概要
前部にボンネットを備えた、全高の大きなキャビンを持つ、2BOXおよび1.5BOXのセミボンネットスタイルの軽乗用車である。
キャビンの高さを通常より高くすることにより、室内での乗員の姿勢を立ち気味(アップライトポジション)にすることで前後方向の占有面積を減らし、結果として十分な居住性と、荷室容積を実現する。そのほか、座面高が中庸で乗降性に優れる、運転中の視界が良いなどの副次的な効果もある。
エンジン配置はボンネット内の横置き配置が基本で、駆動方式はFFもしくは4WDである。ドアの種類・配置は、側面にヒンジドアを前席用と後席用の左右2枚ずつ、後部にはバックドア1枚を備えた5ドア車が一般的で、スライドドアが採用されている車種は意外に少ない(2代目ダイハツ・タント、スズキ・パレット、ホンダ・N BOXのみ。なお、三菱・ek及び日産・オッティの一部にもスライドドアが装備されているが、車高がさほど高くないため軽トールワゴンには含まれない)。
ミニバンから細分化されたトールワゴンの軽自動車版ともいえ、現在の軽乗用車の販売台数ベースでは、主流となっているパッケージングである。特に、車体寸法に制限のある「軽自動車規格」では、利便性と操縦安定性を両立させるために都合の良い手法である。
尚、2010年6月現在JNCAP公式サイトでクラッシュテスト結果が公表されている軽自動車25車種のうち、側面衝突時に車両が横転してしまうものが半数に迫る11車種もみられ、うち8車種は軽トールワゴンだった。同様の傾向はミニバンにも見られるが、側面衝突後の横転は緊急脱出時に甚大な影響を及ぼすおそれがあるため、購入を検討する際は注意が必要である。