食用ポケモン
しょくようぽけもん
概要
ポケモンの中には現実の生き物と同様、普通に(ゲームやアニメ等で)食用として利用されるポケモン達もいる。2017年には、ポケモン以外の食用生物の存在を公式が示唆したと一部で話題になったが、最近ではいつの間にかなかった事になるなど、公式側は明言を避けているようだ。
当記事で紹介するのはその一例である。その気になったらまだまだ食べられそうなポケモンはいそうである。特にみずタイプやくさタイプのポケモンなどには、モチーフが食用の生物であるものが多く見られる。
また、食用といっても再生可能な体の一部分を切り離したものだったり、あるいは二次的な生成物がそう扱われているものが多数を占めている。
ちなみにメインイラストのカモネギなんかはどう見ても食用という感じで、食用になりそうなポケモンの代表格として挙げられやすく、実際、無印アニポケの図鑑説明では『持っている植物と一緒に食べると美味しいからと乱獲され、数が少ない貴重なポケモン』と紹介されている。
なお、剣盾で手に入るカレーの食材「ふといながねぎ」は可食。アイテムの説明文によると、これがカモネギの好む「植物のクキ」かは不明だそうだが、通常のカモネギと異なり、ガラル地方のカモネギとネギガナイトの得物は「ネギ」と明言されているので、彼らの得物が「ふといながねぎ」として食用であっても矛盾はしない。
ポケモン同士の食物連鎖に関しては、ピジョンがタマタマを捕食するという設定があるなど、割と初期からあるネタだったりするが、当記事では人間が食べることができるポケモンのみを記していく。
人間の関わらないポケモン同士の捕食・被食関係については親記事の「ポケモンの生態系」を参照。
主な食用ポケモン
分泌物系
ポケモンから分泌、あるいは生成される物質を用いるタイプで、食べられるポケモンにとっても食べられることを前提としているためほぼ無害。
ラッキーは優しいトレーナーに対しては栄養満点で美味しいタマゴを生んではプレゼントしてくれるらしい。その一方で意地悪なトレーナーには分けてくれないらしい。
ガラル地方では「ゆでたまご」として登場し、カレーの材料となっているが、カレーの上にそのままの状態で乗っかっていると言う超ワイルドな盛り方である。
ハピナスのタマゴは幸せが詰まっていると言われており、食べると誰でも笑顔になり、幸せになると言われるほどに絶品。また食べた人は優しくなるとも。市場で一番高い値段がつくらしい。
甲羅の中に蓄えたきのみを特殊な体液と混ぜる事で独自の発酵を行い、ドロドロとした美味しいきのみジュースへと変える。
栄養価が高く、高カロリーのミルクを出す。これを飲んで育った子供は健康でたくましい大人になり、お年寄りや病人にも重宝されている。ただし、栄養価が高過ぎるが故に飲みすぎは禁物だとか。
ガラル地方では、「モーモーチーズ」がチーズまみれカレーの材料として流通している。
また、ジョウト地方やアローラ地方では乳牛として登場、牧場で放牧され飼育されている。
更にはミルタンクはいないものの、シンオウ地方ではミルタンクのモーモーミルクを取り扱うメイド喫茶「カフェやまごや」がある。 メイドさんの「モーモーミルク ごっくんしてください」は今では伝説の名(迷)言の一つである。
ミツハニー・アブリー系統には「あまいミツ」を集める習性があり、クサイハナは「あまいミツ」を分泌する。「あまい」と称する以上、甘味料として利用されている可能性はある。
また、アマカジの汗も甘味料として利用でき、水で薄めてジュースにしていただけるという。
さらに、ポケモン図鑑によると、アブリボンが作る「かふんだんご」はサプリメントとして利用可能である。
ドレディアの頭の花から取れるミツは、サラリとしているらしい。カジッチュのミツはジュースの様なものだとか。
喉元に甘くておいしい果物を実らせており、南国の子供のおやつになっているという。同じ南国植物でもナッシーにはきっとできない芸当だろう。
