「お仕事ご苦労さま♡」
「フフフッ、今日も楽勝だったわ」
演-大竹一重
概要
『テツワン探偵ロボタック』に登場する、世間を騒がせる謎の女怪盗。その身には5000万円もの懸賞金がかけられている。
名前だけは第1話の時点で劇中の新聞の記事と唐松刑事の口から出ており、「昨日また怪盗チェリーを取り逃がした」という発言を踏まえると、物語開始以前から活動していたと思われる。
本格的な登場は第5話『怪盗チェリー現る!!』からで、それ以降警察相手に加え、ロボタック達とも何度も対決していく事になる。
ちなみに、『ロボタック』の登場人物の例に漏れず、彼女の存在がなぞなぞコンパスや試練の書の謎解きに必要なファクターになる時もあった。
チェリーが登場する回のオープニングのクレジットには、視聴者にも正体を隠すためか『怪盗チェリー』とだけ表記されており、劇中で正体が判明した後はその人物に連名された。
特徴
容姿は目元を覆うピンク色のリボン付きの仮面と、元の髪型を隠す長髪のかつら、黒のロンググローブとマント、赤色で背抜きのベスト、ボディコンシャスしたパンツルックに、サクランボの意匠が付いたブーツが特徴の美しい女性。
第10話における唐松刑事の回想では、変装時の白いドレス姿も披露した。
主に美術品や宝石を狙い、盗みの仕事の前にはターゲットの宅や警察宛てに予告状を送りつけ、予告した時間通りに盗む由緒正しき怪盗でもある。
また、第11話で杉薫が読んでいる新聞の記事によれば、怪盗チェリーのファンを公言する者もいる模様。
大勢の警官隊を格闘でなぎ倒すだけでなく、Sモードのワンダータイプロボットとも互角に渡り合うほどの抜群の身体能力を誇る。
盗んだ後には「Cherry♡」の銘とキスマークが刻印されたカードを現場に残し、逃走時にはこれを手裏剣のように投げつけ、相手の得物を無力化したり攪乱するのを得意としている。
また、鞭を巧みに操り、獲物の奪取や攻撃手段などに幅広く用いる。第38話では、カメロックの武器カメラズーカをも奪い利用した。
他にもキスマーク入りの発煙弾や、逃走用のハングライダーにバイクも所持している。
このように専ら実力行使で盗みを働くチェリーだが、一方で頭脳派でもあり、唐松刑事やミミーナのようなロボタック達に近しい人物に変装して警備をすり抜けた事もある。第38話では熟していないワンダシードを奪い、後に追い詰められた際にはそれをスピーダムとマイトバーンに食べさせマイティーワンダーに強制合体、暴走させてその隙に逃げおおせた。
さらに、女怪盗らしく色仕掛けについても心得ているのか、第5話におけるなぞなぞコンパスの謎解き「三つの美しいサクラにきけ」の意味について問われた際、
「確かに、私も美しいサクラだけれど…」
と全く謙遜しないほど自分の美貌には自信があるらしく、同話冒頭で警察に協力する杉にあわや捕まえられそうになった時は、
「なかなかイイ男ね♡」
という褒め言葉と共に、彼の頬にキスをして怪盗チェリーの虜にした。
正体
第38話エピローグで桜子が怪盗チェリーであることが判明し、第44話でロボタックたちも知ることになる。
桜子が怪盗になった理由は、父・裕一郎への復讐と、立ち退きを要求されている孤児院を救うためであり、第44話において、これまで盗んだ物品をオークションに出して得た5億円と黒のランドツールと引き換えの5億円の計10億円で孤児院を救った。
20年前の冬の日に母・高峯フジコを過労と病気で亡くしており、孤児院を兼ねた教会で育てられた。
父・裕一郎とハラッパ国が母の死の要因を作ったと考え、復讐のために暗躍。
第38話でゴールドプラチナ社から黒のランドツールを盗み、それを取引材料として、第44話で裕一郎と5億円を要求。
復讐のためにランドツールは渡さないつもりだったが、裕一郎の愛を知ったことで改心する。
それにより自ら自首する形で唐松チハルに手錠をかけてもらうとしたが、真相を知り、自首した際は「我々は怪盗チェリーを追ってるんだ、高峯桜子に用はない」
「怪盗チェリーは死んだ」と言って見逃してくれた。
シーホール消滅後はゴールドプラチナ社を退職し、罪を償うためか教会のシスターとなる。
余談
第38話で怪盗チェリーの正体が発覚する前に声色を変えていなかったこともあり知っている視聴者や予測している視聴者も多かったかもしれない。
第10話で杉薫が怪盗チェリーの証拠品である靴にぴったりな人を探している中で高峯桜子として現れてわざとのように証拠品を破壊したが、今思うと自身が怪盗チェリーであることを隠すためだったかもしれない。
第11話では泥棒ロボが化けた偽者が登場。
第42話では、唐松の遊びに付き合わされた杉が変装させられた。
非常にアクションシーンが多いが、これは演じている大竹女氏がアクションシーンが得意としているからである。また、15話では高峯桜子の状態でもその強さを遺憾なく発揮し、依頼が全くこないことで怒りが心頭し、カバドスを蹴り飛ばし、ダークローを一本背負いで投げ飛ばしたりしたことがあった。
劇中のレギュラーキャラクターとしては悪役に相当するためか、2017年にホビージャパンから出版された『奇怪千蛮 メタルヒーロー怪人デザイン大鑑』には、怪人ではないが怪盗チェリーの設定画も収録されている。