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ヘイズルの編集履歴

2019-05-14 06:49:35 バージョン

ヘイズル

へいずる

ヘイズルとは小説『ADVANCEOFZティターンズの旗のもとに』に登場する、ティターンズの試作型モビルスーツ及びそのバリエーション群である。後年、劇場版アニメ『機動戦士Ζガンダム』においても、追加カットで描かれた。

カタログスペック

トライ・シールド・ブースター装着時

頭頂高18.1m
本体重量42.1t
全備重量65.4t
ジェネレーター出力1,420kw
装甲材質チタン合金セラミック複合材(一部ルナチタニウム合金)
スラスター総推力不明

概要

宇宙世紀0084年、ティターンズがMSの最新技術を評価する為、コンペイトウ(旧ソロモン)工廠にて作製した実験機である。このため、型式番号RX-121の上二桁[12]はコンペイトウでの開発を、三桁目の[1]は開発番号を、そのまま意味している。

ティターンズのMSとしては、最初期に当たるため、第一世代MSにカテゴライズされるが、「TR計画」において最初に開発された機体であり、TR-6開発の為のテストベッド機として、追加パーツなど各種テストを行うため拡張性に優れる。

ただし、本機のフレーム・ジェネレーターはあくまでジム・クゥエルの物であるため、整備士側からはガンダムではなくジムの延長線上の機体として認識されている。


機体解説

ジム・クゥエルをベースに、一年戦争における連邦軍の象徴であるガンダムが戦場に与える心理的影響、さらにはその存在自体が戦局に与える効果を検証するべく頭部はガンダムを模した頭部ユニットを採用。

ジム・クゥエルがベース機となったのは、ティターンズ専用機として広く配備されており、メンテナンス時のパーツ互換性と信頼性が高い為。同時に、既存の量産機をベースとする事で開発期間の大幅な短縮に繋がっている。

1号機(RX-121/RX-121-1)と2号機(RX-121-2)の二機が存在し、それぞれが膨大な数の装備バリエーションを有しており、換装によってあらゆる任務に対応する。


本機はパーツ換装を主観に置いた改修が行われており、脚部、肩部のアクチュエータの強化、脚部熱核ロケットエンジン、バックパックの可動式バーニア・ポッドによって装備追加に伴う重量増・機動力低下に対応した。この可動式バーニア・ポッドには、熱核ロケット/ジェットエンジンが搭載され、大気圏内外を問わず高い機動力を機体に付与している。

また、ガンダムヘッド自体もセンサー系が強化されており、頭頂部センサーは高機動形態での視界確保を目的に、上方にもセンサーが張り巡らされている。ただし、センサー増設の関係から、60mmバルカン砲はオミットされた。


宇宙世紀0084年当時において、ガンダムタイプに匹敵する高性能機として完成したへイズムだが、機体特性、操作性が大きく異なっており、ピーキーな機体性能を遺憾なく発揮する為には高度な操作技術を要する。

当初はテスト機という事もあり不安定な部分(胸部追加装甲を施した際の重量バランスの変化に対応できない等)があったが、試験データの蓄積や機体改修を進めた結果、次第に信頼性が向上していった。

主なパイロットは1号機はウェス・マーフィー、2号機はエリアルド・ハンター。


技術的な側面では、脚部構造やアドバンスド・ヘイズル用ソールユニットなどがバーザムの、シールド・ブースターなどはギャプランの開発に影響を与えている他、ハイザック[ヴァナルカンド]にも本機のデータやパーツが転用された。


なお本機に限らず、TR計画機のコードネームは「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」に由来する。

