「ゴジラVSキングギドラ」、「ゴジラVSメカゴジラ」に登場。
「VSメカゴジラ」では、メカの首のみが登場した。
データ
身長: | 140メートル |
---|---|
体重: | 8万トン |
出身地: | 23世紀 |
操縦士: | エミー・カノー |
サポートAI: | アンドロイドM11 |
概要
網走でのゴジラとの戦いに敗れ、オホーツク海に沈んだキングギドラであったが、仮死状態で23世紀まで生き延びていた。これにエミーが目をつけ、回収されてサイボーグ化されたものが、メカキングギドラである。
ゴジラによって絶命した中央の首と両翼は完全に機械化、胴体もかなり機械化されており、脚部にもプロテクターを装備している。
タイムマシン飛行艇「KIDS」をコクピットブロックとして組み込む事でタイムワープも可能。コクピットには、サイボーグ「M11」の頭脳ユニットが装着され、コ・パイとしてパイロットをサポートする。
機械化された胴体背部にスラスターを装備し、翼に反重力システムを組み込む事で飛行能力を復元している。その為か、改造前に比べゴジラの放射火炎で簡単に穴が空いてしまうが、穴が空いた状態でもゴジラを吊り下げて飛行する等推力は高い。
前述の翼を含め全体的に防御力はそれほど高くなく、メカギドラの技術を応用したとはいえ現代技術で製造されたメカゴジラやMOGERA、スーパーXⅢに比べるとかなり打たれ弱い。熱線が直撃するたびに、コクピットで火花が散る。
23世紀の技術が大したことないのか、それともそれを解析して取り込んだ現代の技術者が凄かったのか…。
もっとも、キングギドラを改造した23世紀の世界では、日本は世界にとって取るに足らない小国に成り下がっており、政治判断などにより対ゴジラ戦に充分な装備を与えてもらえなかった可能性はある。
残っている生身の首は改造前同様に引力光線を吐き、コクピットから手動で噛み付き攻撃させることも可能。しかしコンソール配置が悪いため、その間他の操縦が疎かになってしまう。
ただでさえ人気の高いキングギドラを、金銀の彩色でメカ化しただけあって今なお根強い人気を誇る怪獣である。
武装
- 引力光線
改造前と威力は特に変わらないが、それまで仮死状態だったためか若干光線の幅が細くなっている。
- レーザー光線
機械化された中央の首から発射されるビーム砲。威力は引力光線よりも上であり、引力光線とともに連射する事でゴジラを後退・転倒させるほどの威力を持つ。
後のメカゴジラのメガバスターに応用された。
設定上は引力光線と併せて一点集中で撃つ「トリプルトルネード」という技があるが劇中未使用。技自体は『モスラ3』でキングギドラがモスラに使用している。
- マシンハンド
左右の首の付根と両腰から射出される4つの小型のアームと、腹部の大型アームで構成されるゴジラ捕獲装置。捕獲すると同時に高圧電流を流す。アーム部分はかなり頑丈に造られており、ゴジラがボコボコ殴っても外れない。
メカゴジラのショックアンカーに応用された。
劇中の活躍
現代で暴れまくるゴジラへの対策として、23世紀のオホーツク海でキングギドラが回収されサイボーグ化、タイムワープして新宿で暴れるゴジラの元へ現れた。当初は遠距離攻撃で押していたが、段々と放射火炎での反撃でダメージが蓄積され、飛行しようとして翼を穴だらけにされ落下。パイロットのエミーも気絶してしまう。トドメを刺そうとゴジラが近づく途中で、間一髪M11の呼びかけでエミーが起き、ゴジラ捕獲装置とマシンハンドでゴジラを捕獲し、そのまま飛び立つ。
一体ゴジラを何処へ持ってく気だったのかは不明だが、怒ったゴジラの放射火炎で機体が限界を迎え遂に機能停止し、小笠原海溝にゴジラ諸共落下する。(エミーらはKIDSで脱出)
後に残骸は国連G対策センターによって回収され、徹底的に解析されてメカゴジラ開発の基礎となった。
ゲームへの登場
ゴジラ怪獣大決戦、ゴジラ怪獣大乱闘シリーズなどに登場。怪獣へのキャラ付けが著しい「ゴジラ怪獣大乱闘 地球最終決戦」では、攻撃力が非常に高いかわりに耐久力に難があるという性能を再現している。
余談
尚、メカキングキドラのスーツは昭和のキングギドラ制作に携わった経験を持つ村瀬継蔵氏によると人間が入る前でも何と200キロもあったという。彼の話によると羽だけでも50キロもありキングギドラの体格に合わせつつかなり小さ目にしたそうだが、軽量化に至る事はできなかったといわれる。ただでさえ重量級のキングギドラをメカにした事で200キロという想定外の重さになったそうだ。
このメカキングギドラに90年代のゴジラシリーズの多くの怪獣を演じてきた破李拳竜氏は入る意志はあったそうだが、円谷時代からの捜演のベテラン松本光司氏はメカキングギドラの重量を考えるとワイヤーが切れた際、死亡事故に繋がるとして反対している。当時のゴジラ映画の監督である川北紘一氏もメカキングギドラには歩く必要のあるシーンがないとして、危険が大きすぎるメカキングギドラには人を入れる事を断念した。(劇中にて飛行しているメカキングギドラが内マタなのは人が入っておらず、そういった事情があったからである。)
実際、撮影時にゴジラのスーツと合わせられ総重量が300キロ近くになったメカキンギドラのスーツのワイヤーが重量に耐えきれず、千切れてしまい撮影前に都庁を壊してしまうというアクシデントが起こっており、もしメカキングギドラに人が入っていたら確実に死亡事故に繋がっていた事から松本光司氏と川北紘一氏の判断は英断だったといえるだろう。