1年に2回実をつけるが、自分も大好物らしいので収穫時期には気を付けたほうがいいかも。
外見はどう見てもバナナだが、ポケモン図鑑では、初出のルビー・サファイア版から一貫して「フサ」と呼ばれている。ガラル地方で入手できるカレーライスの材料「フサパック」も、おそらくはトロピウスの果物であろう。
アローラのトロピウスの首に実るフサは他の地方よりも格別に甘く美味しい。また暖かい土地にはトロピウスを育てる牧場が沢山あるとされる。
同じく木の実系だがこちらは雪国育ち。
春になるとアイスキャンディーのような食感の木の実がおなかの周りに実る。
アニメ『ポケットモンスター ダイヤモンド&パール』では、白くて丸い木の実として描写されており、同時にハヤシガメの背中の木にもドングリ様の木の実が実ることが判明したが、食べたサトシが渋い顔をしてそれを見たタケシが「好みが分かれる味」と評価するなど人間用の食材としては適さない模様。
手からホイップクリームを出すことができる。マホイップが幸せなときは、甘みとコクが深まる。
マホイップのクリームでデコレーションされたスイーツはとっても美味しいらしい。
なお、マホイップはアメ細工や進化させる時間により姿かたちが変わるが、これに伴って味と香りも異なっているようだ。
頭の先から甘い液体を出す。これを集めてシロップとしてパンに塗って食べると美味しいらしい。
尚、この甘い汁は鳥ポケモンは嫌いな味だとされる。
所謂オリーブオイルを生成し体に溜める。ミニーブの時はえぐ味が強いが、進化するとフレッシュで美味しいものとなり、仲良くなった人間に分けてくれる。
体の一部
身体の一部や体に無数に生えているものが食用に用いられるタイプ。欠損しても再生可能な部位であることが多い。
ヤドンの尻尾は栄養はないが甘みがあり、ジョウト地方でロケット団に乱獲されていたほか、ミアレシティの「リストランテ 二・リュー」では珍味として提供されている様子である。
ムーン版のヤドンの図鑑説明文によれば、アローラ地方でも家庭の味として親しまれている。
尻尾は自然に切れる事が多いらしく、食材としてメジャーなのもそれだけ自然で抜け落ちる頻度や数が多いからと考えられる。
ちなみに尻尾は自らも釣りの餌として用いる器官のためか切れても痛みは感じないようで、さらにトカゲのようにまた生えてくるので安心。
剣盾のガラル地方に至ってはカレーライスの具材「しっぽのくんせい」として商品化されている。
ガラル地方のヤドンは、料理に欠かせないスパイスでもある植物の種「ガラナツ」を好んで食べている事で、その成分を世代を超えて体内に蓄積し、尻尾の風味がスパイシーなものになっている。
千切れてもすぐに生える蔓草は独特な香りを放っており、ガラル地方などの一部地域ではハーブとして扱われている。
頭に食べると疲れが取れる葉っぱが生えている。
ヤナップは元気の無いポケモン達に分け与えるようだ。
チュリネの葉っぱは目眩がする程に苦いが、齧ると疲れた身体が元気になる。煎じて飲むとより効果は高まる。ちなみに頭の葉は、煮出した汁を虫除けに使用したりもする。
ハサミがもげやすく、それが食用になるとのこと(ケケンカニに至っては自ら切り離してロケットパンチしてくることもあるが)。マケンカニのそれは中身は少ないがコクがあって旨いらしい。ガケガニに至っては名物料理のアヒージョに使用されている。
ハサミはすぐ再生するため、もいで死なせるなんてことにはならないのでこれまた安心。
クラブは初代アニポケにて、蟹鍋にして食べられる事が示唆されている。逆にシザリガーは泥臭く食えたものではないとの事。
甘い蜜で体が覆われており、背中の皮は特に甘いらしい。
昔は子供のおやつだったと言われている。
背中の皮に痛覚があるのか、また食べたあとは再生するのかは図鑑などで明言されていないが、レベルアップ(ソード・シールドではLv.24)で「じこさいせい」を覚えるため、背中の皮は割とすぐ再生するのかもしれない。