エンブレムについてもうさぎをモチーフとしているが、これはテスト小隊の隊長であるウェス・マーフィー大尉がうさぎ好きであるため。

また、TRシリーズのエンブレムは同じくテスト小隊のカール・マツバラが手がけている。


武装

ビームサーベル

連邦系モビルスーツの標準装備となるビームの刃を持つ格闘兵装。

本機唯一の固定武装としてバックパックに一基装備されている。


ビームライフル

Eパックを試験的に採用したビーム・ライフル。型式番号XBR-M84a。

ヘイズルは小隊行動で前衛に就く事が多く、近接戦闘での取り回しの良いショートバレルタイプを使用する。

また、エネルギー消費が激しい連射モードに対応する為、Eパックは二基繋げた物を使用している。

なお、予備のEパックは腰や前腕部のラッチに接続される。ホルダーはEパックを取り外した後も一種の追加装甲として機能する。

ヒート・ブレードを有するロング・バレルとストックを装着する事でロング・ブレード・ライフルとなるなど、いくつかのオプションが用意されており、ジム・スナイパーⅢのロングバレルタイプなど様々な仕様の物がテスト運用され、さらに改良された物がガンダムMk-Ⅱにも採用されることになった。

加えて本装備自体も相当数が生産され、コンペイトウに配備されていたジム・クゥエルなどに装備された他、宇宙世紀0094年時には闇市場に流れたガブスレイが使用したともされる。


シールド・ブースター

本機を象徴するテスト装備の一つ。

シールドに22,000kgの出力を有するスラスターとプロペラントタンクの機能を持たせた装備。

出撃の際に強襲時にブースターとして使用し、戦闘時にそのままシールドとして用いることで重量面での無駄を減らしている。これまで用いられてきたシュツルム・ブースターは、戦闘時に廃棄していたが、廃棄後の回収が困難であった。このシールド・ブースターは製造コストは高くなるものの、被弾による損傷が無い限り再利用が可能という利点がある。

推進剤は低可燃性のものが使用されており、被弾時の誘爆の危険性を低減している。


多目的ランチャー

胸部補助アクチュエータ・ユニットの多目的スペースに装着可能なオプション装備。

使用時には前方に展開し、中央から二つに折れることで二連装のランチャーとして使用可能になる。

高機動形態時のフォールディンググリップとの選択装備であり、高機動形態への換装を想定していない2号機はこれが基本装備として採用されている。

また、多目的スペースは、何も装備していない状態であればガンダムMk-Ⅱと同型のバルカン・ポッドも装備可能。


バリエーション

1号機

フルアーマー・タイプ

被弾した装甲を容易に交換出来る高いメンテナンス性を実現する為、ガンダムNT-1ジム・キャノンⅡと同系のチョバムアーマーを装備した状態。

ヘイズル自体がジム・クゥエルをベースとして各種強化パーツを換装している為、それまでのフルアーマーと比較して、増加装甲として着脱可能なのは胸部及び腹部とフロントアーマー部のみである。

この形態では機体重量や慣性モーメントの変化、可動範囲の制限などデメリットも多く、テストパイロットであったウェス・マーフィーからは不評であった。またビーム兵器が一般化しつつある時代背景においてその必要性を疑問視する声もあった。


強襲形態

両前腕部ラッチにシールド・ブースターを装着した形態。ヘイズルのオプション形態の中では最も一般的なものであり、攻守共にバランスが取れた形態である。


高機動形態

フルアーマー形態に加え、両腕部とブースターポッドのラッチに合計三枚のシールド・ブースター(トライ・シールド・ブースター)を装着した形態。最終形態とも呼ばれる。

推力方向を一方向に集約する事でモビルアーマー級の加速力を発揮する事ができ、この発想が後の可変モビルスーツ・可変モビルアーマーへと繋がっていく事になる。

なお、胸部補助アクチュエーター・ユニットの多目的スペースにはフォールディング・グリップが設置されており、これを展開し保持することで両腕部を固定し肩関節への負荷を低減し安定した巡航を行う事が可能。


ガンダムTR-1[ヘイズル改]

頭頂高18.1m
本体重量41.5t
全備重量63.0t
ジェネレーター出力1,420kw(+390kW)
装甲材質チタン合金セラミック複合材(一部ルナチタニウム合金)
スラスター総推力114,480kg

ジオン残党軍の「シュトゥッツァー・シリーズ」との戦闘で大破したヘイズルを、コンペトウに配備されていたジム・クゥエルやアレクサンドリア級アスワンに搭載されていた予備パーツ等を用いて改修を行った機体。

