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M16

えむじゅうろく

アメリカのアーマライト社が開発したアサルトライフル。世界4大アサルトライフルの1つとして数えられる。弾薬を選んだりメンテナンスの手間があるが命中精度が高く軽量で全体的に扱いやすい構造であり、反動も極めて小さいと言われる。登場した当初全体的に黒い色であったため「ブラックライフル」と呼ばれた。
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概要

米軍制式採用の自動小銃。
ベトナム戦争の時期に採用・実戦投入され、バージョンアップされつつ現在まで制式ライフルの座を守っている。
AK47と並んで、世界で最も有名なアサルトライフルである。
「M16」は米軍制式ライフルとしての形式番号であり、アーマライト社及びコルト社の商品名としては「AR-15」。

本体の主要部品に軽量なアルミ合金を採用しており、プラスチックも多用され、ライフルと言えば鉄と木で出来ているという開発当時の常識を破る画期的な製品であり、後世の歩兵ライフルに多大な影響を与えた。
連射時に反動を受け止めやすいピストルグリップ付きの直銃床(銃身からバットプレートまでが直線状に並ぶデザイン)形式である

ジョンソンM1944軽機関銃を参考に、本体後方にバッファーチューブ(レシーバーエクステンション)がありその中にリコイルスプリングが入っている構造となっており、反動軽減に役立っている。しかし、これによりストックの短縮可能距離に制限がかかり、横方向への折り畳みが出来ない(民間市場では機構をそのままに折りたたみ可能とするカスタムパーツが登場しているが、折りたたんだ際には射撃不可能となる。ショートチューブに交換した場合は専用のボルトキャリア等を必要とする場合もあり、互換性の問題が生じてしまう。.22LR仕様であればバッファーチューブ不要のため、折りたたみストック化も容易)。
リコイルスプリングをバレル上部へ移したLR-300という銃も出ているが、大幅に構造が変えられている。
尚この問題はバッファーチューブの問題であり、M16タイプのダイレクト・インピンジメント方式の問題では無い。
証拠にDRD Paratus-18はM16の作動方式を採用しているがストックの折りたたみは可能である。

開発の経緯

航空機メーカーであるフェアチャイルド・エアクラフト社のアーマライト部門の技術者であるユージン・ストーナーにより開発された。

M1ガーランドの後継となる銃のトライアルに、M16の原型となったAR-10も参加したが、スプリングフィールド造兵廠のT-44が勝ち残り、1957年にM14として制式採用された。
しかしトライアルを見学していた米本土総軍司令官ウィラード・ゴードン・ワイマン大将は、アーマライトにSCHV(Small Caliber/High Velocity) 弾薬共通化へ向けてのライフル試作に参加を要請する。
試作にはウィンチェスターがM1カービン、スプリングフィールド造兵廠がM14ライフルをそれぞれ.223レミントン弾仕様にしたもの、アーマライトはAR-10を縮小したAR-15で参加し、AR-15の評価が高かった。
しかし、まだM14を制式採用したばかりだったこともあり、計画は白紙に戻された。その後、AR-15の製造権は75,000$でコルト社に売却された。

アメリカ軍はベトナム戦争でM14の取り回しの悪さに苦しめられ、AK-47などを装備する北ベトナム軍やベトコンに対し不利な戦いを強いられた。
1961年、アメリカ空軍がM2カービンに代わる小銃としてAR-15を「M16」として制式採用。1963年、アメリカ陸軍がAR-15を「XM16E1」として実験的に配備し、.223レミントン弾が制式化されM193弾となった。1967年にはM16A1として陸軍に制式採用された。
M16の製造はコルト社が担当し、委託によりゼネラルモーター社やH&R社が製造したこともあった。コルト社の経営危機により、現在は製造権がアメリカ政府に移り、主にFNH USAで製造されている。

保守的な兵士には、未だにM14などの.30口径小銃の方が優れていると主張する者が多い。これはアメリカ特有のもので、19世紀末のモロ族との紛争の経緯で今でも.45ACP拳銃が神聖視されているのと似ている。

