人類種の天敵
くびわつき
アーマード・コア フォーアンサーの主人公こと「首輪付き」の将来の一つ。
「よぅ、首輪付き」
この一言が始まりだった。オールドキングという一人のリンクスは「クローズ・プラン」の本来の意味を理解せず、ただ「革命」を起こすためにある一つの提案をする。
「クレイドル03を襲撃する。付き合わないか」
クレイドルを襲う。それは何億ものの人間を、罪なき籠の鳥を籠ごと殺すに等しい事だった。首輪付きはそれがどういう意味かを知っていて、その話に乗った。そして殺した。何人も、何千万人も、何億人も。
結果、彼は本当の意味で世界を敵に回した。
企業は自分を騙し、確実に息の根を止める用意を徹底した。
自分を呼び込んだ革命家も自分を殺そうと血眼になった。
常に自分の傍にいたオペレーターでさえ自分を見捨てた。
隣にいるのは自分を虐殺者に仕立て上げた相棒と、自分を乗せるネクストだけだった。
相棒は死んだ。自分を残して。
やってきた敵はみんな殺した。殺さないと自分が殺されるから。
彼女も殺した。殺すしかなかった。
そして彼は独りになった。この孤独感は一度味わったことがあった。ラインアーク上での、凄惨な結末に似ていた。
だけど、戦いが終わっても誰も声をかけてくれない。誰も慰めてはくれない。
本当に独りだった。
帰るべき場所も失った。
何をすべきかもわからなかった。
だから考えた。これから何をするべきか。
考えた。ずっと考えた。
考えた。ひたすら考えた。
そして、辿り着いた。
「革命」を、続けないと―
この後、たった一人のリンクスにより、クレイドルは深刻な出血を強いられた。
人類種の天敵とすら呼ばれた彼は、史上最も多くの人命を奪った個人でもある