型式番号RX-121-1。この型式番号の更新については、本機の改修に先立って改装された2号機(後述)にRX-121-2の型式番号が付与されたことに伴っての事である。


機体形状に大きく変更が加えられている訳ではないが、コックピットがリニアシート全天周囲モニターに換装されている。

加えて、これまでの実働データや開発ノウハウをフィードバックし、部材の再構成による軽量化やOSのバージョンアップ、スラスター推力の増強が行われ、総合性能が向上している。

なお、ヘイズルのオプション兵装は初期プランの実験をほぼ完了していたが、この改修によって実験プランは大幅に見直され、各所に増設されたマルチウェポンラックによってそれまで以上の様々な形態をとることが可能となっている。


カラーリングは改修期間が短かったということもあって一定期間は大部分の装甲の地色を晒したライトグレーの状態で運用されていた。後のグリプス戦役勃発に合わせ実戦配備が決定すると、本格的なティターンズ正規カラーへと塗り変えられている。


T3小隊結成時から、長らくウェス・マーフィー隊長の愛機として戦ってきたが、[フライルー]配備に伴い、エリアルド・ハンターへと譲られた。

その後、小隊と因縁の深いガブリエル・ゾラが駆るリック・ディアスと、互いに中破のダメージを被る激戦となった。


サブ・アーム装備

ヘイズル改の股関節部ラッチにサブ・アームユニットを装備した形態。

ユニット自体は通常は無骨な増加装甲といった容貌だが、展開する事で第三・第四の腕となる。

3本指の簡易なマニピュレーターではあるがEパックの換装や武装の換装などの基本動作はあらかじめ設定したプログラムによって行うことが出来る。さらにビームライフル、ビームサーベルなど各種武装を使用できるが、メインアームと切り替えて操作するため、サブアーム使用中はメインアームが使用不可となる。また、FCS(火器管制)が複雑になることからパイロットに多大な負担がかかり、広く用いられることはなかった。

このため、メインマニピュレーターと同時に展開可能なジ・Oの隠し腕とは系統的に異なる装備である事が伺える。


イカロス・ユニット

可変機のMS形態の滞空時間が十分ではなかったことから、サブフライトシステムや可変機構に頼ることの無いMS単体での重力下における飛行を検証すべく開発された装備。

アッシマーギャプランと違い変形が不要なためMS形態のまま携帯する武装で戦闘に移行することが出来る。

当初は胸部ラッチに接続される巨大な飛行ユニットと腰部および足部のユニットから構成され、滑空時に水平展開する可変翼で発生する揚力と推進力を併用するものであったが、MS形態のままでは空力性能が著しく低く、十分な機動性が得られないと判断され再設計が行われた。

再設計後は機体前面ユニット、肩部増加ユニット、リア・スラスター・ユニットから成る装備となり、複数のジェネレーターとロケットエンジン、背部に装備されたシールド・ブースターによる大推力で無理矢理機体を飛翔させる装備となった。


この装備のデータが後のバイアランの開発に役立てられている。


2号機

頭頂高18.1m
本体重量42.7t
全備重量65.4t
ジェネレーター出力1,420kw
装甲材質チタン合金セラミック複合材(一部ルナチタニウム合金)
スラスター総推力不明

元々本機は母艦アスワンにストックされていたヘイズルの補修・交換用パーツを組み立てて造り上げられた予備機。


当初こそ、頭部がガンダムヘッドである事以外はジム・クゥエルとほぼ同一の機体であったが、エリアルド・ハンターの搭乗機であるジム改高機動型の中破を機に、新たに彼の乗機としてかねてより試験予定であった試作型バックパック「トライ・ブースター・ユニット」を装着する等の改修が施された。これに伴い軍のデータベースに再登録が行われ、RX-121-2の型式番号が与えられている。

トライ・ブースターはシールド・ブースター以外のもう一つの機動力強化オプションの一つとして設計された強襲戦用ユニットで、バックパック左右に配置された2基の可動式ユニバーサル・スラスター・ポッドと、後部の大容量プロペラントタンクを兼ねたテール状シュツルム・ブースターで構成される高機動型装備であり、バックパックの可動フレームによって推力を自在に変更可能となっている他、それ自体がAMBACシステムとしても機能する。