基本データ

全長985mm(M16A1)/999mm(M16A2)
銃身長508mm
重量3,350g
口径5.56mm
使用弾薬.223 Remington弾(~M16A1)/5.56mmNATO弾(M16A2~)
装弾数20/30発


M16のアメリカ軍用モデル

M16

1962年8月に南ベトナムに軍事援助として送った965挺のAR-15がジャングルの遭遇戦で戦果を上げ、その報告書が当時国防長官であったロバート・マクナマラを動かし、アメリカ空軍と南ベトナム軍に配備された。
最初期モデルで、先端に三つ又のフラッシュハイダーが装備されている。弾倉の装弾数は20発。ハンドガードは三角断面で、ボルト閉鎖不良時はその都度分解しなければならないなど問題が多かった。
前線の特殊部隊に試験的に配備してみた所、報告書では「M14に比べて様々な点で勝っており、戦闘において高いアドバンテージを持つライフル」と評価が高かった。

XM16E1

1963年11月、ボルトフォワードアシストと呼ばれる部品を追加したモデルを、アメリカ陸軍がXM16E1として試験採用し約85,000丁を発注。1944年にはベトナム戦争に投入された。
陸軍の要求によりボルト強制閉鎖機構(ボルトフォワードアシスト)を追加、フラッシュハイダーは三つ又から鳥かご型に交換された。
ボルトフォアードアシストの追加は「ボルトが正常に閉鎖しないときは銃か弾薬にトラブルを抱えており、無理して使用することは危険である」と考えるストーナーにとっては不本意なものであった。強制閉鎖機構を付けるなら後付ノブではなく、銃の設計を大幅に変えてボルトキャリアに直接ハンドルをつけて操作できるようにしたかったとの事。

初期納入分にはトラブルが頻発した、現場ではXM16E1不使用運動が起きたり、代替としてアメリカ製のHK33が支給されたり、敵から奪ったAK47が重宝されるなど一時期XM16E1の信頼は地に落ちる。
前進不良、装填不良、不発などの作動不良が頻発し、また銃身が細いため損傷しやすく(このため着剣が禁じられた)、白兵戦の際に敵を殴ると強化プラスチック製のストックが破損したりと、耐久性にも問題があった。本国でM14を使い訓練していた兵士が、戦場に行くと見たこともない銃を使わされた事が大きな原因であると言えよう。ろくに整備もせずに運用され、クリーニングキットやマニュアルも支給されていなかった。
兵士達の間に(その未来的な外見故に)「整備のいらない銃である」、(コストダウンと錆を嫌いアルミ製に変更した為に)「マガジンを地面に落とすとはまらなくなる」というデマが流れた他、弾薬も仕様と異なる火薬を使って製造されていたなど、運用面以外での問題が大きすぎた。(ちなみに落とした程度でマガジンがはまらなくなることはまずないが、給弾に関わるリップ部分が歪んでしまうと給弾不良を引き起こしてしまう。M16に限らずアルミ製マガジンでは起きやすいトラブルではある)

これを受けてメーカーの提示した弾薬の配備、兵士達にクリーニングの徹底を通達、イラストを多用した見易いマニュアルの配備、教習用の大型カッティングモデルを準備し構造の理解を深める学習などが行われた。

M16A1

1967年、XM16E1で露呈した欠点を改良したM16A1が制式採用された。
動作不良は過去の物となり兵士達からの信頼を取り戻した。ストック内にクリーニングキットを収納し、マガジンキャッチ周辺に誤作動防止用のリブを追加。歩兵用操作マニュアルの導入が行われた。
しかし、海兵隊など一部の兵士からの不信は拭い切れず、ベトナム戦争中にはM14を完全に置き換えるには至らなかった。
採用とほぼ同じ時期、AKの30連発弾倉に対抗してM16対応の30連発弾倉が新たに導入された。
海軍で退役後、倉庫で眠っていたM16A1のロアフレームはSPR Mk12の製造に使用された。

