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ゲームキューブの編集履歴

2021-05-02 09:31:16 バージョン

ゲームキューブ

げーむきゅーぶ

任天堂の家庭用ゲーム機。

概要

ゲームキューブ

正式名称は『ニンテンドーゲームキューブ』

2001年9月14日に発売された。略称はGC

開発時の名称は「ドルフィン」。

キャッチコピーは「かつて無い最高傑作のテレビゲーム機」


21世紀の一発目に発売された家庭用ゲーム機でもある。


当時経営企画室室長だった岩田聡によると前世代機のNINTENDO64は確かに高性能だったが、「ゲーム機」としては役に立たないスペックが多く、またスペックの高さに比例してソフト開発の難易度も上がってしまったために、ハードへの最適化など直接ゲーム作りとは関係ない部分に時間や体力を割かれることが多かったとのことで、その反省から純粋なマシンパワーの高さよりも「ゲーム機」としてフルに性能が発揮できる事を重視した設計になっている。

ゲームの開発難度も引き下げられており、NINTENDO64では不足していたサードパーティ製ソフトも多く発売された。


コントローラWiiでの使用も可能。

映像ケーブルはスーパーファミコン・NINTENDO64のAVケーブルを共用できる(Wii以降は違う形状になった)。また、映像出力コネクタに接続する変換機器が必要だがRF出力が出来た最後の任天堂ハードでもある。一方、(初期型のみだが)デジタルAV出力が任天堂据え置き機としては初採用(D端子ケーブルで接続。ただし映像のみで、音声出力は別途AVケーブルが必要)となり、幅広いグレードの出力に対応している。


任天堂ゲーム機では初のソフトに光ディスクメディアを採用。8cmDVDディスクとほぼ同じであるが、DVDをカスタムした独自規格である為ゲームキューブ以外のDVDドライブでは認識しない。その為、DVDの規格には厳密には入らない。普及している一般的な規格と異なるのは海賊版対策が目的であり、逆にDVD(8cm)やCD-ROM(8cm)がゲームキューブでは認識しないのもそのためである。尚、コピーガードは松下電器産業(現:パナソニック)の技術が使われている。


成果

ハードとしての完成度は高かったものの、ライバル機であるPS2に発売日で大きく遅れをとってしまったことと、NINTENDO64との互換性を持っていなかったため、売上面では苦戦した。海外ではPS2のみならず、マイクロソフトXboxにも敗北を喫している。結果的に、N64の3分の2ほどしか売れない結果となった。

実際にゲームに使えるグラフィック性能はPS2の300万〜600万ポリゴンに対し、600万〜1200万ポリゴンと性能は上だった。しかし宣伝したPS2の性能では6600万ポリゴンと紹介され、数字が高いことばかりに注目した一般人にGCはPS2より性能が低いと見られていた(因みにある解析サイトによるとゲームキューブが同様の計算をした場合およそ9000万ポリゴンになると言う)。


ソフト面でもテイルズオブシンフォニアピクミン等の意欲的な作品が生まれたが、やはり売上的には苦戦した作品が多く、ミリオンセラーを記録したのは『大乱闘スマッシュブラザーズDX』だけであった。マリオシリーズなどの人気シリーズでもミリオンセラーを超えたものが1つも存在しなかった。


PS2と性能面で似ているため、サードパーティが発売するソフトはPS2との重複タイトルが多かった。また、セガは自社ハードの撤退を受けて、ドリームキャスト向けに作られたタイトルの一部をGC用に移植して発売している(ソニックアドベンチャー2ファンタシースターオンラインなど)。

しかし、PS2の方が高いシェアを誇っていたこともあってか、当初GCでのみ発売を予定していたものが途中でPS2でも出すことに変更したり、後期になるとGCでのリリースを取りやめるタイトルもあった。


派生機種

ゲームキューブ(後期型)

2004年夏頃から2005年の冬頃より国内で発売。デジタルAV出力ポート及びシリアルポート2が削除、端子接続ポートが1つに変更された。


Q(キュー)

