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コククジラの編集履歴

2014-06-14 19:02:03 バージョン

コククジラ

こくくじら

ヒゲクジラ亜目コククジラ科に属するクジラ。コククジラ科唯一の種である。

概要

クジラとしては小型なので、和名ではコク、コクジラ、チゴクジラとも呼ばれる。漢字では『克鯨』、『児童鯨』と表記する。体長は12~14m、体重は40t弱。体表は灰色だが、ある程度年を経た個体は、全身にフジツボやクジラジラミなどの寄生生物を付着させているため、白のまだら模様になっている。尾部の背面には数個の小さな瘤(こぶ)が連なっており、背びれはない。寿命は50-60年と考えられている。


彼らは外洋に出ることなく、沿岸部を南北に往復し、2万kmを回遊する(現生哺乳類の年間の回遊距離としては、おそらく最長のものである)。現在生存している北太平洋の個体群は、アジア側の沿岸を回遊する西の系統(推定150頭弱)と、北米側の沿岸を回遊する東の系統(2万頭弱)とに分かれる。西の系統は、夏はオホーツク海で過ごし、冬に中国広東地方の沖で繁殖する。春と秋の回遊時には、朝鮮近海から日本の太平洋沿岸を通過する。東の系統はカリフォルニア州とメキシコの沿岸を繁殖場とするが、ホエールウォッチングの人々がボートで訪れると、寄ってきて体をさわらせてくれることもある。


また前述の通り沿岸棲であり、その食性も他のヒゲクジラがプランクトンを捕食するのに対し、コククジラは海底の泥や砂をヒゲでこしとることによってカニなどのベントス(底生動物)を捕食する。そのため、クジラヒゲは短く硬いものとなっている。


かつては北大西洋にも分布していたが、欧米による捕鯨の影響で18世紀に絶滅した。北太平洋でも同じく捕鯨の影響で絶滅の危機にさらされたが、東の系統は第二次世界大戦後の積極的な保護活動によってなんとか回復してきた(しかし未だ人間活動の影響を受けている)。しかし西の系統はほぼ絶滅寸前で、東アジア(日本を含む)の沿岸の開発の影響を受けるのだが、更に現在樺太島北部で行われているロシアの油田開発(サハリン2)によって絶滅の危機が迫っている。


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