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ショットガン

しょっとがん

近距離で使用し、撃った瞬間に大量の弾をばら撒く大口径の大型銃の一般名称。日本では散弾銃(さんだんじゅう)とも呼ぶ。スポーツ射撃用、狩猟用、軍・警察用として需要は大きい。
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概要

日本語で散弾銃と呼ばれ、その名の通り散弾という、一度の射撃で複数の弾丸が射出される弾薬を運用することに長けた銃。

 一粒一粒が小さくなり空気力学的な安定性も低い散弾は、貫通力や射程に関してはライフルに大きく劣るものの、拡散する分命中率は格段に上がるため、すばしっこい小動物や飛翔する鳥類を撃つ際に重宝される。

 またスラッグと呼ばれる一発弾を発射することも可能なので、やはりライフルには届かないものの、ある程度の射程と貫通力を発揮することが可能で大型獣にも対応できる。


 基本的に頑丈な構造であるため口径より小さければ大抵のものは発射でき、ゴム散弾やビーンバッグ弾、「TASER XREP」(相手に電気ショックを与えて無力化する特殊弾)などの低致死性弾も開発され、ショットガンが対応しうる任務の幅は大きく広がっている。


 その汎用性ゆえに法執行機関でも多数運用されており、SWATなどの警察の特殊部隊ではドアの蝶番やドアノブを粉砕するために使用されることが多いため、マスターキーとも呼ばれる。


 単純な機構を採用した製品が多く、マルファンクション(作動不良)を起こす可能性が低い。また、大口径の利を活かして、拳銃ライフルでは発射できないような様々な弾種が開発され、多方面のニーズに応えられる一種の「万能銃」として重宝されている。


 更に発射ガスの強さと大口径を利用して発射器として用いる用途もあり、ロープ付きのフックを撃ち出す等にも応用されている。


歴史

 ショットガンの歴史は古く、近世フランスではなどのスモールゲーム(小型の動物)を狩るために、小粒の弾丸を多数装填したマスケット銃が用いられていた。


 その至近距離での殺傷力の高さから、大航海時代には舶搭載火器としても需要があったことが分かっている。船員の反乱に対処するために使われた場合が大半だったようである。


 しかし、ヨーロッパでは「ショットガン=猟銃」というイメージが強く、対人火器としてショットガンを使用する動きが広がることはなかった。

 対照的に、対人火器として積極的にショットガンが使用されたのが18~19世紀のアメリカであった。法と秩序の手の及ばない大西部の荒野では、実力で個人の生命・財産を守るのが当然とされ、人々は身近にあるもので野獣や盗賊と対決しなければならなかった。そんな時、最も頼りになったのが、狩猟用として当時一般に普及しつつあったショットガンだった。


 このためアメリカにおけるショットガンは歴史的・伝統的な武器として、軍用はもちろん警察、保安、西部開拓時代の駅馬車の自衛武器などとして重宝される。

 古くはアメリカ独立戦争において、ジョージ・ワシントンのアイデアで、マスケット銃に通常の単体弾と散弾を同時に詰めて使用された。マスケット銃は命中率が悪かったため、同時に散弾を発射することで集弾率を下げてカバーするこの戦術は海上での戦闘で重宝された。

 南北戦争では将兵の私物のショットガンが戦闘に使用され、特に南軍騎兵がショットガンを好んで使用したといわれる。

 こうした歴史的経緯から、アメリカ軍はショットガンを対人火器として位置づけ、配備することを躊躇しなかった。

 第一次世界大戦が始まりアメリカ軍の参戦が決まると、アメリカ軍は塹壕戦における切札として、銃身を切り詰めたポンプ式ショットガンに銃剣を装着したものを投入し、多大なる戦果を挙げた。トレンチガンと呼ばれたこれらのショットガンは、その激烈な破壊力ゆえにドイツ兵たちの恐怖と怨嗟の的となった。