松下電器(現:パナソニック)から発売されていたGCの互換機。DVDが読み込めるが、あまり普及しなかった。

GCディスクとDVDを同時に読み込めるという設計で無茶をした故か、ディスクを削るという問題が起こっている


TRIFORCE

ナムコ・セガ・任天堂が共同開発したアーケード基板

ゲームキューブの技術を応用した構造になっている。

マリオカート アーケードグランプリ1・2』、『F-ZERO AX』等で採用されている。


後継機種

Wii

後継機ゲームボーイプレーヤーやLANアダプタを用いた機能を除けば完全な互換性を有しており、その影響でGCは瞬く間に市場から姿を消していった。

現在GCのD端子ケーブルが万単位の高値で取引されているのに対して、WiiのD端子ケーブルはジャンクショップ等で数百円程度で大量に投げ売りされている事が多いので、手軽にプログレッシブ画質でGCソフトを楽しめるハードにもなっている(ただし、現在は非公式だが初期型GCのデジタルAVポートからHDMIに変換出力する製品が出回っているので、この優位性は失われつつある)。


WiiU

Wiiの後継機種であるWiiUでは、GCソフトの読み取り機能や起動用のソフトウェア(ファームウェア)が取り除かれているため、WiiUでGCソフトは遊べないことに注意が必要。

無理矢理ディスクを入れようとすると中で詰まる等故障の原因になる。


大乱闘スマッシュブラザーズXマリオカートWiiなどをGCコントローラで遊ぶ場合やWiiでGCソフトを使用する場合は、WiiU購入後もWii本体をとっておくことを推奨(特にGCソフトを高画質で楽しみたい場合、上記したようにゲームキューブ用のD端子またはコンポーネントビデオケーブルが入手困難かつ万単位のプレミア価格な上、Wiiのオプションケーブルの方が容易に高画質にできる)。


GCコントローラは大乱闘スマッシュブラザーズ_for_Wii_Uのみで使用可能(要・専用マルチタップ)。それ以外のソフト(Wii専用ソフトを含む)では使用できない。

ちなみにGCコントローラはスマブラWiiU発売に合わせて新色が発売された為、二世代前のハードのコントローラが再生産された極めて珍しい例である。


なお、GC自体は2012年7月31日をもって任天堂の公式修理サポートを終了している。


Switch

仕様を大幅に変えたニンテンドースイッチは当初非対応になった為、この時点で幕を下ろしたと思われたが2017年10月19日のバージョンアップにより専用マルチタップが対応になった事でゲームキューブの歴史が延長されるようになった。


国内外問わず多くのファンからスマブラのSwitch版とGCのバーチャルコンソールの伏線だと確信する事は少なくなかった。


その伏線は2018年のE3で『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』が発表で無事回収され、それに伴いなんと新デザインのGCコントローラとSwitch向けの接続タップが発売されることが決定した。

これによりGCのコントローラは実に4世代15年以上を跨がる前代未聞の長寿コントローラとなった。

接続タップはWiiU版と仕様は同じで、過去の製品の再販に近い。1つのタップで最大コントローラ4つ分の接続をする事になるためUSBケーブル2本分の給電が必要になる。


ちなみに、HORI製のSwitch向けのライセンス商品の一つである「ホリ クラシックコントローラー for Nintendo Switch」と「ホリ ワイヤレスクラシックコントローラー for Nintendo Switch」はデザインをGCコントローラに模しただけでなく、ZL/ZRボタン(ボタン配置は、前者はGCコントローラにZボタンの配置に近いが、後者はプロコントローラーに近い配置となっている)、HOME・キャプチャー・+/-ボタンがあり、スティックが押し込み可能であり、前者はUSB接続、後者はプロコントローラー同様ワイヤレス接続で加速度センサー/ジャイロセンサーも搭載され、USBケーブルをUSB ACアダプターかNintendo SwitchドックまたはポータブルUSBハブスタンドに接続する事で、本品を充電する事が可能になっているというプロコントローラーにある機能が追加されている上に連射機能(後者には同じHORI製のSwitch向けのライセンス商品の一つである「グリップコントローラー for Nintendo Switch」のようにアサイン(各プレイヤーのスタイルに合わせたボタン設定をする事)可能な背面ボタンが搭載)があるというSwitchユーザーによってはわざわざGCコントローラと別売りの専用マルチタップを買うよりもホリ クラシックコントローラーまたはホリ ワイヤレスクラシックコントローラーを買った方が良いと思える代物となっている。


