アドミラル・シェーアは、ドイツ海軍の保有した、「ポケット戦艦」の2番艦。艦名は、第一次世界大戦時のドイツ大洋艦隊(日本の連合艦隊に相当する主力艦隊)の司令長官で、ユトランド沖海戦のドイツ側のトップでもあったラインハルト・シェーア提督に由来する。1934年就役。
第二次世界大戦では、ポケット戦艦3隻の中で最も活躍した。3番艦アドミラル・グラーフ・シュペーがラプラタ河口に追い詰められて自沈したあとの1940年10月に通商破壊に出撃し、大西洋・インド洋を広く荒らしまわって、しかも無事帰国を果たした。
撃沈・捕獲は英補助巡洋艦ジャービス・ベイをはじめ16隻であり、仮装巡洋艦を除けば水上艦としての第二次世界大戦でのドイツ海軍通商破壊最大の戦果を挙げた。
食糧を大量に積んだ船を捕獲し、自艦ばかりでなく通商破壊の僚艦にも大盤振る舞いして感謝されたエピソードより。 |
大戦末期には、生き残りの大型艦の1隻として、ドイツに迫るソ連軍に艦砲射撃を行っていたが、1945年4月、イギリス空軍の爆撃に遭い造船所内で横転・沈没した。
艦橋は建造時は3番艦アドミラル・グラーフ・シュペーと同じ搭状の重厚なものであったがトップヘビーのきらいがあった為に1940年2月から9月にかけての改装で、1番艦ドイッチュラント(リュッツォウ)に似たマスト状のものに変更された。