 この時ドイツから「戦争で散弾銃を使うのはハーグ陸戦条約違反」と抗議されたが、散弾そのものが明確に禁止されているわけではなかったのでアメリカは耳を貸さなかった。


 その後もアメリカ軍はショットガンを軍用銃として運用し続けており、特にジャングルでの接近遭遇戦が頻発したベトナム戦争では大量に使用された。トンネル内で発砲しても射手の耳と目にダメージがいかないよう特殊な410ゲージを装填可能なリボルバー「トンネルピストル」も作られた。

 こうしたことから、これまでショットガンの配備に慎重だったヨーロッパ諸国の軍・警察でも、徐々に装備する組織が増えてきている。


 現代においてはショットガンの有効射程が軍用小銃などと比べれば短く(概ね100m未満)、民生の狩猟とクレー射撃などに広く使用されているため、世界的に所持規制は比較緩い。日本においても所持免許の申請はライフルより簡単である。特にアメリカにおいては開拓時代以来から護身と自宅警備に広く使用されている歴史から、現代においても代表的な自衛火器として使用される。また、銃身に施条加工を施す必要はないのため、製造コストはライフルより低く、民生市場では安価で入手しやすい実用銃器の地位を確立している。開発途上国のジャングルか荒野に住む猟師が日々の糧を得るためあるいは害獣を駆除するため、一丁の古びた散弾銃を頼る状況は珍しくない。

 それら安価な実用散弾銃とは別に、欧州では貴族と上流階級のスポーツハンティングに使用されている歴史から、彼らの身分に相応しい高級品も作られておる。特に二連式散弾銃は部品の中で最も高価な銃身を二つも必要とする上、照準線と引き金の細かい校正は複雑であるため、概ね単銃身式の散弾銃より高値が付けられる。ベテラン職人によるハンドメイドの数百万円を要するスーパーカーならぬスーパーショットガンなども制作・販売されている。

 例:世界最古の銃器会社ベレッタ社が日本の彫刻職人とコラボする高級工芸品散弾銃




デザインと機構

 最も普及しているのは、レミントンM870モスバーグM500のようなポンプアクション式のものである。

 このタイプの銃は機構が単純でマルファンクション(作動不良)を起こしにくく、弾の種類も選ばず、初弾を装填するアクション自体が警告にもなるため、狩猟用だけでなく自衛用、軍・警察用として広く用いられている。

 また、発射ガスの強さを利用して銃口にアダプタを取り付けることで、ロープランチャー等にもともなることから救助用途等にも使用できる。

 軍用としては、短時間で大火力を発揮できるセミオートマチック・ショットガンの需要も大きく、例えばSASやローデシア傭兵はブローニング・オート5を使用し、アメリカ軍はM1014を制式として運用している。

 また、アサルトライフル等の下に取り付けるアンダーバレルショットガンも製作されており、イサカM37やレミントンM870等の既存の製品を改造したものだけでなく、最初からアンダーバレルショットガンとしても使うことを前提として設計されたC-MORE M26 MASSも登場している。

 SAKO社のCrossfireに至っては、5.56mmのセミオートライフルとポンプアクション式12ゲージショットガンを一体化した複合銃となっている。

 しかし、中にはかなり強烈なキャラクターを持ったものもあり、リボルバー型のRDIストライカー12弾倉が回転するのではなく円状に弾が配置されている)のようなショットガンもあれば、チューブマガジンを二本持つショットガンダブルバレル、ダブルチューブマガジン式ショットガンAK47突撃銃から進化したセミオート式ショットガンという化け物もいるし、中にはフルオート射撃可能、しかも榴弾も発射できるリアルチートさえ存在する。

 更にタウルスジャッジS&Wガバナー等の410ゲージシェルを装填可能なリボルバー拳銃も存在している(銃規制がゆるいと言われるアメリカでも民間人には短銃身のショットガンの所持許可はおりないので、「もともと.45ロングコルトや.45ACP仕様だが、410ゲージも装填できるリボルバー」という建前をとっている。それでもソウドオフ扱いとして一部州では所持が禁止されている)。

