機体説明
一年戦争終結後、ジム・キャノンやRX-77D量産型ガンキャノンのデータを元に支援用MSの集大成として開発された機体。
生産ラインの大部分はジム・カスタムとの共用化が図られており、動力炉及び基本フレームはほぼ同一の構造となっている。
ガンキャノンなどと同様、両肩に2門のキャノン砲を装備しているが、より高出力なジム・カスタムのジェネレーターを流用している為、それまでの実体弾砲ではなくビーム・キャノンが採用されている。重力下での精密射撃は腰のスタビライズド・ギアが展開し機体を安定させる。
外装にはガンダムNT-1のフルアーマー・システムのコンセプトが受け継がれており、チョバム・アーマーに類似した重厚な複合装甲を身に纏う。ただし強制排除はできない。武装はジム・カスタムと共通のジム・ライフル、シールドを装備。更に本機は支援機ながら近接戦闘も想定されており、左前腕部にショート化されたビーム・サーベル1基を格納している。
支援砲撃機の中では優秀であった為か、その後のグリプス戦役の際にもティターンズやエゥーゴの双方によって使用された。
バリエーション
ルシアン・ベント専用機
反ティターンズ組織「ケラウノス」所属の機体で、頭部センサーが換装されている他、物資や人員の不足から中距離支援以外にも近距離戦闘にも対応する必要性があるため左腕にダブル・ヒート・ホークがマウントされている。
ダブル・ヒート・ホークは敵の斬撃を受け止める「篭手」としても機能するが、基部の強度の問題から使用回数に限りがある。
また、携行武装としてジム・ライフルをベースに改造を施したロングライフルを装備。
この外、コックピットブロックの全天周モニター・リニアシート化など、近代化改修が施されている。
また一時期は進行方向や移動速度の誤認効果を期待して白・青・黒を基調としたダズル迷彩が施されていたが、後に廃止された。
ジム・キャノンII[ホワイトコーラル]
上記のルシアン・ベント専用機の改修型。
カラバから供与されたパーツを用いて近代化改修された機体。
右肩のビーム・キャノンが開放・伸縮式バレルを採用した新型のメガ粒子砲に、左肩のビーム・キャノンが観測機器に変更されている。これはガンキャノンⅡに近い構成と言えるが、関連性は不明。
ビーム・キャノンが二門から一門に減った為、制圧能力は低下しているが、収束率が向上した分破壊力は増している。
また、肩アーマーに起立式のアンテナを装備され、指揮官機としての能力を付与すべく頭部センサー・アンテナも変更されている。
以上の改修によって上半身の重量が増加した為、脚部の追加装甲を外してバランスを維持しているが、極端に重心が偏る為、乗り手を選ぶ機体として完成した。
また、脚部装甲やバーニア等はガンダリウム合金製の物に変更されている。
ただし、これらの改修を施しても可変モビルアーマー、可変モビルスーツなどに対しての相対的な性能低下は否めない。
なお、改修前から使い続けられているダブル・ヒート・ホークはそのまま残され、続けて運用された。