M16A2/M16A3

老朽化しつつあったM16A1を置き換えるべく開発されたモデル。
ハンドガードをリブ付きの丸型に変更、ストックを延長、使用弾薬をM193弾から5.56×45mmNATO弾に変更、ケースディフレクターの追加、アイアンサイトやグリップの形状を変更など、各部のさらなる強化を施した。
また、戦訓を元にA2ではフルオートを廃止して3点バースト機構が導入された。しかし、この3点バースト機構には信頼性が低く、後にフルオートモデルであるM16A3が開発された。
スチール製マガジンへの変更も検討されたが、軽量化に反するとして結局はお蔵入り。

M16A4

A2/A3のキャリングハンドルを着脱可能にしピカティニーレールを増設したもの。
左側にもセレクター刻印がされるようになった。

M4カービン/M4A1カービン

M16をベースに製作された短縮モデル。
米軍に制式採用されたカービンライフルとしてはM2カービン以来54年ぶりの新規採用である。詳しくは「M4カービン」を参照。

M16による狙撃

射撃精度こそ高いものの、風に煽られやすい小口径軽量弾を用いるM16は長距離狙撃には向かないが、漫画界屈指の暗殺者・ゴルゴ13ことデューク東郷はM16を常用している(ちなみに5.56mmNTAO弾は距離600m程度までならば7.62mmNATO弾と比較しても風の影響による偏差は殆ど変わらない)。
これは彼が「ひとりの軍隊」、すなわち狙撃以外の多種多様な状況に対応する必要があるためであり、そのためのライフルがM16であった、ということであろう。
あくまでも前後の状況を完全に確保し切れない場合、不測の事態に備えての使用であり、安全が確保された状況や、M16では破壊不可能な対象への狙撃、M16の持ち込みが不可能な場合などでは、特にこだわる事無く別の銃を使っている。
目標まで1km以上ある狙撃にボルトアクション・ライフルを使用、また対象物が重装甲で対戦車ライフルを使用、といったエピソードもある。
宇宙空間で完全に無反動で射撃するために制作した特殊なライフルは、M16をベースに改造したものであった。

現実のスポーツシューティングやタクティカルシューティングでもM16(AR-15)系統のカスタム銃が使用されることは多く、M1911や自動装填式ショットガンと共々、愛用するシューターは多い。

ちなみに、世界一腕の立つ殺し屋もM16タイプの銃を用いている。カスタマイズした銃ではなく素のままのM4を使用しているが、その理由は不明である。
そもそも独特のライフル保持の方法(ストックは肩に担ぎ、左手はそえるだけ)をとる彼のことであり、その選択基準は常人には理解しがたいものがある。

M16A4にスコープをつけ、簡易狙撃銃として使用している、2010年頃のアメリカ海兵隊兵士の写真もある。
これはあくまでMk12RECCEといった軽量狙撃銃(Seal Recon Rifle)が配備されるまでの繋ぎであり、一般的にアメリカ軍ではマークスマンライフルとしてはM14系のセミオートマチックライフル、狙撃兵の武装としてはM700系等のボルトアクションライフル等が使われる。または、M16の7.62mmNATO弾仕様であるナイツSR-25を次期狙撃銃M110として採用し、運用している。
MK12やRECCEにおいてはガスブロックへと発射ガスを導く銃身の穴の位置にも気を使って製造されており、製造上の都合からライフリングの位置が個体差が出るため、銃身によりガスブロックの位置が微妙に異なっている。

イラク戦争等において、都市部では大口径弾を必要とする長射程の狙撃は少なく、小口径弾ゆえの威力不足とされていたのは(ACOG等の低倍率光学照準機器の普及により)効果的に命中していなかっただけと判明し、ボルトアクションライフルでは不可能な速射(連射ではない)を必要とする事態も発生した。このため、M16やM4をベースとした軽量狙撃銃が開発・運用されるようになった。
命中精度向上のために弾頭重量を増し、射撃競技専用弾並みの高品質弾であるMk262弾の開発も行なわれた。また、低倍率光学照準器の普及と訓練内容の見直しにより的確な急所への命中が可能となった。狙撃兵ではない一般の兵士でも長距離から頭部に当てることが容易になり、米軍兵によるゲリラへの処刑ではないかと誤解されたほどである。
ボルトフォワードアシストはボルトキャリアを横から押す構造である事から、命中精度に影響を与えるのではないかとも思われていたが、ゆっくりとチャージングハンドルを戻して意図的に閉鎖不良を起こし、ボルトフォワードアシストで閉鎖することで静かに装填作業を行なえるため、他の多くのセミオートマチックライフルにはない利点があることが明らかとなった。