 スポーツ射撃用としては水平二連・上下二連銃が多く用いられる。

 これらの製品の中には、過剰なほどの彫刻が施され、1丁あたり数千万円もする超高級品も存在する。

 最近では三本銃身の三連銃が登場した。

 またポンプアクションとセミオートが兼用できるフランキ スパス12ベネリM3も有名だが、前者はその複雑な機構や操作関係に問題も多く、あまり普及しなかった。

 複合銃として通常のライフルと一体となったものもある。

 先に挙げたCrossfireのようにコンバットショットガン的なものを目指したキワモノ銃や、マスターキーシステムなどのように突撃銃に取り付けることで複合銃となるものが有名だが、狩猟用としても実用品があり、例えば上下二連銃で上側がショットガン、下側がライフルとして機能するものもある。


 法執行機関・民間問わず多く普及しているだけあって、アフターマーケット製のパーツも数多く出ており、ストックやグリップ等の形状を変えるパーツだけでなく、チューブマガジン式からボックスマガジン式に変更したり、チューブマガジンの先端を伸ばしたり、チューブマガジンを複数本束ねたリボルバー弾倉を追加して装弾数を増やすといったパーツも存在している。

 一発一発詰めて行くイメージのあるチューブマガジンのショットガンだが、一度に複数弾の装填を行なえるクイックローダー(もしくはスピードローダー)もある。これはチューブマガジン同様にシェルを一列に入れた筒で、ショットガンのローディングポートに先端を差し込んでシェルを押し込むだけで一気に装填できる。


用語

ショットガン特有の部品

  • フォアエンド
    • ポンプアクション式の銃の銃身下部についたスライドするパーツ。これを前後させることで装填と排莢を行う。
  • アクションバー
    • 同じく、フォアエンドの動作を本体に伝えるための棒。
  • ライフル銃身
    • 基本的に散弾用である滑腔銃身をもつショットガンならではの部品名称。サボットスラッグを撃ち出すためにライフリングが刻まれた銃身を指す。規制の強い日本国内や散弾との兼用に、銃身の途中までしかライフリングのない「ハーフライフル銃身」というものもある。
    • 日本においては1971年の銃刀法改正より生まれた10年縛りと呼ばれるライフル銃(ライフリングを持つ銃すべてが対象)の所持規制の回避のために薬室側のライフリングを銃身の半分までを削り落として命中精度を落としたものを使用している。(実際には厳しすぎる日本の狩猟情勢では法が許す実用範囲の距離では半分削ったところで大差が無いというのが実情で、10年縛り回避にしかなっていなかった)
    • 2023年5月にハーフライフル銃身を用いた猟銃を用いて警官4人が殺傷される事件が起きたことをきっかけに、2024年1月の通常国会にてハーフライフル銃身の規制が強化される銃刀法改正案が提出され、通ればライフル銃身と同様に扱われ所持制限が行われるようになる。しかし、北海道では羆やエゾシカといった大型の個体を相手に、冬は雪により見通しやすい事から長い射程を必要とする事、滑腔銃身ではわずか数秒で接近される危険な距離まで接近して撃っても仕留めれるかわからない散弾で撃つしかないといった実用性と射手の安全の為にもハーフライフル銃身は必要とされており、猟友会や一般社団法人等により反対運動が行われた。同年3月には都道府県が必要と判断した獣類に対し警視庁による通達に基づく特例措置を取り所持規制を緩める事が盛り込まれる修正がされたが、通達は国会を通さずに行政判断で改廃できる為に規制反対運動は続いている。
  • チョーク
    • 銃口部分にある散弾の拡散範囲と射程を決める絞り。目的に応じて様々な径があるが、使用弾種にあわせて交換可能な銃もある。チョークの先に更にネジ等を設けることで、ダックビルハイダーのような拡散のパターンを変更する部品を付けたり、サウンドサプレッサーを付ける事も出来る。
  • シェルホルダー
    • 銃のストックやレシーバー、フォアエンドといった銃の部品だけでなく、ベルトなどにショットシェルを並べて固定する部品。多くの場合は並列にシェルを並べるようになっているが、クアッドロードに対応するように並べたり、ジョン・ウィック:チャプター2で使われたマッチセイバー社のシングルシェルホルダーのようにエジェクションポート近くに取り付ける事で即座にエマージェンシーリロードが可能としたりとさまざまなものがある。どのような装填方法をとるかや異なる弾種のシェルを混ぜて並べるか等によって固定する向きを変える事も行われる。