一方で、その長大さから機体の重心バランスが大きく崩れてしまう為、扱いは難しい。

また、装甲と独立した自由度の高いスラスター・ポッドの可動フレームのデータは、ムーバブルフレームの開発に活かされている。


アドバンスド・ヘイズル

頭頂高18.8m
本体重量39.5t
全備重量78.6t
ジェネレーター出力1,420kw
装甲材質チタン合金セラミック複合材(一部ルナチタニウム合金)
スラスター総推力不明

宇宙世紀0087年のグリプス戦役勃発後、T3部隊の本格的実戦部隊への再編成に合わせ、[ヘイズル2号機]を[ヘイズル改]と同等の強化パーツへと換装し、さらにサブ・アーム・ユニットや別途テスト中であった高性能光学センサー・ユニット、マルチ・コネクター・ポッド、脚底部補助スラスター・ユニットを追加した姿。

高性能光学センサーはアンテナを折りたたみ仮面のように装着。搭載されているデバイスはジム・スナイパーⅢと同等の物であり、狙撃時にはバイザー部分が展開して高精度モノアイセンサーが露出する。


可変式バーニア・ポッドから換装されたマルチ・コネクター・ポッドは、両側のハードポイントにシールド・ブースターを二枚装着可能。ガルバルディβを用いたテストによって実証された、高い推力に耐えられるようラッチ自体が強化されたこともあって、通常形態で高い機動力を維持することが可能となった。

また、シールド・ブースターは航続能力を犠牲に拡散ビーム砲を搭載する事で、敵機の実弾兵器(ミサイルなど)の迎撃に使用する強化型シールド・ブースターが装備されている。

脚底部補助スラスターは、純粋な補助推進の他、着艦、着地時における減速用リバース・スラスターとしての機能も持つ。これら一部の装備は改良され、バーザムに採用された。


スペック上は第二世代MSに対抗可能な機体に仕上がったが、やはり操作性がピーキーかつ煩雑な「じゃじゃ馬」のため、オードリーが搭乗しての模擬戦では、フルドド(後述)を相手に撃墜判定を許す結果となってしまった。


ヘイズル・ラー

ヘイズル改にFF-X29A[フルドド]を装着した形態。

合体後のヘイズル改の火力、機動性、防御力の全てを向上させ、総合的なスペックはムーバブルフレーム標準採用の第二世代MSにも匹敵するレベルにまで達する。


[フルドド]は推進器を搭載したバインダーを本体左右に搭載した、Gパーツと呼ばれるオプションユニット。単体でも航宙戦闘機として運用することも可能だが、エゥーゴのGディフェンサーのように戦闘中のドッキングは想定されていない。

バインダーはジェネレーターとスラスターを搭載したスラスター・ウィング・ユニットと、クロー・ビーム・キャノンを内蔵したクロー・ウィングユニットの二種類があり、フルドドはそれを一基ずつ標準装備する。

ヘイズルとのドッキング時は通常背部の可動式ブースター・ポッド、もしくはマルチ・コネクター・ポッドのジョイントに接続されるが、さらに腰部マルチウエポンラッチおよび両サイド部ハードポイントへの装着も可能となっている。そのため2機のフルドドを同時合体させることも可能で、これによってより機体運用効率を高めた第2形態へと進化する。その際はバックパック部に2基のスラスター・ウィング・ユニット、腰部に2基のクロー・ウィング・ユニットを装着し、それぞれ機能を統一することで稼動効率を最大限とする。

更にギャプランのブースターユニットを装備する事でクルーザー形態となる他、また、ヘイズル・ラーにアドバンスド・ヘイズルのオプションパーツを装着した形態を[ヘイズル・ラー]フルアーマー形態と呼ぶ。

宇宙世紀0087年6月に、テスト無しで[ヘイズル・ラー]形態が実戦投入されたが、非対称形状・スラスター配置が災いして、加速をかけると左上方に意図しないモーメントがかかってしまう、劣悪なバランスであることが判明。すぐに後述の[ヘイズル・ラー]第二形態への装備変更と調整が開始された。