こうちゃポケモンであるヤバチャ、ポットデスは体を形成する紅茶を飲むことが可能。
ヤバチャは人間にのまれることで生気を取ろうとするが、その味は非常にまずいらしい。
一方のポットデスは信頼するトレーナーにのみ自身の紅茶を味見させてくれ、独特の味と香りを持つがおいしいようだ。
ただし飲みすぎると体調不良を引き起こす点には注意。この点は実際の紅茶のカフェインの性質などを反映しているものと思われる。
がんえんポケモンの彼らからは常に良質の塩が採れ、その塩を使用した料理やアイスはちょっとした名物。時には塩分やミネラル欲しさに、他のポケモン達が寄ってくる事もあるらしい。
唐辛子モチーフの彼らはパルデア地方の激辛郷土料理には欠かせない存在。カプサイジは抜け落ちた前歯が使われ、その進化系のスコヴィランは専用技「ハバネロエキス」を利用したであろうソースが販売されている。
メノクラゲ種にそっくりな陸棲の茸ポケモンで、体から剥がれ落ちるヒラヒラした部位は歯応えがあって美味とのこと。
作中でも実際にキュウリと和えて酢の物として提供している中華料理店が存在する。
身・肉
身体を構成している肉を食べるタイプ。ミガルーサを除き、食べる際はその命を奪う形になるものと思われる。
どういうわけか魚型のポケモンが殆どで、ポケモン世界の人間は魚型のポケモンに関してはその「身」自体を食べることに抵抗がない様子。
アニメにて、サトシ・タケシ・カスミ・ロケット団がイカダで漂流した際、コジロウが怪しいポケモン売りから買ってしまったコイキングの魚料理を想像して涎を垂らす場面がある。
しかしその後ニャースが、辛抱たまらずコイキングを生きたまま食らおうと齧りつくも歯が欠け断念する。みずポケモンに詳しいカスミいわく「コイキングは骨と皮と鱗しかないわ」ととても食べられたものではない旨を述べている。
しかしのちにゲーム金・銀の「赤いギャラドスの伝説」においては、コイキングは明確に食用とされ、食糧難の時代の一地方を救った食材としても述べられている。
その他、初代が発売されて間もなくの商業アンソロジーや4コマ漫画作品でも、トレーナー達が弱くて要らないからと釣ったそばから塩焼きにして食べる等のネタが見られた。
意外とおいしいらしい。地方によってはとてもよく釣れるのもポイント。
バスラオは赤筋の個体は脂身が多く乗っていて若者向けの味、青筋の個体は身が淡白で食べやすいらしい。
ヨワシは一般食なのかどうかは不明だが、「おいしい」と書かれているので食例はある模様。
カマスジョーの方もソード版の図鑑説明文で「驚くほど美味しい」と明言されていることから、こちらも食例があるようだ。ちなみに進化前のサシカマスについては言及はないので不明。
ミガルーサに至っては自ら贅肉をパージする始末。切り離された贅肉は「淡白だが美味」とのこと。再生能力のおかげで即座に肉体を復元できるので問題はないようだが…
過去に背ビレが珍味の食材として乱獲された。
持っているネギと一緒に肉を食べると美味しい為、乱獲された過去がある。
また所持しているネギはカモネギ自身の非常食としても扱われる。
最後に、食用になったポケモンたちへ(シンオウしんわより)
うみや かわで つかまえた
ポケモンを たべたあとの
ホネを きれいに きれいにして
ていねいに みずのなかにおくる
そうすると ポケモンは
ふたたび にくたいをつけて
この せかいに もどってくるのだ
この記述はシンオウ地方のミオシティにある図書館で見ることができる。
これは北海道アイヌの自然に対する伝統的な考えかたによく似ており、いにしえのシンオウ人にとっても、自然への感謝を忘れないための教訓だったのだろう。
我々に対しても、現実でも、ゲームの世界であっても、いただいた命には感謝しなければならない、というメッセージなのかもしれない。