対戦車誘導弾
たいせんしゃゆうどうだん
兵器の種類、おもに戦車や地上目標を攻撃する。
概要
対戦車誘導弾とは、いわゆる対戦車ミサイル(anti-tank missile、ATM)である。
歩兵が携行するほか、車両や航空機、ヘリコプターに搭載される。
主に戦車や装甲車両、陣地などの地表の目標の撃破に用いられる。
弾頭には成形炸薬(HEAT)が用いられ、戦車砲などに比べ低速であるが貫通力を持っている。
誘導方法としては操作用ワイヤーを曳きながら飛ぶ有線誘導型と目標にレーザーを照準することで誘導を行うレーザー誘導型、誘導弾自体が目標を捉える撃ちっぱなし型がある。
有線誘導型は妨害に強いが弾着まで操作する必要がある為、移動が出来ず反撃されるおそれがある。
レーザー誘導型も同様に着弾まで照射し続ける必要があるが、レーザーをうまく反射しない目標や天候等により影響を受けて誘導が行えない事もある。
一方、撃ちっぱなし型は撃った後すぐに離脱できるが、妨害されることがある。
対戦車誘導弾は自衛隊の呼称でありMATの略称を与えられている。
ATMの呼称を使用しない理由はアトムという読みから核兵器であると誤解されるのを防ぐため。
運用法
我が国で運用されている主な対戦車誘導弾
BGM-71 TOW(トゥ)
有線誘導型。射程約3.8km。わが国ではAH-1S対戦車ヘリコプターが運用している。
AGM-65 マーベリック
撃ちっぱなし方式。射程約25km。対戦車だけでなく対地、対艦など多目的に使用可能。わが国ではP-1
01式軽対戦車誘導弾
撃ちっぱなし方式。隊員が携行する肩撃ち式で通称「軽MAT」
87式対戦車誘導弾
レーザー誘導方式。三脚発射、肩撃ち可能。通称「中MAT」
79式対舟艇対戦車誘導弾
有線誘導型。対戦車中隊で運用され、89式装甲戦闘車にも搭載される。通称「重MAT」