概要
早桃とは、【八咫烏シリーズ】の第一作目、烏に単は似合わないの登場人物。
あせびと年頃の近い、実直そうな見た目の少女。健康そうな肌にうっすらとそばかすが浮いている。
宗家の藤波の宮の女房の1人で、登殿の儀以降は南家の浜木綿の女房に加わるが、浜木綿があまり入内に積極的ではないため仕事も少ない上に、夏殿の雰囲気も悪く居心地が悪いらしい。
偶然あせびと知り合ったことで、彼女の若宮への恋心を知り、政治の道具ではなく純粋な恋として成就する入内があってほしいと考え、あせびを応援するようになる。
若宮の様子などを聞いて伝えたり、東家への連絡をやり取りして協力している。
また、弟がいるらしく、単時点でもうすぐ山内衆に入るらしい。
しかし真赭の薄率いる秋殿に侵入し、蘇芳の着物を盗もうとするという騒ぎを起こす。
七夕で南家に大恥をかかされ機嫌を悪くしていた真赭の薄の逆鱗に触れ、浜木綿付きの苧麻から切り捨てられるが、浜木綿がその場を諫めることで追放は免れる。
その際終始怯えていたが、この一件以降早桃は行方知れずとなり……
その後、亡くなった状態で発見され、後に別に侵入した男との繋がりが明らかとなり、桜花宮への窃盗で男と摩擦が生じ殺害されたと伝えられる。
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ネタバレ注意
桜花宮に侵入した男は、あせびと親しかった下男の嘉助。
あせびと文通しており、侵入しようとした夜もあせびに会いに来ていた。
もちろん、桜花宮は男子禁制なので、捕まったら斬首である。
あせびは東家への連絡を含め、亡くなった母親について知るため、嘉助を呼び寄せた。
その際に手引きする役をしたのが、早桃である。会って話をするだけならと承諾し、文字の読めない嘉助に代わってあせびからの連絡を代読していた。
そこで、あせびが「赤い着物を飾っている屋敷が目印」と指定してあったことで、早桃は、あせびが嘉助を秋殿に入れようとしているのだと勘づいてしまった。
早桃はあせびの真意を知り、秋殿にふらふら入り込んだところを見つかってしまったのである。
そうして、浜木綿に下男を引き入れたと密告することを恐れたあせびは、助けを求める。
実は、下男が私に会いに来るかもしれないの
早桃が、彼と会わせてくれると言ったのよ でも…
これは私が彼を引き入れたことになってしまうのかしら?
早桃が、これを浜木綿さまに言ったら……私はどうなってしまうのでしょう
どうしましょう
藤波さま……
藤波は、早桃を追い出そうとするが、誤って谷底に突き落としてしまい、早桃は死に至ったのだった。