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天皇の編集履歴

2019-05-30 02:28:49 バージョン

天皇

てんのうまたはすめらみこと

天皇とは、日本の伝統的な君主であり、日本国憲法において日本国と日本国民統合の象徴と規定されている。

概要

日本国の象徴及び日本国民統合の象徴。

令和の現在、皇位にあるのは第126代・徳仁陛下(令和元年5月1日より在位)。

天皇の一族は皇族と呼ばれ、天皇も含めた総称を皇室と呼ぶ。「天皇家」や「天皇制」という単語もあるが、実情と異なる後世の造語で詳細は各単語記事にて。


日本神話において天皇は女神天照大神の子孫とされ、宮中祭祀を司る神道の長でもある。紀元前660年に初代神武天皇が即位したといわれ、即位した日(2月11日(旧暦1月1日))は建国記念の日とされている(皇紀の項も参照。なお、建国記念の日は近代には紀元節と呼ばれていた)。

日本創世を記述する『古事記』は上・中・下巻からなっているが、そのうち上巻は神代の時代の物語、初代・神武天皇は神々の子孫として中巻に登場する。だが、考古学上初代・神武天皇から第9代・開化天皇までの天皇は実在しなかったとの見方が大勢となっている。つまり実在したのは第10代・崇神天皇からであろうというわけである。


呼称について詳しくは後述されるが、古代の天皇のことは「おおきみ」「すべらぎ」「すめらみこと」などと呼ばれ、漢字では「王」の文字があてられた。

現在主に使われている「天皇」号の成立は7世紀初頭と見られ、推古天皇に送った書簡にて中華皇帝に並ぶ称号として「天皇」を意味する「天子」が初めて文献に現れたことが確認されている。中華皇帝に対抗するために作ったものであるがどのような経緯でこうなったかは議論が分かれる。また時を同じくして、「日本」という国号も7世紀後半に定まっている。


かつての日本では儒教の「易姓革命論」は危険思想と捉えられ、これを受け入れないための理由として皇室は神武天皇から始まる「万世一系」であるからとされたが、これに疑問を抱く人も昔からいた。皇室では傍系男系皇族への皇位継承がしばしば行われてきたからである。(現在の皇統は閑院宮家出身の光格天皇から続くもの)。とはいえ皇族同士で最後に皇位の入れ替わりが発生したと考えられるのは天智天皇の弟である天武天皇が起こした壬申の乱による天智天皇の太子・大友皇子弘文天皇の称号を追号)からの皇位簒奪であり、それ以降の皇位継承は全て直系子孫か男系皇族が先代天皇の儲君として婿に入る形で行われてきたので王朝交代は起こっていないと言える(ただし古代まで遡ると現在の皇室は第26代・継体天皇が王朝を簒奪したことにより初代として樹立されたとの議論があるが、応神天皇からの系図が存在する上に第24代・仁賢天皇の娘、手白香皇女を皇后に迎え、彼女との子の欽明天皇の血統が現皇室に続いているため、女系を含めての皇統であるとする者もいる)。壬申の乱による王朝交代説を採ってもそれ以来少なくとも皇統は1400年近く続いていることになる。


皇室を論じる学者の間では皇統は男系であるという定説がついているが、実のところ直系を推奨し、傍系を疎む様子は窺えど女系を疎む資料は見つかっておらず、単に中国から輸入された男尊女卑の思想に基づいた結果男系になっただけとする学者も存在する(というより皇室を専門にしている学者程男系にさほど固執していないとするとする傾向が強い)。

事実、歴代の中国王朝朝鮮王朝、フランス王朝などの男系王朝では傍系は際限なし、女帝なしが徹底されており、日本の皇室とは事情が全く異なるのである(武則天は帝位を実力で簒奪しており、これは易姓革命である)。


海外において天皇の存在は英語で「emperor=和訳での皇帝」と称され、現在の世界で「emperor=皇帝」に相当する存在は天皇のみとされている。性質上では「教皇」に近いが、君主としては皇帝の立場になっている。学術的に中国や欧州での皇帝とは意義が違うとして「mikado」と表現することもある。