なお、フルドドには後継装備となるフルドドⅡも存在し、こちらはTR-6用オプションであるファイバーⅡやダンディライアンⅡ、インレ等とのドッキング機能を有しており、主にTR-5[フライルー]やTR-6[ウーンドウォート]等に装備されている。フルドドⅡはTR-3[キハール]などでテストされていたドラムフレームを搭載しており、ドラムフレームを介する事で大型オプション装備を更に外装する事ができ、単なるオプションパーツとしてのみならず大型オプション用のプラットホームとしても機能する。


ヘイズル・ラー第二形態

[ヘイズル・ラー]に搭乗したオードリーの意見を取り入れ、慎重な重心計算のもとに採られた形態。

二機のフルドドをヘイズル改に同時合体させ、バックパック部には二基のスラスター・ウィング・ユニット、腰部には二基のクロー・ウィング・ユニットを装着。形状的にも左右対象となり、各バランスが整った。このため、本形態となってようやく『実戦運用に耐える』[ヘイズル・ラー]が完成したと言える。しかしながら、大推力で崩れたモーメントを、更に推力を追加して力ずくで制御した結果、MS本来の運動性が失われてしまった(スタッフ曰く「とてもMSと呼べる代物ではなくなった」)。

モビルアーマーとして扱えば直線加速力、航続距離共に充分なスペックを有するため、一撃離脱戦法に秀でる。


ヘイズル・アウスラ

ヘイズル2号機(アドバンスド・ヘイズル)が、ネモ・カノンの狙撃を受けて中破したため、修理と共に、上半身を緊急脱出ポッド[プリムローズ] とへ換装した形態。

プリムローズはコア・ファイターのように自立航行が可能な脱出システムであり、本体に武装は装備されていないが、TR計画で開発された各種パーツとの互換性が保たれており、それらとの組み合わせによって一線級の戦力として運用が可能となる。

TR-1の次世代量産機化計画によって開発された機体でもあり、正式な次世代主力機となる予定のTR-6が完成するまでの暫定措置として少数が量産された。

また、TR計画においては同時期に配備されたバーザムとの関連性も見受けられ、こちらはTR-1量産からTR-6配備まで繋ぎとして拡張性を限定した廉価版として位置づけられている。

プリムローズの優れた拡張性により[ヘイズル2号機]の汎用性は大幅に向上し、より多数のオプションの装備が可能となる。新規の武装として、主に右腕に装備するビームキャノン、両肩に装備可能な連装型のミサイルポッド・チャフ散布複合ユニットが装備されている。

また、これら装備の増加に伴い肩アーマーはオプションラッチを搭載した小型の物に変更されている。


宇宙世紀0088年2月のコロニーレーザー争奪戦へと投入。パイロットのカール・マツバラを守りきった後、エゥーゴへの技術漏洩を防ぐため、プリムローズ分離の後にパイロット自身の手で自爆処理を受けた。


バリエーション(作品外)

主に模型誌「電撃ホビーマガジン」、または漫画『AOZRe-Boot』(共にKADOKAWA単独刊行)において発表された機体群。

ヘイズル・フレア

型式番号RX-123。

ジム・クゥエルが設計のベースとして存在しているヘイズル・アウスラを第二世代モビルスーツとして再設計した後継機。ガンダムTR-6[ウーンドウォート]とは兄弟機の関係にある。


万能化換装システムを採用したマルチロール機であり、本来は大型モビルアーマー[インレ]の中核として開発を予定されていたが、万能化換装システムによる機種統合計画の発動を受けて再設計されたウーンドウォートにその座を奪われた経緯を持ち、量産化は見送られた。

万能化換装システムの完成度はウーンドウォートより劣るが、オプションパーツは専用に設計された物が多い為、それらオプションとの親和性は高い。

なお、従来型のTRシリーズとは異なり、高い機動力を持つ事から耐G肉体強化施術を施された強化人間の搭乗を前提としている。


エルアライラー

侵攻・殲滅型モビルアーマー[ラブスカトル]の護衛用随伴機としてヘイズル・フレアに、サイコガンダムの腕部ユニットを発展させた強化型ギガンティック・アームとウェポン・コンテナ(フレアユニット)を装備した機体。