口径

 口径に合わせて「ゲージ(番)」と呼ばれる単位が使用される。基準となる数字は「口径が何分の1ポンドの鉛球に相当するか」で、数字が大きくなるほど口径は小さくなる。

 12ゲージなら「1/12ポンドの鉛球の直径に相応する口径」ということ。

 「12ゲージOOバックショット」のように口径 → 弾種で表記識別する。

 0.410インチ口径の410ゲージのように、拳銃弾等と同様に何インチの直径かが使われているものもある。こちらは数字が大きくなるほど口径は大きくなる。


銃弾

現在はショットシェルなどと呼ばれる薬莢方式の実包が主流。

ショットシェルを構成する部品

  • ケース
    • 弾丸や火薬を収納するための円筒の部品。金属薬莢の場合はロンデルは存在せず全て一体型となっている。
    • マグナム等と呼ばれる長いケースや1-3/4インチ長のミニシェル等と呼ばれる短いケースもある。
    • 例えば12番ゲージの場合、通常のサイズは2-3/4インチだが、マグナムでは3インチ、ミニシェルは1-3/4インチとなっている。
    • チューブ式弾倉の場合、対応する範囲であればシェルの長さにより装弾数が変わり、長いシェルを用いれば装弾数は少なくなり、短いシェルを用いれば装弾数を多くすることが出来る。
  • ロンデル
    • 紙ケースやプラスチックケースのショットシェルにおいて、金属で作られた、強度が必要なリムなどの部分。
  • ワッズ
  • サボット
    • 粒弾の総量が少ない場合などに、弾の周囲を覆う円筒状の詰め物。
    • サボットスラッグでは銃身のライフリングにサボットを食いこませて回転を加える為に用いている。