日本国憲法における天皇

天皇は我が国の最高の御地位に存しまし、その御地位は我が国の歴史に由来している。このことを大日本帝国憲法では「神聖不可侵たる万世一系の国家元首」、日本国憲法の第1条には「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」であると表現されている。

これらは法文上に示された表現に過ぎないが、「象徴」とは「あくがれ(あこがれ)の対象」と解され、さらに「国民親愛の対象」であると文部大臣が述べている。しかしながら、日本国憲法第1条は同時に「天皇の地位は主権の存する日本国民の総意に基く」と明記しており、主権があるのは天皇ではなく日本国民であると規定している。


上記の通り、現行憲法は第1条において「国民主権」を定めており、第4条において「天皇が国政に関与することを禁じて」いる。天皇が行う国事行為は憲法第6条、第7条に定められた12項目のみであり、これらの行為には「内閣の助言と承認」が必要であると憲法第3条に明文化されている。


憲法第6条・・天皇の任命権

  1. 内閣総理大臣:国会が指名し、天皇が任命する。
  2. 最高裁判所の長たる裁判官:内閣が指名し、天皇が任命する。

憲法第7条・・その他の国事行為

  1. 憲法改正、法律・政令・条約の公布。
  2. 国会の召集…内閣が決定、天皇は招集するのみ。
  3. 衆議院の解散…内閣信任案の否決、内閣不信任案の可決などを経て内閣が衆議院を解散する。
  4. 総選挙の選挙の公示…上記3を経て内閣が決定し、天皇が公示する。
  5. 国務大臣その他の官吏の任免、全権委任状の認証、大使・公使の信任状の認証を行う。
  6. 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権の認証…内閣が決定し、天皇が認証。
  7. 栄転の授与…栄誉の表彰や特定人に与えられる特殊な待遇、文化勲章など。
  8. 批准書などの外交文書の認証…条約を締結するのは内閣、認証するのが天皇。
  9. 外国の大使、公使を接受…外交使節に接見し、信任状を儀礼的に受ける行為。
  10. 儀式の施行…政治的意味を持たない国家的儀式。大喪の礼、即位の礼など天皇が主体になるもの。

また、憲法第条は政治的中立性を保つため皇室の財産授受には「国会の議決」が必要であると規定している。


天皇・皇族はその地位と職務の特殊性から一般の国民に認められた人権に一定の制限が加えられている。

1. 憲法の明文規定による制約

 憲法第2条「世襲制」…憲法第14条第1項に定められた「法の下の平等」の例外

 憲法第1条「象徴としての地位」…憲法第4条第1項「国政への関与の禁止」の根拠

2.法律による制約

 皇室典範第9条…養子縁組の禁止。

3. 憲法解釈による制約

 憲法第15条「選挙権・被選挙権」…憲法第4条第1項を解釈。

 憲法第21条第1項「政治活動(政治的表現)の自由」…憲法第4条第1項を解釈。

 憲法第22条第2項「外国移住・国籍離脱の自由」…皇室典範により皇籍離脱の自由が認められていない。

 憲法第20条第3項、第89条「宗教活動」…国家は宗教的中立性を保つ政教分離の原則によらなければならないという解釈。

このうち、皇籍離脱に関しては天皇と皇太子(あるいは皇太孫)には認められていない。親王も自らの意思によって離脱することは出来ない。王・内親王・女王は意思による離脱が可能であるが、皇室会議の議決が必要である。

宗教活動については、天皇は上記の通り神道の長である。また、天皇が信仰の自由を有するか否かについて、少なくとも否定はされていない。現に、天皇は神代以来の様々な儀式を現在も行っている。

しかしながら、政教分離の体裁を保つため、例えば昭和天皇の大喪の礼(葬儀)においては神道の性格を帯びる部分を「皇室の私的行事」、国として取り仕切る部分を「国の公的行事」として一々細かく分けて行っている。


