ヘルメット
へるめっと
危険な場所で頭部を保護するために被るもの。兜や防護帽とも言われる。
ださいと揶揄されることがあるが、見た目よりも安全第一である。実際ヘルメットで命を救われた人は多い。
使う人は工事や工場の作業員、バイクやレーシングカーのドライバー、自転車の乗り手、野球や競馬の選手、軍人など。
車両用のヘルメットは、事故時に脱げないように顎紐をしっかり締めること。
野球用は、衝撃を逃がすために顎紐はつけない。工事現場などの作業現場では、ヘルメットの顎紐を締めたほうが安全か、それとも外したほうが安全か、結論が出ていない。
軍用ヘルメット
軍用のヘルメットは、基本的に拳銃弾や砲弾等の破片を防ぐ、衝撃から頭部を守るためのものであり、小銃弾を防ぐことはできない(技術的には小銃弾を防げるヘルメットを製作する事は可能だが、大変重いものになってしまう)。
古い軍用へルメットは爆風等を受けた際に顎紐が外れる構造ではなく、英国のような頭頂部のみを覆う皿型ヘルメットでは問題とならなかったが米国のM1ヘルメットやドイツ軍のM35スチールヘルメットのように頭の多くを覆う構造になった際に問題が表面化することになった。
また、現在の物のようにしっかりと固定がされない為、ずれて視界を遮ることもあった。
そのため更にずれやすくなることを承知で顎紐をあえて外すことが(特にアメリカ軍は)多かった(第二次大戦物など古い戦争映画などで兵士がヘルメットの顎紐をぶらぶらさせているのを見ることができる)が、ベトナム戦争以降のヘルメットでは顎紐は一定の力がかかると外れるようになっているので、顎紐をつけるのが原則である。
が、相変わらずずれやすいというのは変わらず、ずれて視界を遮ることや紐に施された爆風対策を信じずに顎紐を外すことが多かった。(特にベトナムでは暑いという理由もあった)
しかし、比較的安全な後方では顎紐を外す兵士が多いが前線ではしっかりと顎紐を締めている兵士が殆どという写真が残っている、被害が生じた事例のはっきりとした記録が無いなどの理由から、この爆風で首を持っていかれるという事例は都市伝説であり、コンバット!等のエンターテイメントの嘘とも言われている。
現在のものでは顎紐の改良に加えてヘルメット内部をネット状のライナーで隙間を作っていた構造からクッション上のライナーに変更して隙間をなくすように変更、更に顎紐を2点留めから4点留めに変更することで、ずれやすさの解消や耐衝撃性能の向上、頭部衝突損傷の防止が行われている。
現在の兵士はライトやナイトビジョン、ビーコンライトといった、それなりに重量のある装備をヘルメットに装着するため、頭部の形に合うようにライナーを調整し、顎紐をして頭部へのしっかりとした固定は必須となっている。
余談ながら、軍用ヘルメットは自衛隊では鉄帽と呼ばれるが、現在の制式鉄帽の88式鉄帽は複合材料製である。
米軍のPASGTもケブラーを用いた繊維強化プラスチックであり、オプスコアやクレイ・プレシジョンなどが製造する(空挺降下や水中での行動などにも使用するため破片防護といったものを考えていない)ヘルメットはカーボンファイバー樹脂や樹脂といった軽量素材で出来ており、鉄製ではない。