概要
cv:佐々木望
ヤン・ウェンリーの養子にして彼の家の一切の家事を取り仕切る少年。
戦争孤児であり、そういった境遇の子供を高級軍人の養子にする「トラバース法」の導きによってヤン・ウェンリーと出会った。
呼吸すら億劫なヤンが生存できていたのは彼の功績が大きい。
紅茶を入れる達人にして影の主人公。
知謀のヤン、陸戦のシェーンコップ、空戦のポプランと各分野の教師に恵まれた上に本人の素質もあり、全てをそつなくこなす優等生だが或る意味器用貧乏な人物。
(とはいえ、対ガイエスブルグ要塞戦やバーミリオン会戦において敵の戦術を逸早く看破したり、参加した陸戦もなんやかやで生き延び、単独でラインハルトと対等な会談の約束を取り付けたりと、単なる器用貧乏には収まりきらない活躍を本編では見せている。)
ヤンに対する絶対的な信奉者の一人である。
同盟側の物語はユリアンの目を通してヤン・ウェンリーの思想や行動を見る、という側面も持っておりその意味では同盟側の最重要人物ともいえる(その構造上必然的に物語中のヤンの人物像はユリアンの主観が入り混じったものになっている)。
ヤンの死後はイゼルローン軍の総司令官に就任。当初はその器量を危ぶまれたが、就任後初の実戦でワーレン艦隊を撃退した功績からイゼルローン住民の絶大な支持を得るに至った。
とはいえ、やはり先達のヤン・ウェンリーがあまりにも偉大であったためか何かにつけて批判を被ることとなり、結果的にかなりの苦労を背負い込む事となった。
人物像
両親に先立たれ祖母からも冷遇された過去を持っているが、普段はそういった影の部分はおくびにも出さない朗らかな性格の持ち主である。人当たりの良い性格もあってか曲者揃いのヤン艦隊メンバーからも厚遇され、ヤン亡き後は彼らを繋ぎ止める接着剤の役割を担った。
戦術の天才ヤン・ウェンリーのようにずば抜けた才能は持たなかったが、冷静な判断力と適切な指導力によって人材をまとめ上げる能力の持ち主であったと言えるだろう。
ある意味において、彼は「一人の天才が成し得ることを数多の凡人が引き受ける」という”民主主義”の原点を体現した存在と言えなくもない。