「天皇」号

「天皇」という称号の由来には、複数の説がある。

  • 古代中国で北極星を意味し道教にも取り入れられた「天皇大帝」(てんおうだいてい)あるいは「扶桑大帝東皇父」(ふそうたいていとうこうふ)から採ったという説。
  • 唐の高宗は皇帝ではなく道教由来の「天皇」と称したことがあり、これが日本に移入されたという説。
  • 5世紀頃には対外的に「可畏天王」、「貴國天王」あるいは単に「天王」等と称していたものが推古天皇朝または[天武天皇]]朝に「天皇」とされた等の説。

称号と呼称の歴史

  • 近年の研究では「天皇」号が成立したのは大宝律令で「天皇」号が法制化される直前の天武天皇朝または持統天皇朝(7世紀後半)とするのが通説である。過去には、戦前に津田左右吉が唱えた推古天皇朝という説も有力だった。
  • ただし天武天皇朝とする説も「唐の高宗以降であるはず」という根拠は薄弱であり、推古天皇以降にいつまでも「王」号を使いつづけたとも考えにくい。
  • 伝統的に「てんおう」と訓じられ、字音仮名遣では「てんわう」と表記し、明治期連声により「てんのう」に変化したとされる。
  • 別の読みでは「すめらぎ」「すべらぎ」「すめらみこと」とも称された。
  • 天皇号の成立以前の君主号は、倭国王・倭王・天子(対外的)および治天下大王(国内向け)だったと考えられている。
  • 養老律令の天子条において、使用する場面において使われる呼称が異なっていた。祭祀においては「天子」、詔書においては「天皇」、国内外においては「皇帝」、上奏においては「陛下」、行幸においては「乗輿(大内裏内)」「車駕(大内裏外)」と使い分けていたが、読みは全て「すめらみこと」「すめみまのみこと」であった。
  • 中世・近世では「天皇」は対外的に使われ、国内ではみかど(御門・)・禁裏・内裏などと呼ばれた。
  • 譲位した天皇は「太上天皇」略して「上皇」と呼ばれ、出家したら「法皇」と呼ばれた。
  • 天皇個人ごとに呼ばれる「○○天皇」は、その崩御後に付けられる諡号(しごう)で、在位中は「今上」と呼ばれる。
  • 公式の場での一人称はかつては「朕(ちん)」または「余(よ)」。昭和天皇は私的な場において「」を使っていた記録がある。現在では「私(わたくし)」がほとんど。
  • 前近代での敬称は主上(しゅじょう)・聖上(せいじょう)と呼ばれ、近現代では「天皇陛下」が標準になっている。近世・近代には「天子様」「天朝様」とも。
  • 明治期になって政府により天皇の称号を「天皇」と国内外双方で統一・明文化されたが、一時期は「日本国皇帝」とも用いられた。
  • 近代では陸海軍の統帥権を持っていたため、「大元帥」とも呼ばれた。

皇室関係以外の、敬称としての天皇

人名

日本におけるそれぞれ業界において華々しい業績を挙げた者、及び絶大な権力を持った者を「○○天皇」と呼ぶことがある。もっとも、日本の天皇は権威はあっても実質的な権力はない時代がほとんどで、天皇のイメージにはそぐわない呼称ではある。

  • 金田正一 プロ野球国鉄スワローズで400勝を挙げた大投手。現役当時監督より絶大な権力を持っていたとされ、引退後も名球会を創立し、その会長のして権力をふるったことから「金田天皇」と称される
  • 黒澤明 映画監督。「世界のクロサワ」として世界でも名前が通っている。スピルバーグやジョージ・ルーカスにも多大な影響を与えている。自分の作品についてはとことんまで完璧に拘る姿勢で、撮影の邪魔だから家を一軒丸ごと立ち退かせたり、そのエピソードには枚挙にいとまがない。

