広島県広島市にある原爆遺構。正式には「広島平和記念碑」と称される。
1915年に「広島県物産陳列館」として建築。1945年8月6日、米軍による広島への原爆投下に際し爆心地至近(約150m西方)にあったため元の建物の中央ドーム部分を残して破壊された。
1995年に国の史跡に指定。翌1996年12月、ユネスコにより世界遺産(文化遺産)として登録された。この際、アメリカ合衆国と中華人民共和国はそれぞれの政治的理由により登録に反対あるいは審議棄権をしている。
登録に際し採択された世界遺産の登録基準は項目6「顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの」のみである。ユネスコの世界遺産委員会は、この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと考えており、それ故にこの項目のみで登録された原爆ドームは国内の世界遺産としては特異な存在である。
ただし、この世界遺産登録基準6のみで登録された世界(文化)遺産は世界中にはいくつか存在する。そしてその殆ど全てが通称「負の世界遺産」と呼ばれ、戦争や人権被害など、世界史上における人類の負の側面を如実に現した遺産である。
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厳島神社:同時に登録された広島県にあるもう一つの世界遺産。