スペック

CPUIBM PowerPC G3カスタム 486Mhz通称「Gekko」。2次キャッシュ256KB。
GPUATI Flipper 162Mhzキャッシュ用にeDRAM(1T-SRAM 3MB)を搭載
メインメモリ1T-SRAM 24MB持続レイテンシ性能:10ナノ秒(N64のおよそ64分の1)
補助メモリSDRAM 16MB
メディア8cm光ディスク 約1.5GBCAV方式(ディスクの回転速度が一定)

上記したように安定した高性能を追求した設計を目指しており、中でもロード時間とアクセスレイテンシの低減に力を入れた構造になっている。

主な特徴としてディスクにCAV(角速度一定)方式を採用している。

この方式ではディスクの回転速度を変えずに読み出すことができ、ランダムアクセス(ディスクにバラバラに配置されたデータを読み取ること)を要求されたときでもスムーズに読み出すことができるようになっている。

その代わり特性上ディスクの外周部に行くほど記録密度が低下するため一般的なDVD-ROMに採用されているCLV(線速度一定)方式に比べて容量が犠牲になる欠点も併せ持っている。


もうひとつの特徴としてはメインメモリに1T-SRAMを採用している。

このメモリは通常のDRAMよりアクセスレイテンシ(プロセッサから送られた命令を実行するまでの待ち時間)が少ないのが特徴である。

アクセスレイテンシが発生している間はプロセッサが所謂「空回り」した状態になり、プロセッサの本来の力が出せなくなってしまう為、極力レイテンシの少ないメモリを採用することでプロセッサの「空回り」を抑え、マシンスペックのムダを少なくする狙いがあると見られている。

コストとスペースの関係上容量は24MBとやや控えめだが補助メモリ(通称A-RAM)を別に搭載することでカバーしている。


ちなみにCAV方式と1T-SRAMは後継機のWiiにも採用されている。1T-SRAMに関してはWiiではゲームキューブのように基板に配置されているのではなく、GPUのパッケージの上に搭載されている。


代表的なソフト

余談

  • 耐久性について

本体の頑丈さに定評があり、その耐久性は二階からコンクリの床に落としても、杭打ちのハンマーで殴っても、で引きずり回しても、いろいろあって外装フレームの三分の二が吹っ飛んでも、各種コードをつないで電源をつければしっかりと動作するというトチ狂った物。

ただし光ディスクを扱うマシンの宿命でレンズ部分はそこまで強くない。

YouTubeにかつてその実験動画がアップされていたが、不謹慎故かもったいない故か、いつの間にか削除されてしまった。

  • 実は第三の3D立体視ゲーム機?

実はGCには内部に3D立体視表示の機能が存在するという。しかし、当時は3D立体視に対応するモニターが高価である事やまだ少なかった為使われる事はなかった。ファミコンの3Dシステムやバーチャルボーイの順で考えると3番目になるのだが、実現しなかった故にその座はニンテンドー3DSに譲る事となる。

  • アーキテクチャ

ゲームキューブに搭載されているPowerPC G3アーキテクチャのCPUとAMD製のGPUという組み合わせは次世代機のWii、そしてその次世代機のWii Uにも引き継がれている。

あえて新規アーキテクチャのプロセッサを搭載しないことで前世代機との高い互換性の確保(ユーザーにとっては前世代機のゲームがそのまま遊べる、開発者にとっては前世代機のソフト開発で培ったノウハウが流用できると言うメリットが生まれる。)、動作の安定性の確保(熱暴走や未知の不具合によるトラブルの防止。)、そして高いワットパフォーマンスの実現(同水準の性能のゲーム機、例えばXbox 360とWii Uで比較するとXbox 360の120Wに対してWii Uは75Wとおよそ6割の電力で動く)を可能にしている。

Wii Uの次世代機であるNintendo Switchでは流石にアーキテクチャの老朽化が目立ってきたためか、上記のアーキテクチャをバッサリと切り捨て、ARMv8系のCPUとNvidia製のMaxwellアーキテクチャのGPUという比較的新しいアーキテクチャのプロセッサを採用している。

  • あの音の正体

本体メインメニューに流れている音は環境音にしか聴こえないが、実はこれファミコンの「ディスクシステム」の起動音の超低速アレンジ。倍速再生させるとディスクシステムの起動音である事がわかるようになっている。

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