このヘイズル・フレアに合体したMA型Gパーツの事を[フルドド・フレア]と呼ぶ。

エルアライラーの物は特別なパーツ組み換えが行われており、[フルドド・フレア]2機分のパーツに右ギガンティックアームのみカスタマイズされ実体剣のヒートブレード付きモデルになっている。

「矛」として攻撃を担当するラブスカトルの「盾」であり、同時期に開発されたガンダム[スコル]と航宙イージス艦[ハティ]に似たコンセプトを持つ。

装着された強化パーツ群は、TRジェネレーターから発生される電力を動員した高出力・広範囲型Iフィールドによって機体と護衛対象を敵のビーム攻撃から守りつつ実弾兵装による攻撃と、Iフィールドから突き出た大型ビーム砲によるビーム攻撃という護衛機としての本質を貫いたコンセプトとなっている。

一方、対象の防衛が困難な緊急時にはモビルアーマー形態へと変形する事で強襲へ転じる事が可能。

エルアライラーはグリプス戦役後の混乱期にラブスカトルと共に地球への核攻撃に使用されるが、その際にエゥーゴによって鹵獲され、「SSD」に於いて第四世代モビルスーツの開発ベースとして再利用され、後に開発されたΖΖΖガンダムユニットの原型とされた。


フレアユニットはレジオンにも持ち込まれており、フォボス宇宙港でのジオンマーズとの交戦の際に大量のウェポン・コンテナと共にウーンドウォートに装着され(拠点防衛形態クィンリィ)、投入された。


エルアライラー(フライルー形態)

RX-123ガンダムTR-S[エルアライラー]のヘイズル・フレア側の両腕部に[フルドド・フレア]をコンポジットシールドブースターとして組み替えたものを2機装備した形態をフライルー形態と呼ぶ。

運用は主に[エルアライラー]のMA形態で行う。

本形態は[ヘイズル]、ギャプランと続いてきた高高度迎撃形態の完成形にあたる。

この状態で[フルドド・フレア]は4機を強化パーツとして使用している事になる。


ラブスカトル

ヘイズル・フレアにTR-4[ダンディライアン]の発展形である大気圏突入・成層圏機動用バインダーを装着した形態。

モビルアーマー形態からモビルフォートレス形態への変形機構を持つ可変機。その設計思想には旧ジオン系モビルアーマービグロのコンセプトが取り入れられている。

宇宙から地球へ直接侵攻を行う敵を成層圏で迎撃する事をコンセプトとしており、任務終了後は大気圏突入能力を駆使して地上へ帰還、大気圏内に於いては機体内に搭載されたダイダロス・ユニットによる飛行も可能となっている。

護衛用随伴機であるエルアライラーとの連携を想定しており、ウエポンカーゴ内にエルアライラーを格納、オプションパーツの換装や弾薬・推進剤の補給も可能。

TR-6用のダンディライアンⅡとは兄弟機と言える機体であるが、ファイバーⅡの要素も取り入れられている為、これ自体が簡易型インレと言える。


AOZガンダム(ZZZガンダムユニット)

型式番号MSA-0012

λ(ラムダ)ガンダムと同じ形式番号を持つアナハイム・エレクトロニクス社製のガンダムタイプMS。

エゥーゴに鹵獲されたRX-123ガンダムTR-S[エルアライラー]の外装や武装、内部部品をアナハイム社製の規格品に置き換えた再生機である。

その為、外観はコンペイトウ工廠らしさのあった外見からアナハイム社製Z系らしい外観となった。

宇宙世紀0091年頃、連邦軍は複雑すぎる武装、攻撃システムや変形機構ではなくシンプル多機能をMSに求めており、可変機(TMS)も例外ではなく進化の終焉とも呼べる時代が訪れていた。

