ゲーム概要
主人公・リックを操作し、さらわれた恋人ジェニファーを救出するため、館に巣喰う化け物を倒してゆく横スクロールアクションゲームである。
当時のスプラッター映画のブームに乗っ取り、鉈で首をはねたり、背景に惨殺死体が転がっているなど残虐な表現が特徴になっている。
また、主人公リックの外見も映画『13日の金曜日』のジェイソン・ボーヒーズに似ている。
おそらくゲーム分野では初めて本格的なゾンビや残酷な表現を用いた作品(いわゆるグロゲー)だろう。
表現だけでなく、衝撃的なストーリー展開も注目された。いまなお語り継がれ、みんなのトラウマの一つにもなっている。
ストーリー
超心理学の権威ウエスト博士は怪物を誕生させる恐ろしい研究に没頭し、ついには自分の命も落としてしまう。怪物の徘徊するかつての博士の研究所であったウエスト館はいつしか「スプラッターハウス」と呼ばれるようになった。
大学で超心理学を学ぶ学生「リック・テイラー」と恋人の「ジェニファー・ウィルス」はウエスト館に興味を持ち、館のそばまでやってきた。しかし、突然の雷雨に見舞われ、雨宿りしようと館に足を踏み入れてしまう。
たちまち中の怪物達によってジェニファーは連れ去られ、リックは怪物を相手になす術もなくなく打ちのめされてしまう。
意識を取り戻したリックの顔には古びた仮面が張り付いていた。身に着けたものに力を与える「ヘルマスク」というその仮面はリックに強大な力を与え、超人的な力を得たリックはジェニファーを助けに館の奥へと歩み始めたのだった…
登場キャラクター
リック・テイラー
主人公。超心理学を学んでいる大学生。ヘルマスクの力で死の淵より蘇り、超人的な身体能力を得てジェニファーを救うべく怪物と戦う。
ジェニファー・ウィルス
リックの恋人。館で怪物達にさらわれてしまう。後にリックと再開するも…
ヘルマスク
遥か古より覇者と共にあった、精霊の力が宿る自我を持った仮面。身に着けたものに強大な力を授ける能力を持つ。ヘルマスク自身にも何かの目的があるらしく、その為にリックを利用している。
シリーズ毎にデザインが変わるが、本作ではホッケーマスクのような形をしている。
(海外版では流石にそのままではマズいと判断したのか、ドクロのマスクに変更されている)
なお、身に着けると何故かスキンヘッドになる。
実は『わんぱくグラフィティ』にも出演している。
ロジャー・ウエスト博士
数々のおぞましい研究によって自身の研究所ウエスト館をスプラッターハウスと化し、
その過程で自らも命を落としたかつての超心理学の権威。
説明書では特に言及されていないが、「スプラッターハウスPart2」では
彼の成れの果てと思しきゾンビが登場。フラスコ等の室内品を投げつけながら画面端へと逃げていくが、部屋の隅まで追い詰めると時折挑発するだけで何もしてこなくなる。
シリーズ一覧
スプラッターハウスわんぱくグラフィティ(ファミリーコンピュータ、1989年)
ファミコンへ移植するにあたり、残虐な表現を除き、全体的にコミカルになった外伝的作品。しかし、ある条件を満たすと判明する絶望の後日談から、シリーズのエピソード0として扱うファンは多い。
スプラッターハウスPart2(メガドライブ、1990年)
今作から3か月後の物語。ある目的のためにヘルマスクと共に「隠された館」へと赴く。この目的は、ホラー映画のテンプレではある。しかし、そこはスプラッターハウス。先駆者たちもビックリの超絶ハードなやり方で成し遂げようとしている。
スプラッターハウスPart3(メガドライブ、1993年)
シリーズ完結編。『Part2』から5年後が舞台となっている。
横スクロールアクションからベルトスクロールアクションゲームに変更された。時間制限があり、それによってリックの家族の生死が決まる。
SPLATTERHOUSE(プレイステーション3,Xbox360、2010年)
北米、ヨーロッパでのみ発売された今作のフルポリゴンのリメイク作品。
後方視点の3Dアクションとなった。条件を満たす事で、1~3までの3部作を遊ぶ事も可能。
海外の会社が製作していたところ、一向に完成しないため日本のメーカーに交代して作り上げた、という逸話がある。
別段、単品としては十分な出来ではあるし、シリーズのファンならニヤリとできる箇所も結構多いのだが、
・シリーズらしくないBGM
・オリジナルとはなんか違う雰囲気
・細かいところで目につく手抜きや、時折起きる残虐描写の曖昧化
などが評価に響き、それが売り上げに影響してしまった感は否めない。
※参考:Wikipedia