なお、表向きの役職から退いたものが引き続き権力を持つ(例:元首相や、社長を退いた会長・相談役など)ことを、天皇を退いた上皇の例になぞらえ「院政」と例える。


スポーツ

日本のスポーツに天皇の名を冠する賞杯がある。


皇位簒奪、皇統危機

その皇統は連綿と続く中で様々な権力者は天皇を倒して皇位を奪おうという者はほとんどおらず、どんな権力者であっても基本的には臣下の最高位と立場をとったとされる。

無論、皇位簒奪を狙った者もそのような状況と立場になった者も少なからずいた。


  • 道鏡 - 天平期に孝謙女帝(称徳女帝)の後ろ盾に権力を高め、八幡神の宣託で皇位を窺うも、和気清麻呂によって阻止された。一説では天智帝の子孫ともされる。
  • 平将門 - 坂東で挙兵した桓武帝の子孫で、京の朝廷に対し「新皇」の号をもって対抗したが、朝敵として討伐された。
  • 足利義満 - 南北朝を合一し日明貿易で莫大な利益を上げ、対外的には「日本国王」号を使用した室町幕府三代将軍で源氏長者。息子の義嗣(四代将軍義持の弟)を皇位につけ、自らは上皇・治天の君として権勢を振るおうとしたという説がある。

上記の人物はいずれも皇室の縁者であるか、あるいはそのような説が囁かれおり、例え皇位を脅かすような人物であっても、皇位に連なる人物であると主張することで、万が一事が成し遂げられても万世一系は崩れない、あるいはそうあって欲しいという人々の考えが根底にあるとも考えられる。


皇室または朝廷そのものと対立し争った相手は古代には他にもいる。

  • 筑紫の磐井 - 九州は福岡の豪族。朝鮮南部の利権を巡ってヤマト王権と争い、明確に天皇政権そのものを倒そうとした人物。
  • アテルイ(阿弖流為) - 蝦夷(えみし)の長。東北の豪族。同じくヤマト王権と対立し、初代征夷大将軍坂上田村麻呂に投降した。

戊辰戦争の際に奥羽越列藩同盟は皇族の輪王寺宮公現法親王を「東武皇帝」として擁立とした説もある。

さらに先の大戦において、終わり方が違っていれば最悪、日本が解体され皇統断絶の恐れもあった。

その終戦直後、GHQが昭和天皇の処分をどうするか考えあぐねているところに、南朝の後胤と主張する熊沢天皇を名乗る人物が現れ、その後も各地でいわゆる「自称天皇・偽天皇」が続出し、GHQも一時は真面目に対応したため話題になった。


注意

  • Pixivではこの関係のイラストは少なく、いわゆる大人の事情が関わってくるため、扱いは注意が必要とみられる。
  • 誤解されることが多いが、天皇になることは権利ではなく“義務”であり、天皇や皇族の人間には一般国民に保障されている人権が、殆ど存在していない。 詳細⇒皇室

フィクション天皇

我が国では様々な分野の作品において「天皇」をどう扱うか、とてもデリケートな問題であり、いわゆる「菊のタブー」が関わる。

作中で天皇を題材することを禁忌とする風潮が多く、天皇を批判・侮蔑・パロディした表現や描写がされると激しい批判と暴力的圧力がされる場合もある。

小説漫画アニメ映画ドラマなどでも歴史系作品ならいざ知らず、近代に近づくほど難しい。もっとも、「黒豹スペースコンバット」のように堂々と登場させたうえ、主人公に泣いて頼みごとをするという役を割り振った作品もあることはある。架空の天皇や皇族が登場するのでも難しいが、ちなみに『源氏物語』にも天皇は登場するが、架空の人物のため一応セーフとなっている。


以下のリストを見るとタブーが無いかのように見えるが、小説『シャングリ・ラ』では神武天皇についての設定が、アニメ版では卑弥呼に差し替えられている(神武帝じしんは故人であり、近未来を舞台とする本作に登場人物として登場しない)。

一方、別の小説『少年陰陽師』の場合はアニメ版でも差し替えなしで登場している。


サウスパーク』の「チンポコモン」の回ぐらいぶっちぎっていると確実にタブーに触れる模様。


実在の天皇が登場する作品

架空の天皇が登場する作品


関連イラスト

継体天皇朗らかなお顔立ちでございます

無口なおじさん

おそれおおいですが先帝陛下「来ちゃったw^^」


関連項目

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詳細⇒歴代の天皇


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