Z計画で様々な機体が作られたが殆どが量産されず、やがて最終的にZⅡリゼルリガズィ等の簡易変形を行うMSに収束していく。

ガンダムTR-S[エルアライラー]もそういったTMSの終焉の一群へと繋がっていく事になった。

AOZガンダムの変形方法はTR-S[エルアライラー]と同じである。

これはやがて簡易変形を行うTMS、リゼルへと結実していく。

完成した機体は[SSD]に配備され火星圏で地球防衛の任務へと就いた。


ヘイズル・チーフテン

ガンダムビルドファイターズの外伝ガンダムビルドファイターズAに登場するガンプラ

イギリスのガンプラファイターであるアーロン・アッカーソンが、ヘイズルとフライルーをベースに組み上げたもの。全体的なスタイリングはハイゼンスレイ・ラーに似る。

ヘイズルベースなのはアーロンが「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」のファンであった為。カラーリングはスコットランドの国旗をイメージした赤と白のツートンとなっている。

全身にバーニアが増設されており、機動力が向上している他、フルドドⅡは射撃に特化したビームキャノンと格闘用打突武器に改造されており、格闘戦では左肩のフルドドⅡをパージして左腕に装着。また、奥の手としてシールドブースターにビームクローを搭載した「スーパーシールドブースター」を装備する。


立体化

外伝作品の機体ながらプラモデルなどの立体化には比較的恵まれている。

しかしながら各ガンプラは、パッケージがセピアカラー、同封は『組み立て説明書』のみという、あくまでも市販しない事を前提とした体裁となっている(プレバン仕様と言ってしまえばそれまでだが)。


・HGUC

HGUCではヘイズル改、アドバンスド・ヘイズル、ヘイズル2号機(アーリータイプ)がラインナップにある(原型機であるジム・クゥエルも金型流用でキット化されている)。

また、模型雑誌の付録で同スケールのフルドド、プリムローズも立体化されているため、ヘイズル・ラーやヘイズル・アウスラも再現可能である。

なお、初代ヘイズルを再現するには複数キットの組み合わせと塗装は必須。

フルドドについては2019年にプレミアムバンダイ限定でHG化された(白色とティターンズ色)。

同時に再販されたヘイズル改とアドバンスド・ヘイズルは関節が近年主流のKPSに変更され、塗装性が向上した。

次いでプリムローズもプレミアムバンダイ限定でHG化された。

・MG

MGではプレミアムバンダイ限定で製品化され、一部(主に関節部)にガンダムMk-Ⅱver.2.0からの流用部品があるが、ほぼ新規造形である。

ラインナップはヘイズル改のロールアウトカラーと実戦配備カラー(ティターンズ色)、そしてアドバンスド・ヘイズル。

その後、2018年にはフルドド(白色とティターンズ色)も立体化された。

このため、MGでもヘイズル・ラー第2形態まで再現可能となった。(この場合必要なキットはヘイズル改+アドバンスド・ヘイズル+フルドド×2)

・MS in Action!!

このシリーズでは初代ヘイズルとヘイズル改が製品化されている。

色分けは設定どおりで、追加パーツ(シールドブースターやチョパムアーマーなど)も付属する。

しかし、現在では入手するのは難しい。

・モビルスーツアンサンブル

所謂食玩のシリーズ。SD体系ではあるが、換装などは忠実に再現しており、ヘイズル・ラークルーザー形態まで再現可能。


次世代(?)ジェネレーター

カタログ値の通り、ジェネレーター出力はクゥエルと同値であり、小説本編や各種ガンプラのインスト(つまり、公式媒体)では触れられないが、KADOKAWAから出版されている書籍に限り、ヘイズルを含めたTR計画機は次世代ジェネレーターを搭載しているという、オリジナル設定が追加されている。

デザイナーの藤岡建機氏が公開した設定画によると、この次世代ジェネレーターの中心には、氏の出世作であるメダロットのメダルが据えられている


関連項目

アドバンス・オブ・Z

機動戦士Ζガンダム

ティターンズ ジム・クゥエル

キハール ダンディライアン フライルー ウーンドウォート


ジム・ストライカー

マスクコマンダー:ハブンラビとのドッキング、ガンダム顔への換装等の共通点がある。

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