概要
クロスボーン・バンガードの高級士官用高機動試作型モビルスーツ。
ロナ家長女ベラ・ロナの専用機であり、クロスボーン・バンガードの母体となったブッホ・コンツェルンの傘下企業ブッホ・エアロダイナミックが、高機動偵察機であるダギ・イルスをベースに開発した機体である。
デナン・ゲーと同じくコロニー制圧用の武装であるショット・ランサーは装備しておらず、ビーム・ライフルによる射撃戦に重きを置いた機体となっている。
偵察機をベースとしながらもその基本性能は高く、特に機動力に関しては、シェルフ・ノズルの発展形であるフィン・ノズル(360度独立可動が可能なスラスター)を背部に八基搭載している事からデナン・タイプやベルガ・タイプとは一線を画する。
また、頭部メインカメラはデナン・ゾンやベルガ・ギロス等に採用されている丸眼鏡型のツイン・アイではなくダギ・イルスと同様のゴーグル・タイプが採用されており、また前述の通りショット・ランサーを装備していない為、その外観はクロスボーン・バンガードの運用する機体としては若干の異彩を放っている。
ベラ・ロナ(セシリー・フェアチャイルド)の専用機として、連邦軍月方面艦隊によるフロンティア・サイドへの攻撃に対して初陣を飾るが、この際は後方で支援を行ったのみで、実際の戦闘に参加したのはフロンティアⅠに於いてスペース・アークを中心としたレジスタンス部隊への攻撃を行った際である。
この際にシーブック・アノーの乗るF91と交戦するが、その際にベラは学友であったシーブックの生存を知り、ロナ家を離脱し、シーブック達に合流。額のクロスボーン・バンガードのエンブレムを潰した上で、スペース・アークの戦力として運用された(この際、識別コードを変更しないまま運用された事で敵側に欺瞞効果をもたらした)。
この後、フロンティアⅠへ侵攻してきた無人攻撃兵器「バグ」を止めるべく奮戦し、バグの黒幕にしてセシリーの実父であるカロッゾ・ロナの乗るラフレシアと交戦する。
しかし、ラフレシアとの戦闘ではネオ・サイコミュで触手を操るラフレシアの前にダメージを蓄積させていき、機体は大破。パイロットであるセシリーも宇宙へ放り出されてしまう。
戦場に残された機体はF91のラフレシア攻略の糸口として、F91のビーム・ランチャーによってエンジンを狙撃され、消失しており、この際にラフレシアのバインダーを一つ破壊している。