粒弾のサイズによる種別

  • バードショット
    • 鳥などのスモール・ゲーム(小型動物)向けに使用される、6mm未満の小粒弾。数十発から数百発を装填できる。大粒弾と比べれば一発の威力こそ小さいものの、弾の数が多いため、同じ拡散パターンであっても当たりやすい。
    • ちなみに、対人用として使うとかなり悲惨なことになるため、先に述べたとおり戦場では滅多に使われない。
    • なお、元アメリカ合衆国副大統領のディック・B・チェイニーが友人の顔に誤射した事が有るが、幸いにもうずら撃ち用の低威力のものだったため、被害者は一命をとりとめた。
  • バックショット
    • 中型動物を狙うための大粒弾。粒弾は6mm以上で10発前後が装填される。大粒弾を使うために殺傷力は高い。ヒグマなどの大型動物にもある程度有効なため、ジャブとして使われる。
    • ちなみに「バック」とは牡鹿のことで、「鹿撃ち弾」と訳されることもある。軍用(対人)散弾としても使用される直径8.4mmのOOバックショットが有名。
  • スラッグ弾(スラッグショット)
    • 「一粒弾」とも呼ばれる、一発だけ大きな弾丸を装填したショットシェル。狩猟用としては熊などのビッグ・ゲーム(大型動物)向けだが、対人・対物用としても使用される。有効射程内での破壊力が最も大きい。
    • 主に滑腔銃身である散弾銃で使用されるため、精度を高めるために銃弾自体にライフル(旋条)が刻まれているものもあるが、弾自体が重いため有効射程は散弾より短い場合がある。跳弾の心配が低く、運動エネルギー(=破壊力)も大きいため、後述のドアブリーチ弾としても使われる事がある。
      • また、「サボットスラッグ」という弾種も存在する。これはシェルよりも小径のスラッグ弾丸をプラスチック製のサボットで包んだもので、ライフリング銃身と併用する事でスラッグ弾に回転が加わりボトルネック(ネックダウン)薬莢のような効果を生み、高い精度が期待できる。発射に関する構造や原理はフレシェット弾に近い。
      • ライフルの所持規制や使用制限がある国や地域で狩猟用として主に用いられ、基本的にライフリング銃身用の弾丸である。ライフル弾並みの命中精度と貫通性能を有しており、狩猟用として一定の需要がある。
    • メカアクションゲーム『アーマード・コア』シリーズでは肩用武器のショットガンの名称だが、スラッグ弾は基本的に散弾ではないので小さい弾をばら撒くことは無い。
    • 狩猟用としてスラッグ弾と共に大粒のバックショットを封入したものも一応はある。

その他特殊弾頭

  • フレア弾

上空に撃ち上げると、一定時間燃焼、発光しながら落下していく。サイズが小さいため照明として期待できるほどではなく、発光信号として使うのがメイン。

  • ドラゴンブレス弾

粉末のジルコニウムを火薬で点火した上で撃ち出す。ド派手なマズルフラッシュが発生するが、粉末はすぐに燃え尽きてしまうので焼夷弾としてはいまいち。よほど燃えやすい材質の服を着てたり、処理のされていない化学繊維を肌の側に身に着けていない限りは火傷を負う程度である。

それでも枯れ草などに引火し燃え広がる可能性はあり、火災を防ぐために所持が禁止されている地域もある。実際に流れ弾により射場で火事が起きたりもしている。

低圧低反動のためにオートマチックショットガンでは使えないものが多く、一発の値段が非常に高い。

CoD:BO』でも登場する。ゲームでは一撃で敵を火だるまにするような威力になっていることが多い。

映画「ジョン・ウィック」シリーズの最終作「ジョン・ウィック:コンセクエンス」でも使用された。

  • ガス弾

催涙ガスなどを封入した弾体を撃ち出す低致死性弾。当たり前であるが人に向けて撃つものではない。

窓ガラスなどを突き破って撃ち込むために先端部が硬質素材で出来ているものもある。

  • 暴徒鎮圧弾

暴徒に直接撃ち込む事で無力化する低致死性弾。材質は岩であったり、硬質ゴムであったり、小さな玉の入った袋(ビーンバック)であったりと様々。

  • TASER XREP

テイザー社が開発したワイヤレススタンガン。12ゲージショットシェルを使用できる銃から投射し、射程は約30m。暴徒等に対し、離れた場所から周囲に被害を出すことなく撃ち込むことが出来る。

低圧で撃ち出すため、ガス圧駆動のオートマチックショットガンでの使用は適さない。

  • ミニグレネード

狭い室内や車内などの閉所で、効果的な破片効果で殺傷を行う榴弾。対人榴弾以外に、対装甲用にモンロー/ノイマン効果で貫徹する徹甲弾などがある。

有名なFRAG-12は連射が出来るAA-12用に設計された弾(威力が小さいために連射できない銃では効果が薄い)であり、あまりポピュラーではない。

  • フレシェット弾

矢状の弾体を撃ち出す散弾。矢という形状ゆえか、約600m/sという初速を誇る(OOバックやスラッグの初速は400m/s程度)。単発のみではなく、サボットスラッグ同様にサボット付き、複数のフレシェット弾を撃ち出すものもある