M16のガス直噴式について

発射の際のガス圧を機関部内に導いてその圧力を利用するダイレクトインピンジメント式(ガス直噴式)を採用している。ガス直噴式はリュングマンAG-42で実用化したため、リュングマン式と呼ばれることもあるが、リュングマン式はガスでボルトキャリアを外から押す構造となっているのに対し、DI方式はボルトキャリア内にガスを導いてその圧力でボルトキャリアを中から押す構造となっており、同一とはいえない。

長所

  • 通常のガスピストン式と比べて反動を軽くする事が出来、M16系銃の場合バッファーチューブも相まってほとんど発砲の反動のみになる。
  • ガスチューブな為重くなりがちなフロント部分の重量軽減につながる。
  • 部品点数の削減、同時にコストの削減。
  • 一般的なガスピストン式と違いバレル上方で重量物が移動しないため、一瞬にして銃口が跳ね上がることがなく、M16は連射しても射撃精度が高い。カービンのM4でも距離100mでテニスボール程度の面積に纏まる精度を持つ。
  • 低速弾でのアドバンテージではピストン方式に勝る。
  • 一番面倒なピストン部分およびレギュレーターの掃除の必要がなく、ガスチューブは消耗したら交換するので、メンテナンスは比較的簡易である。


短所

  • 動作機構上、発射ガスが機関部内に吹き込むため機関部内の汚れが激しく、カーボンが生じやすい装薬を使った場合は頻繁なメンテナンスを必要としてしまう。
  • 一部のサウンドサプレッサー(サイレンサー)やフラッシュハイダーなどガス膨張室の役目を持つ部品を銃口側につける事で機関部内に吹き込むガスが高圧になり射手の顔前にあるチャージングハンドルが飛び出す、発射サイクルが早くなりボルト開放のタイミングが狂い薬莢が膨張したタイミングで排出しようとしてエキストラクターが薬莢のリムを引きちぎり薬莢を排出できずに二重装填、となるといったトラブルも起きる。
  • 装薬の種類によっては刺激性ガスが多く生じるが、それが機関部から漏れ出したりボルトキャリアを通って排出された際に射手の顔へとかかってしまう。
  • ピストン式と比べて弾薬を選ぶと言われていて、低品質な弾薬を使うと動作不良が起こりやすくなる(AR-10、AR-15のガス直噴式はさほど弾薬を選ばず、滅多にジャムる事はない)。
  • 短銃身化するとガスチューブを短くしただけでは発射ガスが吹き付けるタイミングが早まり、ボルトの後退のタイミングが早すぎて動作不良を起こしてしまう(銃口から銃弾先端がはみ出している2インチバレルでも、銃身に合わせて弾頭形状、装薬量等を調整された弾薬を使えば動作不良無しという事例もある。ガスブロックより先の銃口側を短くしてガスチューブ長を変えていない銃身を使用することでも回避でき、民間市場でも短銃身向けやガスタイミング調整用のスパイラルガスチューブやS字型のガスチューブ、ガスレギュレーター付のガスブロック等の製品が出ている)。
  • 動作のために発射ガスはボルトキャリア内部にガスが通過する為、ボルトキャリアの掃除には手間が掛かるが、ガスピストンと違い小さな部品が多いボルトキャリアを分解しなければならず、面倒が多い。
  • ガスレギュレーター付の部品を付けた場合、メンテナンスが更に面倒になるうえに物によっては分解が出来ず、手間のかかる方法で掃除をするか丸ごと交換となる。(ガスブロック交換の場合は銃身周辺を完全に分解する必要があるため、手軽な交換は不可能である)


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