっていた筈なのだが……
さらに、今回のあせびの登殿自体、腹違いの姉の腫れ物が元々の理由なのだが、実際は……
あせびが自分に恋していた嘉助を誘い、自分だと思い込ませて、姉を傷物にしたというもの。
同じ手法で今度は真赭の薄も襲わせようとしただが、未遂に終わる。動機は不明だが、序盤で侮辱されたり、若宮と幼馴染であることなど、理由はいくらでもあるのだろう。
おまけに、中立の立場にいる藤波が自分に協力的であったことを利用し尽くて、若宮からの手紙を独り占めにしていた模様。間接的に白珠の心を壊した上に、宮中の雰囲気も最悪になった。
利用されたことが一目瞭然な藤波はそれでも彼女を庇おうとしたが、当本人のあせびは全ては藤波のためだった、と泣きながら全責任を押し付けた。
そして藤波と若宮の実父である今上陛下は、過去の登殿であせびの母親を寵愛しており、母親そっくりなあせびに浮雲の影を見出して密通していたことが暴かれる。
その全てを若宮に指摘され、周りが慄然とするのも気にせず、彼女は若宮に自分の想いを告白。
八咫烏の長として万民に平等に接する若宮に「美しいとは思うが、あなたのことが嫌い」とまで言わしめたのはシリーズ通して彼女のみである。
あせびは彼の言葉に、心底不思議そうな顔をしていた。
嘉助や藤波、今上陛下など、彼女の純粋な愛らしさに酔いしれる者は自分自身に対して劣等感や心に隙がある者が多い。
どんなに尽くしても、最後には必ず破滅する。
登殿した際の仮名通り、『馬程度の下賤の者ならお前の色気に酔いしれる』がそっくり現実となっているのであった。
元々あせびは東家当主の計らいで女房のうこぎ達と共に別邸に軟禁されていた。うこぎなどから相当大切に扱われていたが、最低限の常識も、道徳的な論理(性や烏の性情など)も欠けている。(あせびの心が汚れるようなことは教えたくなかったのだろうか?)浜木綿はうこぎに対し「教えたくないのは分かるが、それにしたって」と疑問を口にしていた。
山内の世界の常識、
「馬(身分が低い山烏の蔑称)」も「八咫烏(あせびら宮烏)」も同じひとつの一族であり、自分が馬と同じように烏になれることさえ知らない有様。
あせび本人は自分が烏になれると知り、恐怖を感じていた。
それは自分を慕ってくれた山烏の人々を別の生き物と思い込んでいたも同じである。
尚、あせびは東家当主の子ではない。それを踏まえて序盤での親子の会話を見ると・・・?
実の父は東家の下男で、あせびの母である浮雲とはお互いに得意の楽器を通して心を通わせ関係を持つものの、ある日突然自害した。
その後、浮雲は弟の最期を悟った彼の兄に刺殺された。
ちなみに浮雲に夢中だった弟の倫は、浮雲のことを「天女だ」と畏れて口にし、蔑んでいた兄の伶は「天女というより、物の怪の類」と評している。
※更なるネタバレ注意!
「この方は、陛下により格別のご寵愛を賜っておられる女君––」
「あせびの御方にございます」
「烏に単は似合わない」以降、一切音沙汰のなかったあせび。
なんと第二部にあたる「追憶の烏」にて、息子の凪彦を連れて再び登場。
その息子は若宮の父、つまり今上陛下との間に生まれた子であった。詳細は不明だが、東家と南家が裏で手を組んだことは確かであろう。
若宮の娘である紫苑の宮や浜木綿、長束を差し置いて、東家や南家含む若宮側に楯突く者達が親王宣下をしたのである。
あせび本人は「今上陛下の御心を慰めんとしただけ」「若宮さまに降りかかった災難に、我が身の引き裂かれるような心地」「こんなことになるなんて、夢にも思っておりませんでした…」と頬を紅潮させはらはらと涙をこぼしていた。
その姿は子がいると思えないほど輝くように美しく、雪哉の知る、若宮の登殿を引っ掻き回したあの頃から、容姿は奇跡のように変わっていなかった。
そして騒動の末、大紫の御前と成り、全く政治には干渉しない。
かつての登殿のとき同様、何を考えているのか、あるいは何も考えていないのだろう。
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類似キャラクター
オーロラ(Fate)…一時期Twitterで(性格や行動)が似ていると話題になった。