概要
一般的には794年に桓武天皇が平安京(現在の京都)に遷都したことを始期とし、鎌倉幕府が成立するまでの平安京に政治の中心があった時代を指すが、鎌倉幕府の成立時期について諸説あるため終期は1185年(平家の滅亡と守護・地頭の設置開始)から1192年(源頼朝が征夷大将軍に任命される)の間で意見が分かれている。
10世紀半ばから11世紀後半までは藤原氏による摂関政治、11世紀後半から12世紀半ばまでは上皇・法皇(退位した天皇)におる院政、12世紀半ばから終期までは平家政権による政治がそれぞれ行われた。
文化的には894年に菅原道真の提言によって遣唐使が廃止されてから徐々に国風文化が発展し、漢字を基に「ひらがな」・「カタカナ」の創造された。日本人の美意識の根本はある意味この時代に形作られたともいえ、この時代を代表する紀貫之が著した『土佐日記』、紫式部が著した『源氏物語』をはじめとした物語文学などが生み出された。また、清少納言の著した『枕草子』には超新星爆発(かに星雲と思われている)が記されており、「末世思想」が蔓延した平安貴族たちに与えた不安と衝撃を今に伝えている。
余談であるが、現代において日本の首都は東京都であるとされているが、実は現行法において東京都を首都と定めた法律は存在しない。過去において有効な首都制定法を探すと、平安遷都の勅にまで遡るとされる。この事や、「東京」という名前は「東の京」であることから、今でも日本の本当の首都は京都府であるという説も存在する。
- 末世思想…釈迦の入滅後4万8千年後にこの世の終わりが来るという一種の終末思想。平安貴族は、この世の終わりが平安末期に訪れると信じており、諦めに似た厭世気分が蔓延していた。
朝廷の支配地域
- 東北地方…平安初期には蝦夷討伐に坂上田村麻呂が、平安中期には安倍・清原氏の内紛に源頼義・義家父子が介入した前九年・後三年の役が、平安後期から鎌倉初期には奥州藤原氏が支配していることから朝廷の意向は届かなかったと思われる。
- 関東地方、九州地方…国司受領をくり返している下級貴族が土着化して武家による支配がはじまる。(関東の平将門、平貞盛、藤原秀郷、九州の菊池氏など)
- 瀬戸内海…海賊が席巻して朝廷の支配をおびやかせている。藤原純友征伐後も脅威は残っており、清盛の父・忠盛も討伐軍を率いて出陣している。
以上のことから、朝廷の支配地域は思いのほか狭く、近畿地方を中心とした限られたものと思われる。
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