比較的長距離でも鉄ヘルメットを貫通するなど、ショットガンの弾としては驚異的な貫通力を持つため、ソフトアーマーで食い止めるのは難しく、対人用としてかなりの殺傷力を発揮する。

  • ドアブリーチング弾

警察の突入などの際、バリスティックブリーチングに使用する弾。ドアの蝶番や鍵等を破壊する威力を持ちながら、弾が形を保ったまま貫通してドアの向こうに被害を及ぼすことのないよう考慮されている。弾体は金属粉末を混ぜた液体、亜鉛粉末を固めたフランジブル弾等があり、ドアの素材に応じて適したものを使う。

発射ガス等を逃がす必要などから適切な射撃距離があり、銃口を密着させずに少し離して撃つ必要があるが、銃口を密着させても問題なく使えるブリーチングハイダーと呼ばれる部品もある。

  • その他自作弾

構造上、ワッズにより弾丸が押し出されるため、自作弾を作成する際に普通は用いられないようなものを自分で詰める事が出来る。

5.56mm弾7.62mm弾などの他口径の銃弾、紙吹雪ライトスティックなど、さまざまなものを撃ち出せる。

ケースからはみ出すような形状となった場合はマガジンからの装填が不可能となるが、薬室へと手で装填する場合は余程の形状でなければ少々再装填がしづらい程度である。


ソウドオフ

 銃身を短小化し狭い場所(室内など)での戦闘に特化させたショットガン。ソードオフショットガンを参照。


ライオットガン

 暴動鎮圧用ショットガンの事。ライオットガンを参照。


メディアでのショットガン

 ショットガンの活躍は西部劇でも紹介されており、有名な『OK牧場の決闘』では、名うてのアウトローであったドク・ホリデイが銃身を切り詰めた水平二連のショットガンを用いてクラントン一家に立ち向かい、駅馬車の護衛も銃身を切って取り回しを改良したショットガンを装備していた。

 米国では現代でも容易に手に入る銃器なので、日常の延長が舞台となるゾンビ映画やクライム映画でも登場機会が多い。

 粗野な武器と言う印象は米国でもあるようで、軍警察系のスマートな主人公がショットガンで活躍することは少な目。


 ゲームにおいては、装弾数が少なく有効射程(効果的なダメージを与えられる距離)が短いながらも、弾丸が拡散して広範囲をカバーできることから、AIM(照準)が苦手な人でも敵に攻撃を当てやすいため、手数で補うマシンガンやアサルトライフルとは別方向で初心者がお世話になることが多い銃器である。当然、技量があれば至近距離での撃ち合いや拠点制圧等で八面六臂の活躍も見込めるため、末永く使っていける火器である。


 ただ映画にしろゲームにしろ散弾の拡散性や威力が誇張されることが多く、2、3人をまとめて吹っ飛ばすような描写も多い。

 実際にはチョークが存在しないものでも20m先で直径1mの範囲に拡散する程度で、フルチョークだと40mで1m程度で、複数名をまとめて撃ち倒すには厳しいものがある。


 またゲームにおいてはバランスのために射程の短さが強調され、10mも離れれば敵を倒せなくなる拳銃未満の射程になってしまってることもあるほどだが、実際は散弾でも数十m、スラッグなら100m程度は狙える射程がある。

 射程が劣ると言ってもあくまで数百m遠方を狙撃できるライフルと比べての話であり、銃である以上それなりの距離に対応できるようになっている。


 多くの作品出はショットガンと言えば、で連想されるポンプアクションや水平2連が殆どであるが、セミオート、フルオートショットガンも登場する。

 レバーアクション式ショットガンは現代においては珍しいが、1991年映画『ターミネーター2』の影響で、それ以降、片手で撃てるソードオフのウィンチェスターM1887が現代ものの創作物によく登場するようになった。

 ボルトアクション式散弾銃は日本のようなライフル銃規制のある地域以外でも数は少ないものの実在しているが、視覚的にボルトアクションライフルと区別がつきにくいため、老マタギの得物としての村田銃を除いて、創作物に採用されることはあまりない。

 上下二連式ショットガンは現代の狩猟やクレー射撃おいては主流のショットガンだが、創作ではあまり見られない。その主な理由は、上下二連式ショットガンが連射力の強いポンプアクション式ショットガンやオートマチック式ショットガンよりも遅く登場したと考えられる。水平二連式ショットガンはかつて西部時代の主要な戦闘武器であり、ポンプアクション式ショットガンやオートマチック式は20世紀以来に軍警察や民間の警備と護身用に広く使用されている、しかし上下二連式に戦闘用武器として扱われる歴史とイメージはなかった。一応、少数例ではあるが、『アイアムアヒーロー』など現代日本を舞台にするリアリティ重視作品において、主人公が現実では主流の上下二連式散弾銃を使用する。

 他に中折式単発散弾銃は実在する。その構造は単純で、銃身の加工も簡単、二連式のような照準線と引き金の細かい調整も必要ない。そのため製造コストは低く、アメリカでは最も安価な実用銃器としての地位を確立している。2010年代の米国では、100ドル程度でスーパーマーケットで購入できる。しかし、連発能力は低いため、主に護身武器ではなくスポーツ用品として販売されている。アメリカ人にとっても武器としての印象は薄いようで、簡単に入手できる割りに、創作物に登場することはほとんどない。実写作品においては違法製造の自作銃という設定の銃の中身として登場する事もある。


余談


 現代では主流のポンプアクション式、オートマチック式、上下二連式ショットガンの最初の商業的に成功したモデルを開発し、それらが普及するきっかけを作ったのは全部ジョン・ブローニングである。

 ジョン・ブローニングは1897年でポンプアクション式のウィンチェスターM1897、1905年でオートマチック式のブローニング・オート5を完成した。1926年で亡くなる直前に上下二連式散弾銃の開発に着手し、それが1931年で息子のヴァル・ブローニングによってブローニング・スーパーポーズドとして完成された。



代表的なショットガン


代表的なショットガン使い

センシティブな作品

鈴木くん

トリエラ

A.V.A X John Wick

ターミネーター2

お~しまいっ♪

ハルカ

おれがあいつであいつがおれで

无题

八つ墓村の多治見要蔵

ジャギ(北斗の拳)

部長刑事

砂ぼうず

キサラギアリス




関連タグ

 英訳が「ショットガン・マリッジ / ウェディング (Shotgun Marriage / wedding)」。

 婚前交渉で妊娠した際、女性側の父親が相手の散弾銃を突きつけて責任を取らせようとしたことから。


 西武開拓時代の馬車では御者の隣にショットガンを持った護衛が座っていたことから、現代においても助手席のことをショットガンと呼ぶスラングがある。


 元は日本製の軍用小銃、旧式化した後に民間に払い下げられ、狩猟用ショットガンに改造された。その改造後の姿が、元の軍用小銃よりも広く知られ、より有名となっている。


 狩猟に使用される銃器の総称。しかし日本においては狩猟用ライフル銃の所持は厳しく、拳銃は所持は不可能という事もあり、猟銃といえばショットガンのイメージが強い。


テキーラ等の蒸留酒炭酸水、もしくはトニックウォーターを混ぜ合わせたもの。比率は何を用いるかで異なるが、ショットグラスに入れた後にこぼれないようにコースターや手で蓋をしつつグラスの底を叩きつけて混ぜ合わせるのが特徴。名前の由来は不明だが、叩きつける動作がポンプアクションのような事、炭酸の泡が散弾のように見える事、度数の割の飲みやすさから飲み過ぎてしまいショットガンで撃たれたように酔い潰れる事、などが由来と言われている。

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